表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却のテンペスト  作者: ひろゆき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

241/352

 第四部  四  ーー  深まる厭悪  ーー

 二百四十一話目。

    私、この章はもどかしさしかない。


 ふざけたことを言うなっ。


 どれだけの奴にこの言葉をぶつけたか。

 もう我慢なんかしたくない。する必要なんてないんだ。


 ずっと蔑まされて生きてきた。

 血を恨んだこともある。

 先祖が敗戦国の人間だった?

 それじゃその子孫はずっと蔑まされるのが当然?


 ふざけるなっ。


 そんな戯言、変えたくて“蒼”に入隊したのに。

 遠い昔の勝敗にかまけて、偉そぶる連中を蹂躙したくて僕は入隊したんだ。


 僕をバカにする奴に人権も何も関係ない。

 

 そう思っていたのに。


 統率?

 先導者?

 帝?


 正直クソだ。


 “蒼”に入っても、序列がのしかかり、僕を邪魔してきた。


 イシヅチ。思い留まることはできないか?


 帝の最期の言葉が蚊のように耳元に鳴り続けて騒がしい。


 何を言っているんだ。


 こいつも嫌いだった。

 何が帝だ。統率者だ。

 結局、お前だって先祖の血筋のおかげで、その地位に立っているだけだろう。

 自力でも何ない形だけの統率者のくせに。


 だから……。

 だから殺してやった。


 結局、こいつだって、最期は悲鳴を上げ、命乞いをするだけの情けない奴じゃないか。

 みんな腹が立つ。

 あいつもそうだ、ツルギ。

 何が恐怖に勝つために帝が必要だ。

 恐怖?

 そうだろ、テンペストがもたらすのは恐怖。


 そうだ。恐怖がバカな人を束ねるのに一番必要なんだ。

 そこに温情なんていらない。

 それを奴らは知らないんだ。

 だから僕はもう“蒼”はいらない。

 こんなバカげた組織なんていらないんだ。


 転機は今しかない。


 今、僕らが変わるべきなんだよ。

 古臭い連中を消し去ってさ。

 だよな。今回の章はそうなるよな。

   次の章は動けるように願うしかないよな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ