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おいもんうぉーず  作者: 鳴海真樹
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1章第3節 変革の凱旋

前回のお話

煙が上がっていた本校舎に向かった、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモの三人。

そこで目にしたのは、校舎の壁が半壊した凄惨な様子であった。

そんな最中、煙の奥から主犯格と思しき影が。

三人は隠れて様子を伺っていたが、見つかってしまう。

仲間を守る為一人、ジャガイモは主犯格の前に歩み出る。

ジャガイモの運命や如何に。


ジャガイモは単身で校舎を壊した連中と相対した。

隠れて聞き耳を立てていただけで声しかわからなかったが、こうして見えることによりその姿が視認できた。

目の前にいるのは三人。


(見たところ、歳は俺と同じかちょい上って感じか・・・。)


ジャガイモは三人を一瞥してそう心の中で感想を漏らした。

また、個々の特徴としては、

真ん中の奴は、ゴーグル、インカムを着けており上着として大層なミニタリーコートを纏っている。

そして不敵な笑みでこちらを見ている。

その右の奴は、見た目で分かるほど妖艶さを醸し出していた。

髪は長くたなびかせ、服装は少々露出が目立つといったところか。

そしてなにより目を惹かれるのが彼女に背中にある大きな羽だ。

その羽は蝶のそれに酷似したもののようだった。

彼女もまた不敵な笑みでこちらを見つめている。

そして左の奴。

奴の身なりは豪華に着飾られており、こう言ってはあれだが校舎を壊した犯人にしては似つかわしくない装いだった。

視線はこちらを向いておらず、いささか不機嫌そうにも見えた。

しかし、その佇まいは威厳がありこちらが圧倒されそうになるほどだった。


そんな連中にジャガイモは恐怖に足がすくんでしまう程だったが、なんとか思い留まり連中に向けて会話を投げかける。


「俺には戦うつもりはない。ただ、あんたらが何者で何の目的があるのか聞きたい。」


そう言ってジャガイモは戦闘の意志がないことを示した。

校舎を半壊させたテロリストに変な刺激を与えるのは良くないと判断してのことだろう。

そしてそんな様子を陰で隠れているサツマイモとサトイモは不安げに聞いている。

ジャガイモの投げかけに真ん中の奴が反応した。


「へぇ、素直に出てくるんだな。俺としてはここで、よくも学校を壊してくれたな!!って感じで熱いバトルとか期待してたんだが。」


と残念そうに言うと左の奴が


「フン、どうせ結果は見えている。やるだけ無駄だ。」


と呆れた様子で答えていた。

随分と好き勝手言ってくれる。

しかし、現状ジャガイモ一人で校舎を半壊させた奴ら三人を相手するのは無謀というものでジャガイモ自身もそれは理解しているため大人しく様子を伺っている。

呆れた返答に真ん中の奴は


「だよねぇ。」


と気怠そうに応答した。

どうやらその言葉に嘘はなく本当のようだった。

学校に乗り込み破壊活動に至ったのは相当の実力があってのことだろう。

しかしジャガイモからしたら、いくら頭でわかっていてもなめられていることに対し気に食わないものは気に食わないので心の内で

(随分好き勝手言ってくれるじゃねぇか。

だが、ここで争いがおきればサツマとサトに被害が出るかもしれねぇ。

ここは穏便に済ませてやるが覚えていやがれ!)

と思ったがそれは抑え込み


「お前たちは一体何者で何が目的なんだ!?」


と先程より大きく詰問した。

そんなジャガイモに対し、再び真ん中の奴が不敵な笑みを浮かべこう言い放った。


「俺達は時代の変革をもたらしに来た。」


そう言うと、奴らの周囲に怪しい風が吹いた。

まるでこれから起こる何かの前兆かの様に。


次回に続く。

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