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ぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~  作者: なつみん
2:ギルド編
8/40

2:ギルド上編 4

 この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~2:ギルド上編 2を読んでいただきありがとうございます。

 これにてギルド上編が終了となりました。いや、かなりネタ回?みたいな感じで書かせていただきました。結果としては、次話への理由付けといい方向に勝手に舵が切れた感がありますが、こまけぇことはいいんだよと!

 次はギルド中編を書こうと思っています。中編はいわばランクアップ期間みたいなものです。

 個人的にはメタい発言が多い作品は好きではないので、少しクスッとさせたいときやネタ回以外では入れたくないです。なので、あんまり今回みたいな書き方は今後はしないんじゃないかな?

 まぁ、そんな感じのまとまりのないシリーズですが、応援していただけると幸いです。

 第2章 ギルド上編 4


 少し夜更かしでもしたのか、時刻になってもセイラが起きてこない。

 そのことを心配した唯がセイラを起こす。


「……セイラ君。おはようございます。起きてください」

 もそもそとテントへ入り、セイラをゆすりながら起こす。寝起きのあまり悪くないセイラだが、起きたての今や寝顔は年相応の幼さがあった。

「……。……おはようございます」

 少しずつ意識が覚醒してきたのか、いつもの年齢よりは大人びた表情になっていく。

「……。寝坊ですね」

 眉間(みけん)を左手の親指で押さえながら少し険しそうな表情をし、極めて冷静に現状を把握した。


「あ、あ。でも大丈夫ですよ!そんなに遅かったというわけでもないので!」

 なんのためのフォローかもわからないものを唯は取り繕った。

「それよりも朝ごはんにしましょう!」


 色気より食い気そんな感じの唯だった。

 何せセイラの作る料理は、唯の母である鵜鷺(うさぎ)の作る料理よりうまいのだ。

 期待にアホ毛をまるで犬の尻尾のようにブンブン!と揺らし、ご飯を期待していた。


 ちなみに父である孝宏(たかひろ)も唯もそこそこって感じだ。

 うんほんと、特段まずくもないがめちゃくちゃうまいってこともない。

 一家揃って誰一人料理が下手でもないが上手くはない。


「そうですね。昨日ロビンさんと夜お話してる時に、朝食分を作っていたのですぐにあっためますね」

「え?なにそれやらし」

「え!?」

 唯のよくわからない性観念を披露され、普通に困惑したセイラだった。


 テントより這い出たセイラは、昨晩作っておいたコンソメっぽい味付けの豆とトマトのスープとフランスパンみたなパンに溶けたチーズをのせたものを出してくれた。

 パンも街を出る前に宿の厨房を借りて自分で焼いていたりと、セイラならではのこだわりでもあるのか、小麦のいい香りが鼻腔を満たし、口いっぱいに広がり食欲をそそった。

 チーズもチーズでこだわりがあるのかもしれないがそこまではよくわからない。

 とにかくうまい。語彙力低下中。


「腹もこなしたし、行くかぁ…」

 アリアはぐーっと伸びをするとその勢いのまま立ち上がった。


「そうですね。行きましょう。」

 レイピアを手に取り、鞘を腰に巻き抜き掃いそして収める。その一連の動作に昨日までとは異なる、やる気のようなものが感じられた。


「おう、いくか」

「もう一仕事です」

 ロビンに続き唯も、腰掛けていた簡易的な椅子より裾をパンパンとはたきながら立ち上がった。

「そいえばわたしセイラ君やアリアさんが戦ってるところ見たことがないです」

「そいえばそうですね?」

「だっけか?」


 アリアとセイラは唯が格闘家だということは知っているし、一度戦っているところも見たことがあるが。

 唯は二人の戦闘シーンを見たことがなかった。


「そうだな。あたしとセイラは大まかな括りで言うと魔術師?みたいなもんだよ。」

「その括り方は雑過ぎませんか?……そうですねじゃあ僕から。僕の得物は見ての通りレイピアなんですけど、このレイピアは使用者の魔術特性を高める効果があります。見ててください」

 セイラはレイピアに手をかざし呪文を唱え始めた。


氷精(フェンリル)の力をもって大いなる神の得物を召喚せよ。神槍必罰(しんそうひつばつ)氷の神槍(グングニル)


 空中に氷で出来た槍上のものが現れた。じわじわと氷が集まって模られていくのは少し面白かった。

「……こんな感じですね。八元(はちげん)全てで神槍(グングニル)を出せるわけではありませんが、複合したら出せたりします」

 唯が大きな赤の瞳で興味深そうにじーっと見るものだから、少し緊張したのかセイラは早口になった。

 この世界には魔法や魔術、錬金術が存在するが、唯にとって魔術の行使の瞬間を見るというのはこの世界に来て半月余りにして実は初めての事だった。


「セイラ君のそれは()()なんですよね?」

「?はい。魔術ですよ?」

「術ってことは練習すればだれでも作れるものなんですか?」

「誰でもは無理ですね。八元どれかに対する適正と魔術に対し寛容である必要があります」

 ふむ。と一人唯は納得していた。

「……。わたしも作ってみたいですそういうの!」

「ユイさんの適性はどれですか?」

「わかりません!」


「では簡単に確かめてみますか?これを握って力を籠めてみてください。」

 セイラはレイピアを唯に渡すと簡単に説明をした。

 セイラのレイピアは魔術特性を高めるので、魔術として形を成さなくても一番適性が高いものが勝手に表に出てくるらしい。

 適正の高いもの以外は訓練次第では引き出せるようになるらしいが、今回は適性を見るだけらしく力を籠めるだけでいいらしい。


「……では、行きますね!ふうん!」


 実に唯らしく気合の抜けそうな声で気合を込めた。

 するとレイピアからぶわっと風が漏れ出た。

「ユイさんは風に適性があるらしいですね」


「そうなんですね?そういえばそもそも八元って何なんですか?」

「……え?あっはい。八元とはですね」

「火、水、地を根源もしくは三元素と呼び、それに風を追加し四台元素と呼ぶ人もいますね。そこに雷が入って五元。光と闇と命を最後に足して八元です。

 今言った順で優先度になります。

 優先度が高いものほど適性者が多いとされています。そして八元の最後、命まで行くともうほとんどいなくなります。そして八元が大まかに区分分けした時の最小単位になります。

 すべての魔法、魔術はこれに属します。

 そしてそれぞれに精霊がいて、さっき僕が使ったのは精霊魔術です。氷の精霊の力を利用して魔術を行使しました。

 魔術体系は大まかに分けて二つで、詠唱魔術と魔術陣利用です。

 小さな行使を詠唱、大きな行使を魔術陣と基本的には使い分けます。精霊魔術は詠唱魔術に入りますね。ほかにも…」


「ソウナンデスネ!リョウカイシマシタ!」

「お嬢はいい加減その魔術の話聞いた時に思考停止する癖をなくしたほうがいいな」

「たぶんユイさんは魔術に寛容じゃないかもしれませんね?育った環境とかでもこの辺りは変わるんですけど、先天性もあります。どっちかはわからないですけど」

「まぁ、仕方がないかもな。ユイのいた世界だと魔術や魔法はないらしいからな。こいつの親父が異常だっただけだよ」


「……。はっ。わたしのおとーさんがどうかしたんですか?」

「お前の親父は、命魔法と闇魔術の適性者だったんだよ。それも魔王かってぐらいのえげつない適性だったんだ」

「適性で性格が系統的に分けることができるんですけど、前勇者ってそうなると相当の変人だったんですか?」

「そうだな。かなり変わったやつだったよ」


「うーん、おとーさんは時々偏屈なことを言ったりもするがそこまでへんじゃないような気がします。」

「まぁ、お前のかーちゃんもかーちゃんで変な奴だったし、お前も変わらずそこそこ変だから安心しろ」

 わたしたち一家はみんなして変だと断されてしまった。悲しいです。

「んじゃ、今度はあたしかな?」


 アリアさんが抱えてったものから布をはぎ取った。布の内側にはびっしりと経のようなものが書き連ねてあった。

 布をはぎ取り終わると黒く大きな十字架が現れた。

 そしてそれを鞘であり保存容器だとか、まじめな顔してアリアが言うものだから、ロビンと唯は二人して首を傾げた。


封印解除(レリーズ)


 アリアが一言唱えると、十字架は影が落ちるように地面に溶けていき、鞘だと宣言した通り、中からアリアの身の丈ほどありそうな、側金の部分が深紅に染まった直刀の西洋剣が姿を現した。

「どうだ!めちゃくちゃかっこいいだろ!昔旅してた時の仲間のロウっていう、腕だけはいい鍛冶師がいたんだけど、そいつに作らせたんだよ。ついでにセイラが持ってるのも、そいつに作らせてあたしが使ってたおさがりだ」


 確かに細かい装飾の癖みたいなものは似てるかもしれない……?っと唯は思ったが素人目にはよくわからないというのが本音だった。


「これは、銘を蛇腹剣(じゃばらけん)朱紅葉(あかもみじ)

 そういうと、蛇腹剣は砕けるように節々が折れ中央のワイヤーに沿い展開した。俗にいうガリアンソードの事だった。


「こんな感じで、体の周りまとわせるようにすると紅葉っぽいだろう?それが銘の由来だ。あと無限にかっこいい」

 言動は厨二臭いが実際スレンダーで身長があり、艶やかな黒髪のアリアが半身で立つとスラっとして和風美人ぽく、散る朱い紅葉のような蛇腹剣の節々とよく似合っていた。


「確かに似合っててかっこいいです!」

「だろ!……。はぁ~」

 剣状に戻し頬を当て少し自分の世界にトリップしていた。

 アリアはものに対してはかなりこだわりが強いらしい。

 馬に対しての愛着とか剣に対してとか、あと服も何着も持っていてこだわりがあるらしい。

 そのせいでセイラのバックパックはいつもパンパンだ。


「んじゃ、今度こそ行くか!……。封蝋(シーリング)

 唱えると影が登るようにまた真っ黒な十字架をかたどる。

 それを丁寧にまた布でぐるぐるに巻き歩み始めた。 

 この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~2:ギルド上編 2を読んでいただきありがとうございます。

 あとがきですよ。あとがき!どうもこんにちはなつみんです!

 いやー、難産!なかなか筆が進まず少しばかり苦労しました。でもこのように投稿出来て私ひとまずは安心しております。

 こないだした話で、出世払いで!って言ったら出世しなければ払い倒しできるんじゃないだろうかと頭の悪い会話をしたことを思い出したので今書きますね?

 って言ってもそんな話をしました。ぐらいでほんとに中身がなくてかけないんですけどね!

 あ、あとTwitter始めました。興味があったら@723_hokkekyoで調べてみてください!

 まぁ、ほんと書くことがないのでいつも通り次回予告に。

 今回一応無事アンティーノ共和国に旅立つ船に無事?乗れました!ってことでここからは普通に冒険して、魔王を倒すための道筋をどんどん立てていきます。

 まだ、ほとんど、何にもないといってもいいほど考えが纏まっていません!

 そんな感じなので、次回をなるべく早くにあげようとは思っているんですが、いつ仕上がるかわかりませんが、次回を楽しみ待っていただけると幸いです。

 よいお年を!

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