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俺の目の前で妻が浮気している  作者: 高円寺ほるもん
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あはは。俺がホストに見えるって?

 そりゃ、外見はかなりチャラく見えるかもしれんが、俺はホストなどという商売なんかに興味はない。


 こう見えても俺はエンジニアだ。


 東京でも指折りの大学の情報工学科を卒業した。機械工学にも詳しい。昔から手先は器用な方だった。


 卒業後、とあるソフトウェア会社に就職した。仕事は別段、面白くもなんともなかったが、上司の妻に手を出したことがバレて退職した。


 俺は、自分で言うのもなんだが女好きだ。特に人妻がたまらない。


 退職してから今住んでいるアパートに引っ越してきた。作りがチンケなアパートで家賃が安いので決めた。


 このアパートにパソコンを持ち込んで、プログラミングの外注の仕事をしていた。収入はまあ普通だろう。


 俺は、だいたい夜型の生活をしているので、隣近所の連中たちとはほとんど接点がなかったが、ある時、このアパートの2階の部屋から人妻が出てきたのを見た。


 これから近所に買い物に出かけるといった感じだった。


 顔は地味だが体つきに豊満さが滲み出ている。完全に俺の好みで、久しぶりに上玉を見つけたと舌なめずりした。そして彼女をモノにしてやろうと思った。


 ここで頭の弱いやつなら、すぐにナンパとかを考えるだろうが、俺はそんなことはしない。


 このような場合こそ慎重に行動する。まずは彼女の生活を知るのだ。


 その上で対策を立てる。俺は石橋を叩いて渡る男なのだ。


 電子工学の知識を生かして、ボールペンに極小の盗聴器を仕込み、近所のスーパーの特売セールの景品という体裁を整えて、彼女の集合ポストに投函した。


 俺の部屋は、彼女の部屋の直下であるから、wi-fiで通信が可能であった。この試みはうまくいった。


 ボールペンは彼女のメモ用として使われているようで、クリアな音声が聞こえてくる。


 その結果、彼女は夫と二人暮らしで子供はなく、専業主婦であることがわかった。


 また夫との会話の内容と少なさから、夫婦関係はかなり冷めているように思われた。


 俺にとってはうれしい情報だ。


 それを確認して次の段階に進んだ。


 俺はパソコンで、1枚のチラシを作成した。


「絶対安全・秘密厳守」「イケメン男性を紹介します」「若い男性とデートしてリフレッシュしてはいかが」「手数料ナシ」……


 こんな感じの文章の横に、アキバで購入した他人名義の携帯番号を記してある。後々アシがつかない配慮だ。


 このチラシを彼女の集合ポストに投函しておいた。


 うまくすれば連絡があるだろう。なければ別の手立てを考えればよい。


 そして、投函した翌日の午後に電話が鳴った。


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