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プロローグ

この世界には誰もが憧れる炎の国、海の国、天空の国、金の国、大地の国と呼ばれる5つの国があった。


それぞれの国はそれぞれの進化を遂げ、その国に住む事ができれば最高の環境で自分自身を高める事ができる、夢を持つ者なら皆ヨダレもの。まさに安心と安全と将来が約束された理想郷と呼べる場所。


そんな場所に誰でも住めるのかと聞かれれば、そうではない。5つの国に住むためには条件が1つだけ存在する。それは超常の力を持つ者『(コード)持ち』になる事だ。なぜそうなるのかはわからない。ただその資格がある者の体には才能を持つ者としての証が体に浮かび上がるのだ。


その証は2つの大厄災『白裂(びゃくさ)』『黒雨(こくう)』の後から急激に見られる様になった。生まれながらに持つ者もいれば、たゆまぬ努力を続け武闘大会に優勝したり、何か凄い発明をした事で後天的に認められ証が浮かび上がる者もいた。その証が体に浮かび上がった者は超人的な力や知識を皆手にした。強靭な肉体、体から炎や水を出し、そして天候さえも操る事ができた。


そしてその超常の力を持つモノは人だけではなくなった。土地、獣、全てが大厄災後から今まで見た事がないモノへと変わっていった。


そんな未知の変化を皆恐れるどころか大いに喜んだ。新しいおもちゃを見つけたように無邪気に。その強制的な変化を忌避する者は少なく、大多数の者達は自分こそが証を持ち国で豪華な暮らしをし、最強の人間になるのだと夢想していた。



もちろんそんな人間は限られた者のみ。大多数は証を持つ事なく生涯を終えるだろう。それでも例え夢破れたとしても彼らは幸福だ。なぜなら突如獣に殺されようと、土地に殺されようと、人に殺されようとそれまで自分の好きに生きていけていたのだから。この世界はその大厄災が起きてから200年の間ずっとそんな血に染まった平和を送り続けてきた。それでも平和だったと言えよう、それはいわゆる事故のようなもので、無いものは無いなりに皆平等な生活と平等な死を甘受し生きていたのだから。





そんな夢を追うだけの自由な時間がまもなく終わるのだと知る者は誰一人としていなかった…

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