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忘却のテンペスト  作者: ひろゆき


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 第五部  一  ーー  私は自由  ーー

 二百七十三話目。

   もう私も文句言わないわね。

      言っても無駄みたいだし。


 私は自由。


 誰も私を束縛することはできないし、されたくなんてないっ。


 その信念をずっと曲げずに生きてきたのよ。邪魔をするなら、そいつは排除すればよかったのよ、そう……。

 そうして私は生きてきたのよ。


 ーーなんで、そうなったの?


 私のなかのもう一人の私が静かに問いかける。


 ーーなんで?


 それが私だから。

 

 それまでの私だったら、絶対にそう答えていた。


 でも今は……。


 私であって私ではないような記憶が湯水みたく溢れていく。


 あの戦争で無慈悲に殺された。

 抑えられない憎しみが私を変えたんだと思う。

 晴れることのない悔しさが、私の心境を構築されていたんだ、きっと。


 じゃぁ、私は本当に自由なの?


 今の私の姿はなんなの?


 包帯のまみれの惨めな姿じゃない。

 ほんと、悔しい。



 きっと、昔の反動で自由を求めてしまうのかな。

 

 ーー本当に?


 別にいいでしょ。私はそうやって生きてきたんだし

、これからもそうする。

 そうよ、だからこそ、これから私は自由なんだから……。


 じゃぁ、それはいつまで?


 包帯に巻かれ、欠けた視界の先に、ケガをしていないもう一人の自分が現れ、問いかける。


 それはずっとーー

 ずっとーー

 ずっと……。


 私はきっと死なない。

 だから、自由はずっと続いていく。

 そうよ、私は……。

 楽しむのよ。楽しまないと。

 誰がどうなるとか、何をするのかを。


 きっとイシヅチ…… イシちゃんも何かを企んでいるんでしょうね。

 それを私は楽しませてもらうわ。

 それぐらい、いいでしょ。


 だって、私の時間は……。

 そう怒るなって。

  まぁ、確かに今回は僕らの話は短かったけれど。

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