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ショッピングモールを出て、遥の幼馴染の家まではそう遠くは無かった。心地良い風が吹いており、4人和気あいあいと歩いているうちに到着してしまった。
「あそこが噂の幼馴染の家?」
「そうだよー、至音」
4人は曲がり角から顔だけを出して、家の様子を見ている。
「ねー、遥」
「どうしたのー、カレン」
「こんな不審者みたいな行動をしているのは何で?」
「……なんか、緊張するから」
すると、突然カレンは遥の背中を押した。遥はよろけて前に倒れる。遥は何が起きたか分からないといった様子でカレンのことを見る。カレンは仁王立ちで立っている。
「そんなもじもじしてないで、とっとと行ってこい!」
「うん。ありがとー。行ってくるねー」
遥はにっこりと微笑んで手を振る。背を向けまっすぐ歩き出す。至音も慌てて動き出す。
「私も行ってくるね」
「苺花と私は近くで待ってるね」
「至音さんも気をつけて」
至音は軽く頷いて、遥の元に駆け寄り隣を歩く。
「そういえば、幼馴染の名前を聞いてなかったね」
「遠野彼方」
遥が一軒家の前に止まる。表札を見ると遠野の文字が書かれてあった。遥は震えた指でインターホンを押そうとした瞬間、後ろから声がかかる。
「遥?」
男性の声。予想だにしない出来事に遥も至音も驚き硬直する。
「遥だよな!?どうしてここにいるんだ?」
やっと振り返るとそこには似通った制服を着た男女が立っていた。彼方の隣に立っている女の子が首を傾げて聞く。
「この2人は彼方君の知り合い?」
「ええっと、1人はわからないけどもう1人は小さい頃からの知り合いだ」
彼方がもう一度話しかけようとしたとき、遥はそれを遮った。
「ごめんねー。私達邪魔だったよね。今日は帰るから」
そう言い至音の手を取ってズカズカと歩く。
「ちょっと遥ちゃん。会って話するんじゃなかったの?」
「話すことなんてないよー。それにあいつ今からお家デートだよ。邪魔しちゃ、悪いよねー」
無理に止めると1人で走り出してしまいそうで、至音はそのまま引きずられていった。
「大丈夫だよー、至音。喧嘩した理由は思い出した。あいつが私のことを馬鹿にしたように言ったの。それにむかついて色々言い返してもー大喧嘩。あいつが謝るまで絶対に許さないって決めたんだ」
徐々に歩みがゆっくりになりやがて止まって至音の方に顔を向ける。遥の表情はにっこりとした笑顔だった。
「至音にもわかったでしょ。私の未練。後は頼んだから」
そう言うと遥は手を離し何処かに走り去って行ってしまった。




