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至音の突然の提案に女性は唖然としている。
「え?私がいたら余計ややこしいことになるんじゃない?」
「ほら、第三者の目線も必要だしね」
至音はカレンと苺花に同意を求める。2人とも特に反対はせず、それを見た女性は少し複雑な顔をしていたが、納得したようだった。
「名前は心奈。力になれるか分からないけれど、頑張るね。とりあえず、彼方君に話に行こう」
彼方は家の前で立ち尽くしていた。至音たちの話が終わるのを待っていたみたいで、彼方の方に向かうとすぐに至音たちに気が付いて話しかけてきた。
「話は終わった?」
「おまたせ、彼方君。話は聞いたよ。走って逃げちゃった遥さんと喧嘩したんでしょ!仲直りするよ」
「待って、待って。その前にまず聞きたいことがある。遥の隣にいた、あなたかな?」
そうして、至音に近寄る。顔を近づけて耳元で周りに聞こえないように小さな声で囁く。
「あれは、本物の遥?」
至音は静かに頷く。そして、心奈には聞こえないように注意して説明をする。
「幽霊になって、未練を解決するためにあなたに会いにきたんです」
「わかった。君の話を信じる」
至音はあっさり信じてくれたことに少し拍子抜けした。彼方にとっては、どのような状態だったとしても遥本人と言うことが一番重要だったのかも知れない。
「みんな、俺の部屋に来てくれ。そこで話そう」
家に上げてもらい、彼方の部屋に入る。きちんと整理整頓されており几帳面な性格を感じられる部屋だった。部屋の中心に置かれていた小さな丸机を囲み座り込む。
「で、俺に会いに来たのは仲直りしたかったからなのか?」
カレンはその言葉に対して、威圧感のある声で話す。
「あんたが遥のことを傷つけてんじゃないの?何でそんな他人行儀なの?」
「ごめん。俺は遥が何で怒っているのかはっきりと判らない」
まだ、怒りが収まらないカレンを苺花は制止して、1つの提案をする。
「喧嘩した時期を覚えているなら。その日のことを詳しく教えてくれたら何か分かるかも」
「いいね。彼方君の口から教えて」
心奈の後押しもあり、ためらいながらも彼方はゆっくりと話を始める。
「まあ、少しは自覚もあるんだ。どうか、怒らないで聞いてくれ」




