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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

2021クリスマス特集編.聖夜_重複投稿

作者: ナメクジ

もっと多くの方々が近づきやすい『フラットフォーム』でも活動を並行していきたいと思い、無理を承知の上で小説家になろうとの並行を決めました。 約束は必ず守るので見守ってもらえると嬉しいです。

「雪が降っていた。ああそれは酷く寂しい夜だった。」

窓の外からの見える景色を好きだった。

親友とともに何時間も何時間もただ景色におぼれていると、

苦しいことは何であろうと堪え切れられた。

それは約束だった。



黒猫を抱きしめている少年が街を歩いていた。

凍ってしまったか弱い肌が赤く色だっていくほど

冷たい気温でも少年は奥に抱かれ微かな息だけ履いている

(親友)を離せず助けを求めた。



そのとある寒い日の(そこ)で帰るっどころのなかった少年は

路地にある箱の中で体をうずまった。

目の前に広がる人々の幸せに濡れた笑い(矛盾の景色)

許してはいけない産物だった。



賛歌 と喜びのイルミネーションで埋め尽くされた

街の人々には、少年の呼びかけが届かなかった。

冬の末都市社会でも数少ない大型連休(おおがたれんきゅう)前夜祭(ぜんやさい)

人々は浮き立っていた。



(さとる)事務所(じむしょ)もいつもの独特な落ち着いた雰囲気とは(こと)なり

普段から関わっている商店街(しょうてんがい)の人たちやとなりの事務所の

人達が集まって盛大な年末の宴会(えんかい)を前もって浮ついた雰囲気だった




「それではー、今年の最後を祝いながらおっー待たせの

プレゼント交換の(おこな)いたいと思いますー。」

広いテーブルをぎっしりと並べた食べ物が一つ二つ減ると、

悟は空気を見てを叩きながら言った。



「じゃ、僕から行くね~。先ずは家の(しき)っと、

淝水(ひすい)、それからアリアと~あ、

他の二人はただいま休暇で部材中(ふざいちゅう)だな...

ま、後であげようっとおおっとまだ開いちゃーダメだよ」



いつの()にか赤いコスチュームに着替え、

(ひげ)に帽子まで用意した

悪戯(いたずら)っぽい悟の姿に三人はリアクション無しでスルーした。

「ゲヘッー」淝水はむしろ舌打までした。



「え、何か反応(はんのう)(うす)くないー。ま、いっかでは次は

いつもおせはになっている商店街の方々にお粗末なものですが

こちらをどうぞ」高価な和菓子の箱が受け渡れていった瞬間

いきなりどこかで歌声が聞こえてきた。



室内の景色と温もりは消えとても静かな雪冤(せつえん)が広がった。

吹雪(ふぶき)の中からとある窓辺で首を後ろに回す猫の幻影(げんえい)が見えた。

斬撃(ざんげき)のような鋭い氷山が悟たちを襲った。



「任せて!」急速にかけてくる巨大な氷を

淝水が真っ二(まっぷた)つにしてそれを式とアリアが粉々にしようとしたが

アメリアがもっと速かった。切り裂かれた氷山を

拳撃(けんげき)で壊し何とか危機から逃れたように見えていた。



「実体がない?いや、そもそも魔力で出来てるものだし。

いや,だったら何であんな(いきおい)で?」

氷に触れたアメリアと淝水は同時に同じ疑問を思い出した。



「何かはわからんが仕掛(しかけ)があるようだな。まさか...。

おおっと不意打ちなんかやらせねぇよ。」

一人言葉(ひとりこと)を呟いていた悟は初見(しょけん)の魔術の世界に半分ほど

正気を失った商人夫婦の足元に、決定が静かに盛り上がろうとするのを防いだ。



彼らの身代わりに氷の(くぎ)に打たれた悟は当たった瞬間、

壊れてちりになった結晶(けっしょう)たちが

一気に伸び作られた巨大な氷の中に閉じ込められてしまった。



「まぁ、予想道理だね実体を保たれないのか。

確かにこれだけの広さの工房(アトリエ)レベルの結界を張れる

〔怪異〕とか見たこともないし、いきなり生まれるわけもない。

でもこれほどのレベルの高い〔怪異〕が街で暴れだしているのか――

被害(ひがい)多くなるかもしんないけど―――面白い物を見れたな。」



悟は擦りぬくように氷の壁を超え出て行った瞬間、

乱暴(らんぼう)に降っていた吹雪が止め

全く見えなかった周りが見え始めた。

周りには悟達を除いても多分距離を埋めていた大勢の人達があったが

皆どこかおかしく見えた。



「おい、どう―――。」式は声を掛ける瞬間彼らがここに入れられた時

既に命としての中身が無くなってしまったことに気づいた。

「はいはい、簡単に(とう)じるな。あの人達は巻き込まれ殺された。

でも今に集中しないと僕たちもあんな目に合ってしまうんだよ?」

式の(くせ)を知っていた悟は彼に注意をした。

それを聞いて式は無口になった。



「それでこれは脅しているのかな?」

「イ~ヤッ、それにしては範囲が広すぎ、それに誰かを特定している感じもない。

多分暴走の類いじゃない――。」実際、都市社会の2,3区域をただ覆い被していた

結界に意図(狙い)はなかった。



緊張(きんちょう)が高まった時点、雪原は再び急な吹雪が吹き荒れ悟たちを他の所へ(みちびい)た。

吹雪に巻き込まれたどり着いたそこは真っ白く広がる雪冤とオルゴールがあった。

近づくと古い胎葉が巻かれる音とともに歌の音が聞こえてきた。

まともな袈裟は発音のせいか、ほとんどが鼻歌だったけど

それはきっと、とても優しい誰かの歌声だった。



いつの間にかオルゴールの歌声が消え去り、

彼らの目の前にはある一家(いっか)年代記(ねんだいき)

空間自体に具現(くげん)されるように再生された。



幸せな家族がいた。 それほど裕福でもないし、

社会的にも成功を(おさめ)たわけではないが、

お互いの存在に感謝しながら幸せに過ごす家族と猫がいた。



家族にとって唯一(ゆいいつ)奇跡(きせき)であり、幸福の証明だった息子が死んだ。

ある〔怪異〕が暴れながら飛んでくる破片で頭を(つらぬ)かれ即死(そくし)したという。

夫婦と猫に絶望だけが残っていた日々のうち、

純白の男が彼らのもとにやってきた。



彼は自分が夫婦を助けることができると言いながら、

少年を(よみがえ)らせるためわずかの情報量(じょうほうりょう)売菜(かち)のある何かを要求した。

全く信じられなかったが、著名な魔術師(まじゅつし)と一緒だった彼の言葉を

信じざるを得なかった夫婦は、彼の要求を聞き入れたからの数日後、

息子は生き返った。



戻ってきた息子はなぜか(から)っぽのように猫と一緒に窓だけを

眺めているのに多くの時間を過ごした。言葉を含む感情表現(かんじょうひょうげん)もほとんどしなくなった。

自分たちの息子の違っている姿に親はあのうわさをたよりにその男を訪ねた。



そのシーンを基点(きてん)悟達を囲む空間で再現されていたとある記憶(きおく)は、

突然故障した映写機(えいしゃき)のように大きな音を立てて配属(はいそく)され、

フィルムに火がついたように再生される記憶のほとんどが毁損(きそん)され、

断片的な部分だけが認知できた。



悲鳴(ひめい)を叫ぶ母の姿、形だけでは見分けのつかない死体(したい)になってしまった父、

私と猫を連れて行く純白の男(〔ハカセ〕)、ある寒い冬の日に逃げようと決心した瞬間、

次第になくなっていく記憶を何とか思い出しながら帰ってきたそこには、

暖かい家どころか都心で道に迷ったまま親友を失い倒れた。

とても孤独(こどく)な記憶を体験した悟たちはこの雪冤(結界)の意味を思い知った。



「今のは...アリア落ち着け。」

「ああ、どうせここに兄の痕跡はもうないことくらい知っている」

記憶の再生が終わってから暗くなったアリアの顔を見て

淝水は彼の冷静を取り戻すように言い伝えた。



「さて、優先すべきはここからどうやって抜けていくかだな...。」

沈黙を割る悟の言葉に皆驚きを隠せなかった。

「結界の張らい主の居場所できづいたの?

それとも何か出られ透きに心当たりでも?」

アメリアは何か企みを持っているような悟に計画を聞いた。



「さぁ、あえて言えばどっちでもないーそもそもあれを見て時点で

示展者、結界内にいいないこと分かれたしもし結界を張った者が

外にいたと假定すると...やや不安定ではあるがなかなか高い完成度で

これだけの広さをかこみ、これだけの人数を閉じ込めた。よっぽどじゃ

できないさこんなの。」



「それで私たちは出ていくことができるんですか?!」普通の人には殺人的な

寒さに痛まれている空替(からがえ)夫婦は悟に責任を問いかけた。

彼らを見て悟は何か悩むようだったが



「内側にも結界を維持させる媒介体があるでしょう。

たぶんこの結界の主である少年はもうじき消えてしまう己のの命の代償として

張っているようですから無理やりこっちから出ちゃえばどうなるか

保障はできませんが確かにここはあなた方には危ない環境でありますから

待っていられる余裕はないですよね。媒介体おそらくこの辺りに――」



悟は記憶が再生された空間から少し離れた透明な壁で隠されている場所を

探し出した。「よっし、あったなジャー式こっからはお前の出番だ。」

悟の呼びかけに式は工房(〔内海〕)を顕現させ

黄昏を古い結界を強制に解いた。



まわりの真っ白な景色が眩しく光りながら誰かの思いであったはずの

雪冤は消えていった。気がつくと事務所の中から離れた路地に立っていた

悟たちの目の前には血を吐きながら倒れている少年がいた。



「この子が...」

「ほぼ死にかけているがまだ息はついているなこれ以上被害になる前に

片付いた方がいいぞ。」アリア敵意をさらしながらぼろぼろの

少年に刃を向けた。その一瞬空替の奥さんが身を挺して立ちはだかった。



「なんでいきなりこの子を殺すことになっているんですか!

魔術がどうであれ〔怪異〕がどうであれ人が死にかけていたら

助けるもんでしょ!」都市社会でも数少ない人情を持っていた

夫婦であることは知っていたが彼らの反応はそれだけではなかったようだった。



「ふん...空替さん、そのー何と言うか、いや誰だその方々の体は

簡単に則っていいものじゃないんだ。」悟の言う通り空替夫婦は何か

何かに憑依されたように目が光り、以前彼らにはなかった

強力な魔力を纏っていた。



「うわ、魔術ってこんな感覚何だ。あ、大丈夫悟君、私たちは確かにさっき

雪冤の中でみたこの子の記憶から意識の一部が流れてきたんですけど

どうやったかは分からないがちゃんと共存できるようだので。」

夫婦のいつも通りの姿に安心した悟は息を整えながらいった



「あ―――まったく、びっくりしましたよ。いやそれどうやって

できるんですか?」悟は困った顔で目の前の異常につい思い込んだ。

「いや~ごめんねー、雰囲気怖かったから私達もうっかり

体が先にうごいちゃった。ちょっと待ってて。

うん―――どうやらこの子の影響らしい。ねぇまだ殺すき?」



「〔怪異〕が行う行動に理解を求めようとしたらいけないってことかぁ。

とわ言え、その子も空替さんたちと似ている状態のように見えますね。

この見た目と魔力で〔怪異〕と呼ぶには少々無理があるだろ。

よくわかんないけど一旦救える命は助ける方が正しいからそうしましょう。」



彼を病院に連れていくにも困った悟たちは事務所で死にかけの少年を

治し意識の中にある裏面の存在(〔怪異〕) > を制御できる報道を作った。

それは親しい夫婦のためでもあった。騒がしい聖夜(せいや)が上がり

夜が明けた。夫婦は少年を家族として受け入れ悟に感謝を伝えながら

宴会は終わった。



[終]

去年11月からpixiv小説で活動始めたナメクジと申します。 以前から小説家になろうで活動することを考えていたのですが、アトリエ環境を見直しながら併行することになりました。


完全に並行が可能に慣れるまでは時間が少しかかると思いますが、多くの方々に私が製作するコンテンツを楽しんでもらいたいと思っております。


先日アルバンソサイエティ&ディプシーのパーストシーズン・幽霊花嫁のセレナデが

プロローグである'爾、目を閉じた者よ'が投稿されました!下のURLでお楽しみください!!!

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17163632

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