試される
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:試される
イントロ〜
皆さんこんにちは。
ところであなたは、本気で誰かを愛したことがありますか?
本気というのはどんなものを言うでしょうか。
何かを投げ売って、自分を犠牲にして、その人の為なら何でもする?…世の中にはこの「本気」が溢れていると思います。
ですが実際その段になれば、どれほどの人が生き残るでしょう。
そこに立ち止まり、本気をもって誰かを愛する。
それが出来る人が、どれぐらい居るでしょうか?
今回はその段階に差し迫られた、或る男性にまつわる不思議なお話。
メインシナリオ〜
ト書き〈或るカップルの紹介〉
ある所に不釣り合いな男女が居た。
周りから見ればもちろんのこと、当人同士にしても、
女のほうは男にまるでその気が無かった。
でも親の手前、その女は見合いをしなければならなかった。だからその場しのぎに、見合いに興じたのである。
でも男はある程度、本気だった。
初めは美しさと蜜に見惚れる、生死を懸けた虫のように。
周りは面白がってその様子を見ていた。
でも男はやはり本気。女は嘘気。
でも時が経つにつれ、男の本気のほうに周りは注目し始め、その本気の度合いを確かめようとし始めていた。
見合いに興じた当の女は、そんな事つゆ知らず。
それほど周りの気持ちに配慮せず、知らぬまま、
そろそろ男と別れようとしていた。
でも或るとき不純なきっかけで、女は男に激怒して
その場で別れの引導を突き渡した。
それで男は落ち込み、飲み慣れぬ酒を飲みに行った。
ト書き〈バー『OrDeal』〉
1人でいつもの飲み屋街に来た時、
全く見慣れないバーが建っているのに気づく。
店の名前は『OrDeal』。
何か気を惹かれたのか、男はフラとその店に入り、
いつもは焼酎なのに、その夜はカクテルを飲んだ。
していると、見知らぬ女がやって来た。
タメノ「フフ、お1人ですか?もし良ければご一緒しませんか?」
と彼女は男に声をかけ、しばらく談笑する事に。
彼女の名前は西北タメノ。
都内で恋愛コンサルタントの仕事をしており、
こんな場所でも悩みを抱えてそうな人に声をかけ、
キャッチセールスのような事をしていたと言う。
男「そうだったんですか」
でも男にとって、タメノは特別な魅力のようなものを持っていた。
どこか10年来の知己のような感覚を投げかけ、
それが理由で何となく心が解放される。
彼女の上手い運びもあって、男はそのとき自分が持っていた悩みの全てを打ち明けていた。
タメノ「そうですか。お見合いがダメになったと?」
男「ええw笑って下さい。こんな歳になって、まだこんな事に悩んで…。もう僕は一生、結婚する事は無いでしょう、だからどっか吹っ切れた感じもあるんです」
男の言った事はその時の自分にとって本当だった。
でもタメノは言う。
タメノ「そうですか。…でも恋愛に歳の差や時期というのはそれほど関係無いです」
男「…え?」
タメノ「あなたは本気でその女を愛したのでしょう?でしたらその本気の通りに生きてみること。試練というのをご存知ですか?」
男「試練?」
タメノ「生きること、つまり生活・人生には試練が付きまとい、それは仕事でも恋愛でも同じこと。その試練をくぐり抜け、勝利を勝ち取ればそれなりの報いがやって来る。こんな話、よく聞きますよね?」
その時の男には、このとき彼女が何を言っていたのかよく解らない。
でも答えはすぐにやって来る。
タメノ「おそらくこれからあなたに、恋愛における試練がやって来ます。それをくぐり抜けてみて下さい」
男「え?」
タメノ「もしくぐり抜けて勝利を取れば、あなたは彼女と結ばれます。でも途中で諦め、その試練を前に引き返したら、彼女の代わりに無難な人生がやって来ます」
ト書き〈数日後〉
それから数日後。
見合い相手だったその女から、また電話がかかってきた。
激怒したのを謝りたいと、ただそれだけの理由で。
でも男はまた期待を持たされ、女に会いに行く。
しかし又そこですった問答があり、
女はいろいろな無理を男に投げかけてきた。
私の事を本気で愛してるんなら、高級セダン車を3台買ってきて。
私の事を本気で愛してるんなら、今住んでる家をすぐに売却して、そのお金を私に貢いでみて。
私の事を本気で愛してるんなら、今就いてる仕事をすぐ辞めて、私が好きなデザイナーの職に就いて見て。
私の事を本気で愛してるんなら、私が昔好きだった人と同じように、その左手を義手にしてみて。
もっとあったが、どれもこれも無理難題。
男は、仕事を変えてみる迄は何とかやってみた。
これだけでも日常の常識から見れば、本当に凄い事だと思われるだろう。
でもそれ以上は無理だった。やっぱり常識が差し込んできて、
そんなのは本当の愛じゃない。恋愛でもなければ、
互いを尊重し合う結婚のあり方でもない。
男はこれ迄に覚えた結婚のあり方をイメージし、
その時、女を一気に突き放して行った。
ト書き〈生活を取り戻す〉
そして男はやがて、自分の生活を取り戻す事が出来たのだ。無難な生活、人生。
(男のその後の人生を遠くから見て言う)
タメノ「その人生を選んだわけね。それが正解かも知れない。でも、2度目に彼の前に現れたのは彼女ではなく、彼女に似た人」
タメノ「私が彼女をイメージして作り上げた架空の人で、彼に言ったすべての無理難題は、私が彼女に言わせていたの」
タメノ「もし彼がその通りにして、自分の片腕を義手に迄しようとしたならその時に私が現れ、彼の行動を留め、その時まで彼を動かしていたその夢を叶えてあげた。もちろんそれ迄に払った犠牲と財産、お金も全部返した上で」
タメノ「本気が試される試練というのは生半可じゃない。時に人の常識から見て、心底、間違いのようにも見えてしまう。でも或る種、人の本気が試されるのはそんな時なのよ」
タメノ「不幸中の幸いか、彼は宝くじが当たって、前より少し多くの財産を口座に収める事ができた。それで前より少し住み心地の良い家も手に入れる事ができた。就職口も、前より少し良い所が見つかった。給料も倍額に近い」
タメノ「彼女は失ったけど、これで無難な人生を送れるわよね。その幸いを運と見るか、私がしてあげた事と見るか。…私は彼の理想から生まれた生霊。今その事もあなたは考えている」
タメノ「これを糧に、今後の人生の幸せを考える事。それがあなたの次の試練よね」
(※)これまでにアップしてきた作品の内から私的コレクションを再アップ!
お時間があるとき、気が向いたときにご覧ください^^
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=EB6sb-fKc7o&t=2s
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
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