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4話 力試しと有名菓子店のケーキ

先日、ある書き込みを見ていた所、なろう作品は説明が足りないという発言を目にしました。

どうやら、ユニークスキルという意味があまり理解できなかったようです。

なので、なるべくアイテムなどの解説を後書きに書いていくことにしました!






「レベル上げをするにあたって、俺たちは何をすればいいんだ?」

「そうね......先ずは、使ってる武器と、使える魔法、あとはスキル......あと魔導具※1とか全部教えて。」

「何言ってんの!?それって、ようは今持ってる戦力とか奥の手とか全部教えろって事じゃない!そんな自分の力を丸裸にするなんて危ないこと、できるワケ......!」

「ちょっと......リアはまず黙っててくれない?今こっちで話してるの。」

「なんで新入りの人間にまでこんな扱いされなきゃならないのよぅ......ぐすっ......」

「......はぁ。あんまりリアをイジメるなよ?魔導具はこれとこれとこれ......あと、こんだけ。スキルと魔法は見せた方が早いだろ。」


懐や小さいショルダーバッグに入れていた魔導具を出し、さらに魔導具のカバン......マジックバッグ※2の中身も逆さにしてドバーっとばら撒く。本当はもっと丁寧に扱わなきゃダメな魔導具が入ってるんだけど......一つ一つ出してたら面倒くさい。これでいいでしょ。


「ま、そうね。次、マリラ」

「うん。これと、これ。」

「え?その二つだけ?」


マリラが地面に置いたのは、マジックバッグだけだった。あれ?俺が見た時は、もっと大量にものを準備してたはずなんだけど。


「おい、嘘ついても仕方ないぞ、マリラ」

「う、嘘じゃない......もん」

「え?嘘なの?」

「......物は全部【知恵ある杖インテリジェンス・スタッフ】が呑み込んじゃうから。私が本当に必要って思ったときにしか出してくれないの。」

「そう。なら仕方ないわね」


仕方ないんかい。......でもまぁ、その杖が本物なのは事実。この杖......マリラが言ういたずら好きな杖は、最上の魔国一の魔導具職人が作った、魔導具なのだ。どうやら、この杖を使った職人は相当なもの好きだったらしく、他にも知恵ある剣とか、知恵ある盾とか、知恵ある斧とか槍とか......。


マリラの一族に伝わっているこの杖なのだが、ちょっとバラバ......この生意気な杖を解......おほん。性格をどうにかできないかと職人を探してみたところ、とっくの昔に逝去していることが判明したのだ。よく考えれば、代々伝わってる杖なら遥か昔に逝去しているに決まってたのだが。


「でも、確かに便利かもな。戦闘中にポーション※3が必要になったら、出してくれんだろ?」

「うん。私の、友達なの。」

「とっ、友達と来ましたか。そうですか。ともだちっすか。」

「うん。この世で一番の友達。」


あ......(察し)そうっすか。ぐすん。......マリラも、辛い人生送ってんだなぁ。ごめんよ、張り倒すなんて言って。ロリ体型なんて言って。事実だけど、そんなこと言ってごめんな。


「うん。じゃ、次はクロア。」

「......わかった。」


がちゃっ。


「これだけ。」

「ええ......?クロアは一つ......継ぎはぎだらけのぬいぐるみだけ?」

「そう。魔導ゴーレム。魔力を注ぐと戦ってくれる。あと、武器にもなる。」

「へ、へぇ。そう言えば、さっきは素手で戦ってたけど......」

「武器モードにするとまた使えるまで一日置かなきゃならない。もしもの時使えないでジゼル様を護れなかったら影失格。......ので、素手。ステゴロ。」


......うーん。なんでステゴロって言いなおしたのかな?っていうか、その言葉、どこで覚えてきたのかな?怒らないから、ジゼルお兄さんに言ってみなさい。


「ほかの小物は?」

「......テリーフにのまれた」

「テリーフ?」

「マリラの、ともだち。」


......ああ、知恵ある杖インテリジェンス・スタッフね。インテリのテリ。スタッフのフ。それでテリーフか。結構それっぽくなってていいじゃん。見た感じ、杖も喜んでるみたいだし。......前俺が蛇って名前つけた時は俺まで飲まれそうになったからな。何でも飲み込むんだもん。蛇じゃん。


「って、お前の持ち物も飲まれてたのか。」

「......はい。意識すると手の中にテレポートしてくれます。」


うわっ、何その便利機能。ちょっと馬鹿にしてたわ。こないだボイラー室のボイラーに入れてごめん。おふろ冷たかったんだもの。良い薪かと思って。


「ふーん。俺の持ち物は飲まないで吐き出すくせに。」 

「恐らく、ジゼル様の所有物を飲み込むなんて、畏れ多いという意味だと思います。」

「私の持ち物も頼もうかな......」

「あ、スーさんのなら良いそうですよ!」

「あ、本当?じゃあ、後で頼もうかな。」


おい。おいおいおい!なんで俺の持ち物はダメで今日入ったばかりの新入りのスーは良いんだよ!?っていうか、マリラテメーそのクソ杖と話せたのかよ!?あ、だからお前俺がその杖に言い聞かせるようにいったら適当に話そらされてたのか!こっ、このロリ!前言撤回だ!ロリ体型が!後で訓練と称して高いところに宙ぶらりんにしてやる!この世界の中心にあるギルド集合塔......あれのてっぺんに磔にしてやる!もちろん、針が貫通するのは服だけどね!


「じゃあ、場所を移動して技の披露会だな。」

「そうですね。」

「......了解、しました」

「......そ」

「「「リアは黙ってて」」」


「言われると思ってたけど!良いじゃない!どうせ、技の披露は私が一位なんだから!」


「へー。」

「ほほう。このジゼル様を抜いて一位だと......?」

「......え?テリーフちゃん?......そんなこと言っちゃダメです!バカだなんて......」

「......誰が一番なんて気にしている時点で、そこどまりなんですよ、リア。」


「みんな好きかって言ってくれるじゃない!こうなったら、だれが一番かケーキをかけて勝負よ!ビリは全員にケーキをおごること!ギルドタワーのある街、【世界首都 リゼーラル】の有名菓子店のだからね!」

「私も参加ね」

「え?テリーフちゃん......。本気だなんて。」

「......全力で潰します」

「ゲ。それって、あのクソ高いケーキ店か!?あんなの払わされたらケーキ代バカにならないな。っしゃ!......やってやろうじゃん。」


有名菓子店のケーキが懸かってると分かった瞬間、気合を入れる面々。気合を入れる理由は様々だが、全員を本気にさせてしまったということは確かなようだ。ふっ。俺が本気になったら、この中の誰よりも強いぜ?......いや、それは力を封印される前までの話。今ではどうなのかわからない。悪いけど、こないだ買い物をしたから手持ちの金があまり残って無いんだ。絶対に払いたくない。......他人に無償の施しはしたくないんだ。←クズ。


「じゃあ早速、訓練場に移るぞ!地形を破壊しても大丈夫なように、土木ギルドで開拓クエストを受けてくる!」

「うえ、開拓クエストって......ジゼル、本気?そんなに力があるようには見えなかったんだけど......」

「あ?ああ。任せろ!俺らの中には弱い奴はいない!」

「ええ......」


それは力封印前の話なんじゃないのと言いかけたスーだったが、ケーキが懸かってることを思い出し、口をつぐむ。


......やった!これでケーキはいただきだ。ジゼルはさほど強くなかったし、マリラは......そういえば威力は知らない。リアも......戦ってなかったし......クロアは凡ミスしてた。あれ?私、この子たちの純粋な力知らなくない?普通の力比べになったら、スペード特化の私、もしかして不利?


周りの雰囲気に流されて、実力を知った気でいたが、ミスしか見ていないことに気付くスー。それに気が付いた時にはもう遅く、急いで後ろを振り向いた時に目に入ったのは遠くに走っていくジゼルの後ろ姿だった。






※1魔導具(魔導具職人が作る、物によって魔力を注ぐと色々な効果があらわれるアイテム。)

※2マジックバッグ(収納が通常のカバンよりも多いバッグ※1の一つ。)

※3ポーション(種類によって体力や魔力、身体の欠損、病気、毒など回復する物が変わる。薬師や錬金術師などが調合する。)



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