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モテたい

作者: 梅野飴

モテたい男たちの漫才です


ボ→ボケ

ツ→ツッコミ


第3回ゲラゲラ大賞最優秀賞受賞させていただきました!

少しでも笑ってもらえたら幸いです!


もし気に入っていただけたら他の作品も見ていただけたら嬉しいです。

ボ「いやめっちゃモテたい」


ツ「第一声で心の叫びですみません」


ボ「でもこの世界から戦争をなくしたくもある」


ツ「その二つが同時に脳内に存在することあるんですね」


ボ「今日はね、そんなテーマで漫才やりたいなと」


ツ「そんな広範囲な漫才する自信ないですけどまあ頑張っていきましょう」


ボ「と言うわけでね、モテたいんですよ」


ツ「やっぱそっちに絞るんだ」


ボ「なんかモテるためにやってることある?」


ツ「あっ、僕最近体鍛え始めたんですよ」


ボ「えっ、ちょっと触らせて……おおすごい長母指伸筋!ヒラメ筋もこんなに!あー舌骨下筋かたーい」


ツ「ちょっとどこ褒められてんのかわかんないですけど」


ボ「いやでも本当にこの板状筋の盛り上がりとかめっちゃ女子受けしそう」


ツ「ピンとこないから。女子そんなピンとこない筋肉で喜ばないから」


ボ「僕はね、最近楽器始めたんですよ」


ツ「あーいいですね。やっぱりギターとか男は一度は憧れますからね」


ボ「文化祭でバンドやったりとか」


ツ「まさにモテの定番」


ボ「俺のディジュリドゥの音色で学校中の女の子をね」


ツ「ごめんなさいちょっと僕の想像している文化祭とは違ったみたいです」


ボ「知らない?下に向けてボーって吹くアボリジニに伝わる楽器なんだけど」


ツ「モテたくてそれ始める人多分アボリジニでもいないんじゃないかな」


ボ「俺のディジュリドゥの周りに女の子をはべらせるのが夢なんだけど」


ツ「むしろ信仰されてる光景だよそれ」


ボ「あっ、じゃあ髪型変えるってのはどうかな」


ツ「いいですね。やっぱりなんだかんだ言っても見た目って大事ですよ」


ボ「でも美容室ってなんか緊張して苦手なんだよね」


ツ「まあ確かにオシャレな店ってそうだよね」


ボ「何が一番緊張するかってやっぱり鏡で後頭部の確認させられた時が」


ツ「まさかの最終局面」


ボ「緊張しない?」


ツ「いやわかりますけども。もっとその前に色々あるじゃないほら」


ボ「……?」


ツ「なぜピンとこないのか」


ボ「とりあえず美容室克服したいから練習付き合ってくれる?」


ツ「じゃあ僕美容師やりますんであなたお客さんで」



ボ「予約してたフリーザです!」


ツ「お待ちしておりましたー。今度から本名でお願いしますね」


ボ「おばあちゃんが初めての人にはまず偽名を名乗って様子を伺えって」


ツ「おばあ様の生きてきた世界が気になりますが……本日はどんな感じにいたしましょうか」


ボ「静かな森を一人歩いてる時に浴びる柔らかな木漏れ日のような」


ツ「詩的な表現でなく」


ボ「じゃあ道行く女達がみんな僕に抱きついてくるような髪型でいいです」


ツ「急に煩悩剥き出しできましたね」


ボ「じゃあとりあえずモテそうな髪型で」


ツ「はいではシャンプーするのでこちらに座ってください」


ボ「最後に一目家族に会わせてくれ」


ツ「電気椅子じゃないですよー。えーお痒いところございませんかー」


ボ「鼻の中が痒いです」


ツ「好きにほじっててください」


ボ「大好きなあの娘に想いが届かなくて歯がゆいです」


ツ「噛み締めといてください」


ボ「クッ……」


ツ「はいお疲れ様でしたー。じゃあカットに入りますねー」


ボ「お兄さんお仕事何されてるんですか」


ツ「美容師ですねー」


ボ「わかるー。めっちゃ美容師ぽいかもー」


ツ「現在進行形であからさまに美容師ですからねー」


ボ「何か本とかあります?」


ツ「いいですよ何読まれます?」


ボ「じゃあこち亀かドラゴンボールを全巻持ってきてもらって」


ツ「すみませんうちの本棚そんなラーメン屋みたいなラインナップじゃなくて」


ボ「じゃあ社長さんの自伝を」


ツ「アパホテルスタイルでもないんですよね。……はい終わりましたいかがですかー」


ボ「あーもう少しこの辺……」


ツ「あっ、短い方がいいです?」


ボ「長くしてもらえます?」


ツ「ちょっと物理的に無理ですね」


ボ「うーんこれなら坊主でよかったかも」


ツ「こんな屈辱的な感想初めてですねー」


ボ「でももうこれで明日からあの娘に変態ストーカー野郎って呼ばれずにすみますかね」


ツ「もうその娘には関わらないであげてくださいねー」


ボ「はい」


ツ「後ろはこんな感じですがいかがですか?」


ボ「はわわわわ」


ツ「ここが一番緊張するのは本当だったんですねー」



ボ「いやーやっぱり俺ダメだわ。どうしても最後の後頭部の確認苦手だから美容室いけないわ」


ツ「問題はそこじゃない気がするけどねー」


ボ「やっぱモテるのは諦めるわ」


ツ「どうするの」


ボ「俺のディジュリドゥの音色で戦争を止めてくる」


ツ「もういいよ」

見てくださってありがとうございます。

異世界コントという短編集も連載しておりますのでよかったら読んでいってください。どの話からでも読めます。

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異世界コント
↑コントのような異世界ギャグ短編集連載しておりますのでぜひこちらもブックマーク等して頂けると励みになります!
徒然生きて
↑純文学カテゴリですが、完結済みの連載小説です。読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 笑わせてもらいました!面白かったです。 ディジュリドゥの音色が純粋に気になって調べちゃいました 笑笑 受賞おめでとうございます!このコント読んでるだけでも目の前で漫才師が繰り広げてるみたい…
[良い点] 笑わせてもらいました。 ボケ最高です! (#^.^#)ありがとうございました。
[良い点] 最高に面白かったです。 明るい気分になれました。
2021/08/04 20:14 退会済み
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