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至音、遥、カレン、苺花の4人はお菓子パーティーを始める。お菓子を食べたり、ジュースを飲みながら、他愛もない話をする。そんな中で遥は手に持ったクッキーを頭の上に掲げて、大切そうにうっとりと見る。
「遥さん、そんなに見つめてると苺花まで照れちゃいそう」
「えー!そんな、照れなくて良いんだよ。だってこんなにも美味しいクッキー作れるなんて誇ることだよー」
掲げていたクッキーを口に入れて、満面の笑みを浮かべる。
「私もお菓子を作ったことはあるけど、こんな美味しくは作れなかったよー。なんかコツとかあるの?」
「やっぱり相手の事を考えて作ることかな」
「なんか照れちゃうなー」
至音がクッキーを飲み込んで話始める。
「もしかして、昔からよくお菓子作ってた?」
ちょっと気まずそうに苺花は頷いた。
「ちゃんと覚えてないけど、多分そうなんだと思う。手が作り方を覚えてる感じだった」
「そうだよね!このお菓子は苺花ちゃんの努力の成果なんだね」
それを聞いて、カレンも遥も嬉しそうに頷いている。
「白羽ちゃん本当にすごいんだよ。手際が良くて私ほとんど役に立てなかったもん」
「あの、皆して褒めてくれるのはすっごく嬉しいけど、流石にちょっと恥ずかしくなってきた。だから、苺花の話はこれで終わりにして遥ちゃんの話をしない?」
「いいよー遥の話ね。えーと思い出せたのは幼馴染がいた事ぐらいかな」
「遥ちゃん、ケンカ別れしたみたいなんだ。私はそれが未練だと思ってるけど」
「いや、違うね」
2人の間に押し問答が繰り広げられる。そんな2人にカレンが割って入る。
「あのさ、今回のお菓子パーティーの材料を買うときに先生引率のもと外のスーパーに買い出しに行ったんだ。その時、支援者か先生がいれば幽霊も外に出て普通に人とも話せるって聞いたの。このままじゃ話し合いは平行線だし、とりあえずその幼馴染にあってみない?」
遥の顔がみるみる笑顔に変わっていく、そのまま元気いっぱいの飛び跳ねた。
「え、幽霊の私も外に行けるのー!?ショッピングしたーい!」
「あ、外出できるのは未練に関わることだけみたい。今回は未練を見つけ出すパーティーの準備って言ったら許可された」
「でもでも、少しならバレないよね!至音!早速許可取りに行こう!」
「うん。なんか私知らないことだらけだな。そのせいで、迷惑かけちゃってるよね。ごめん」
「そんなの今はどうでもいいから。早く行くよー!」
遥は至音の手を取って、勢いよく部屋から飛び出す。




