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5話 力試しは予想外にも

どうも皆さんこんにちは。もっちもちです。前回【初期羽】の最新話を【夢想ない】にとうこうしてしまい、申し訳ございませんでした。

宣伝ツイートをつぶやいたのち、訂正を示すツイートもしたのですが、やはり宣伝の方が拡散が早く......もしかしたら、混乱された方もいたかもしれません。

今回のことは本当に申し訳ございませんでしたm(_ _)m






「はっはっは。やってまいりました開拓地!ここはただの土山だから、どんなに吹き飛ばしても大丈夫だ!」

「ジゼル、本気出すの?」

「当たり前だ!お金が無いからね!」

「私も影としての務めを果たす。......ので、本気モード」

「二人とも。でも、私もケーキ食べたい!テリーフちゃんもそう言ってるから遠慮しない!」

「ふ。この中で私が一番レベルが高いって事、忘れてないかしら。」

「は。お前こそ忘れていないか?俺たちがどんな二つ名を持っているのかを。」


魔王、その側近三人。......で?魔王は解るが、そのほかの三人の二つ名なんて知らないし、聞いたことない。今まで戦闘の様子を見ていた感じだと、三人ともポンコツ。そう言い表せてしまうほどだった。


「俺たちのこと、ポンコツだと思ってるだろ?だけどな、今まで相手してたのは雑魚魔物。これから相手しようとしているのはただの土塊。遠慮がいらないって事なんだぜ?」

「そうです。私も、本気の本気でぶちかませばそれなりに戦えるのですよ。」

「私も、いざという時に本気を出せるため、力を温存している影として、目立たないようにしてるから。」

「俺もね。スーが来るまではこの三人を纏めてたリーダー的な立場だったんだ。だから、有事の際に全力を出せるだけは普段から溜めてる」

「じゃ、じゃあ、今回私ってやっぱりすっごいフリなんじゃ......」


「第一回力試し選手権!ルールは簡単。自分の出来る一番威力の高い攻撃を土塊にブチかます!!!土山の損傷が一番大きくできたものが優勝とし、最下位は他参加者全員にリゼーラルの高級菓子店のケーキを奢る!質問はないな!?」

「問題ないです」

「任せてください。ジゼル様に一位を譲りつつ、二位になって見せます。」

「だめだ。今回は力を測るための奴だ。本気で行け。」

「了解。理解しました。遠慮なしにジゼル様を完膚なきにまで叩き潰します。」

「ねえ、冗談だよね?そんなひどいこと、マジで言ってるわけじゃないよね?」

「質問の意味が解りません。」

「あ、本気で言ったのね......。ま、いいや。じゃ、どうぞ、始めてください。」





「では、行きます。【爆裂槍エクスプロージョン・ランス】」


ブンッ_____!手が見えないほどの速度で打ち出された光る槍は、山の中腹へと飛来し――――――――――――――――すさまじい音を立てながら爆発した。


もちろんその爆発によってできたクレーターはバカでかく、直径三十メートルほどの穴を中腹に開けて見せた。


「ぐ。圧倒的な魔力不足。このままでは六分で死に......至り。」


シュッ。仰向けにぶっ倒れたクロアの口に、栓の開けられたポーションが咥えられる。......これか。テリーフの便利機能その一、テレポート。って言うか大丈夫なの?すっごいがぼがぼいってジタバタしてるんだけど。ワンちゃん溺死......。


「さ、次はマリラだ。」

「解った。行くよ、テリーフちゃん。」


スッ。手に持った杖を前の土山に向けて前方に振りかざす。数秒の後、小さな唇をほんの少しだけ開き、魔法発動の呪文を唱える。


「【四代元素の災害ディザスターオブエレメンツ】」


ゴゴゴ......と地響きに続き、周りが夕焼け色に染まる。山上空の雲が変動し......。その魔法は発動された。その魔法は地を裂き、森を焼き、重量と性質により生物を窒息させ、全ての物を引き裂き上空へといざなった。


「お前......本気(マジ)本気(マジ)じゃん。あーあ。なんだこれ。地滑りって言うの?」


その圧倒的な魔法の標的になった山は、半分ほどがずり落ち、周囲の森に圧倒的な被害をもたらしていた。と、言うのも、発動されたのは地震だけではない。圧倒的な炎、圧倒的な水。そして、竜巻。周りの地形はは原形をとどめておらず、神の怒りによる一撃かと疑るほどの損傷になっていた。


「......え。」


一陣のクロアの威力から驚いて声も出せなかったスーが、初めて声を出す。


「あの、これは?」

「あー、これは、マリラが覚えている中でも地形に作用する系ではトップクラスの魔法だ。これも消費魔力が馬鹿高いんだが、マリラは常日頃から魔力を圧縮してるからな。クロアみたいにはならなかったっぽい」

「でも、さすがに頭クラクラする。ポーション飲む。」

「よし、次、リアな。お前、ちょっとは手加減しろよ?俺らまで死んだら恨むぞ?」

「しっ、失礼ね!それくらいの力の制御、楽勝よ!楽勝!」

「リアもなの?」


スーの認識が正しければ、ジゼルの忠告はリアに言っているはずだ。あの、ゴブリンから必死に逃げ回ってたリアに。それに対して思う事。リアもなの?と。


「じゃ、行くわよ。......【無限斬撃インフィニティスラッシュ】」


ブ_____と。一瞬リアの姿が真っ黒の姿にブレ(・・)た気がした。


シュッ......と素早く居合斬りのように剣を引き抜く。......何も起こらない。当然。ただ剣を引き抜いただけなのだから。


ザ__________と。ひときわ強い風が吹く。はて。景色が......いや、山が揺れている?


「や、山が......」

「あーあ。お前、やったな。」

「完全敗北。影失格......。」

「やっぱり、リアはやればできる子。」


否。揺れているのではない。漂っているのだ。微細な粉になるまで粉々に切り裂かれ、風に吹かれて宙を漂っているのだ。


「ひっ、久々の本()っ、みたでしょっ......ぜはっ!」

「あーあー。酷いね、これは。こんなスタミナないんじゃ、この大技も意味ないし。発動してからすぐ動けなかったら後ろからトスっとやられちまうかもよ?」

「そ、そういうジゼルはどうなのよ?」

「俺?......う~ん。じゃあ、ちょぴっとだけスキル使うか。」


開拓範囲内に指定されているもう一つの山。それにむかい、右手を突き出す。


【衝波(ショック・ウェーブ)】」


リィィィィィィィィィィィィィィィィィ_______________ズッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!


衝撃の波が周囲の空気を震わせ、木を震わせ、地面を揺らす。ゆっくりではあるけど確実に少しずつ波は威力と範囲を広げていき__________一時間と十二分。ようやく山に到達した【波】は十分足らずで山二つを崩壊せしめた後、自然と消えていった。


「お前ら、暇すぎて魔法で遊んでんじゃねーよ。言っておくが、今回は俺が優勝だからな!時間が決まってるなんて言われてないし。決めてないし。」

「おっそい!――――――――でも、ジゼルが魔王と呼ばれる所以、少しだけ理解できた。【衝波】は本来ならば相手に衝撃を与え、バランスを崩させたり脳を揺らして混乱させる技。それを、こんな破壊力にまでさせるなんて。」

「魔法の威力は高いんだ。だけど、見ての通り周りへの被害がデカすぎる。それに、到達までにこんなに時間が懸かったら意味ないしな。ぶっちゃけ、俺がその気になれば世界を滅亡させるのも出来るんだわ。魔法が効果を発する前に自然と絶滅してるかもしれないけど。」


俺の魔法は威力が高ければ高いほど速度が遅くなる。つまり、弱い魔法ならとんでもない速さで放つことが可能だ。制御出来たらの話だが。


「おごりはスー決定な。」

「い、いいわ。私はアサシンだし、威力じゃなくて隠密と暗殺が専門だし。」


別に悔しくなんてないし!と、強がったような態度を取るスー。いや、そのセリフ、悔しい風にしか聞こえないぞ?ま、これにて一件落着!ここら辺の山は地面が隆起してできたものらしい。中に資源と言えるものは存在しないから、好き勝手に破壊しても大丈夫だ。と、言うよりもおそらく今回の働きに応じて多額の報酬が振り込まれるはずだ。一般人何百人が何十年かけてやる仕事を四人が一時間三十分くらいで終わらしたわけだからね。


報酬は......殆どを銀行に預けて......のこりのお金は五人で山分けだ。でも、これって実力を披露したことにならないんじゃ?マリラとリアはともかく、俺とクロアは実戦で使えないからなぁ。だからこそ剣を使ってるって言うのもあるし。ま、これから魔法の制御と剣の扱いを習うさ。





今回のコンセプトは【強すぎて弱い】です。


今思いつきました。

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