表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/33

20年ぶりの高校授業&帰宅部返上

【登校前、自宅にて】

始業式の翌日から授業開始。ただ今日は午前中で授業は終わり、午後は部活の紹介になる。もちろん、部活に入らない生徒は午前中で終了。当時の俺はもちろん午前で帰宅。

ここ数日(今までもこの家族はそうだとは思うが)の様子を見るに、親父が一番早く家を出て、続いて母親が出かける。その次は健二となり、最後が俺。

母親が出かけるのも7時と早いため6時には俺を起こしに来る。

お母さん、俺はもっと寝ていたいのですよ!

なにせアラフォー時代は朝起きるのが嫌で午前中の高校の講義は週2コマしか受け持っていませんでしたから。主なタイムスケジュールで言うと、午前中は10時前後(高校の授業がないときです、念のため)に起きて、朝に近所のスーパーで買い出し(夜は行きません。近所のスーパー、閉まっているから)。午後になってようやく活動開始、その日講義がある学校に出かけていき、深夜帰宅。予備校の場合は最後の講義は22時に終了するためこの日は特に遅い。そういう生活を10年弱続けると、どうしても夜型人間になっちゃいますよね。

俺が午前中に主婦に混ざって買物しているものだから、近所の人からは、この人本当に働いているのかしらという目でよく見られたなぁ。もう、慣れっこになっていたけど。


今朝も、朝6時に母親が俺を起こしに来た。俺が家を出るのは8時過ぎなので、できれば7時過ぎまで寝かして欲しいのだが、でも母親が給食の無い俺のために弁当(前日の残り物を詰めるのが中心)を作ってくれているという事情もあり、6時に起きてあげないと悪いかなと。

もそもそと起き上がり、とりあえず今日のスケジュールを確認。机には昨日手に入れた新しい教科書類が積まれている。

今日の予定は、

1時限目:現国

2時限目:数ⅡB

3時限目:物理

4時限目:英語(Reader)

だった。対象の教科書類をカバンに詰めて準備は完了。

朝ご飯を食べに下りると、すでに健二が朝ごはん食べていた。おまえ、8時前に家出るのに何でこんな早くに食べているの??

そう、お気づきかもしれませんが、私、今現在携帯電話を持っておりませんので携帯チェックなどの朝の日課はありません。どうやらi-modeが出始めたころみたいで、携帯電話を持っていない学生も多かった。携帯電話が無いと非常に不便なことが分かる今日この頃です。

実は病院から帰ってきて真っ先に机を漁ったが、携帯電話は置いてなかった。おい、佐藤の家で倒れる前の俺、携帯電話ぐらい親にねだっておけよ!

ちなみにPCは家においてありました。ダイヤルアップだけど。


【20年ぶりの高校授業】

昨日と同様、閉まりかけの校門を集団で突破して教室に滑り込み。安藤に今日も負けてしまった。どうせ10秒も変わらないとは思うけど。

席について1時限目の現国の教科書を取り出す。ふと、教科書を見て20年前を思い出してしまった。俺、現国はいつも赤点すれすれか、赤点を取ってなんとか追試でリカバーということを繰り返していた。この文節で作者はどう考えているかなんて、そんなの作者に聞けって!現国、はっきり言って漢字の練習しかしていませんでした。でも、恥ずかしながらここのところ、その漢字もさっぱり書けないのですよね。これは小学校・中学の教材を週末こっそり買ってきて練習せねば。

幸い指されることなく現国の授業は終了した。そういえば、このクラス、文系志望が大半なので、現国の授業、意外と盛り上がるのです。熱心な奴を指名してください、先生!

2時限目は数学(副担の加藤先生)。今度は逆にクラスの大半は難しい顔をして、できれば指名してほしくないオーラ、バンバン出している。俺は今日の授業範囲を確認して加藤先生がどんな授業を行うか観察していた。おいおい、加藤先生、そんな教え方時代遅れですよと言ってやりたかったが教科書見ると、まま教えている感じ。これでは数学の授業は特に受ける必要ないな、受けても全く俺には無意味と思った次第です。加藤先生ごめんなさい。

3時限目は選択教科の物理。俺は理科室的な場所に移動。各クラスから授業に参加しているのはほぼ男子のみ。今日の授業はガイダンスだった。

実をいうと、物理、苦手なのですよね。数学ができても物理が苦手という人、数学科時代の同級生含め割といます。もちろん物理が得意な数学者は多いけど。逆に物理ができる人は数学も得意です。

4時限目は英語(担任の島野先生)。俺は高校時代、あまり英語は得意でなかったが、学位取る際に英語で論文を書かされて、数学の専門書も英語ばかりということで英語の文献を読むのは苦にならなくなった。でも、英語できますとは実は言えません。何せ、数学で使う単語や構文って限られているし、単語の使い方も違うのですよね。例えば、evenは偶数って読み替えちゃうし。ちなみに奇数はoddです。ということでReaderに出てくる例文は恥ずかしながら辞書の助けがなければ理解できませんでした。

かれこれそうしているうちに本日の授業は終了した。


【帰宅部返上、部活に入る】

今日の部活の見学、部活の変更や新たな加入などができる。俺はもちろん当時は帰宅部。美化委員の清掃(チェックも含みます)が終わると速攻チャリで帰宅していたため、高校3年間を通じて部活に入ったことがない。でも、今回は部活に入ろうかと考えている。

理由は2つあって、1つはほんの一部の生徒しか知らないので知り合いを増やしたいということと、もう1つは20年前の高校時代に多大な時間を投下した数学はいまや教える立場(先日までです)になっているため、その分の時間の余裕ができたから。だったら他の教科の勉強にあてた方がベターと思うかもしれないが、受験勉強が中心を占めていた20年前の高校時代の反省から、せっかく高校生活を再び送れるのであれば、もうちょっと青春したいなというよこしまな動機もあり。


部活の見学に行く準備をしていると佐藤が声をかけてきて、一緒に回ることになった。

「佐藤、お前1年の時は何部だったっけ?」

「料理研究会、って清水君、知っているじゃない。料理御馳走してあげたこともあるし」

「ごめん、ごめん。で、今年はどうするの?引き続き料理研究会?」

「うーん。それもいいけどとりあえず色々見てみたいなって」

佐藤とそんなことを話していると、やはり俺は高1の時は帰宅部だったみたいです。20年前と変わらんな、この清水健一という人格は。

運動部関係はどうも好かない。俺、集団スポーツ、苦手なのですよね。なにせ先日までのアラフォー時代にやっていたスポーツ、ってスキーやウインドサーフィンなど1人でできるスポーツばかり。スキー部あるけど練習きつそうだからパスかな。俺、競技スキーはやる気ないし。また、海に近くないせいか俺の学校にはボードセーリング部なる部活は元から存在しない。

という訳で文科系の部活を見学することにした。そういや須藤さん、天文部所属だっけ。星の観察は嫌いじゃないけど、流星見るために遠くに行って寝袋にくるまって徹夜、っていうのはどうも体が受け付けん、ということで天文部は即パス。いくつか見ていると1つ興味を引いた部活がある。

『写真部』

そう、俺は恩師が写真好きだった影響で20代後半に写真撮影にはまり、レンズもかなり持っています(アラフォーの俺の自宅にはありますが今の自宅にはありません)。ということで『写真部』を覘くことにした。佐藤も写真には興味があるとのこと。

「お父さん、カメラが好きでレンズもいろいろ持っているから。私もやってみたいかな」

もちろん、カメラ女子なる言葉はここでは一切耳にしません。じゃあということで、2人で写真部にお邪魔し、説明を受けた。カメラ、貸してくれるらしいがやっぱり自分のカメラを持っていた方がいいとのこと。佐藤はお父さんのカメラを借りればいいけど、うちの親父、カメラ持っていたっけ?とりあえず家に帰って親父に聞いてみよう。2人で写真部に仮入部届を出し、部活見学は終了。

帰り際、俺、チャリだからと言って佐藤と別れようとすると、たまには乗せてってよと頼まれたので、交番が無い道を、佐藤を乗せて帰宅した。2人乗り、捕まると赤紙ですからね。赤紙、何十枚ときられても逮捕などはないと思うが、小心者なので。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ