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赤ちゃん再び!オタク少女と初対面!

前々よりは、だいぶ短めですよー

さてさて、今日は起承転結の承、あまり展開は華やかでないですー。

細かい描写にキャラの性質が出てたらいいな!です!

「まったく、待ちくたびれたぞ。零はともかく、夢幻様はお忙しいのだ」

「悪かったよ。けど、これで平日の件、崖っぷち状態ではなくなった」

斗真とうまは、神多百都かんだおとと自分の部屋に戻り、これからについて話し合うことにした。

すると、部屋には、既に夢幻と零がお茶すすって待ち構えていた。

「あぁ、紹介するよ。この二人がさっき話した、夢幻と零。そして……」

「分かっておる。こっちが神多百都だろ」

「違うよ」

「んん?」

「あたしは百都ちゃんじゃなくて、クラリス。病魔撃退魔法少女☆対マイコプラズマ、クラリス」

当然のように自己紹介をする神多百都。

零は頭の上にハテナマークを浮かべ、パニックだ。斗真に耳打ちをする。

「ど、どういう事だ? こやつ、神多百都ではないのか?」

「あぁ……気にしないで続けてくれ。こいつは神多百都で間違いないから」

零の頭の上には、まだハテナマークが消えていないが無理もないだろう。

「とりあえず、今はクラリスと呼んでおいてあげてくれ」 

「わ、わかった」

戸惑いながらも、零は了承してくれた。

零はコホンッと、一つ咳払いし、

「では、くらりす、とやら、よろしく頼むぞ」

改めて挨拶をした。

「うん、よろしく」

神多百都は満足そうに挨拶を返す。

「で、では、まずは二人の行動習慣から、赤子の世話をどのようにするか決めるぞ。基本的に赤子の世話は、昼間くらりす。夜間は斗真となるが、お互いが助け合い、補うことが大事になってくる。それぞれの得意分野を任せたり、あるいは二人で一つのことに取り組まねばならない。そのためには、お互いがお互いの行動習慣を多少は把握しておいたほうがよかろう」

「そうだな。俺は基本的に平日は、八時から十七時まで学校で、そこから水曜日以外が二十時までバイト。休日は基本的にずっと家にいる」

「つまらぬ高校生活だな」

「うるさい」

幼子に高校生活について突っ込まれてしまった。

「では、くらりすはどうだ?」

「あたしは、基本的に待機は自宅で。でも、基地から呼び出しがあれば出動しなければならない」

「よ、呼び出し? 基地とはなんだ? 斗真よ、神多百都はいったい何者なのだ?」

神多百都のファンタジーに、真面目にも零は頭を抱える。

「全てこの姥桜荘の中で済む用事だ。だから問題ない。彼女はずっと自宅待機だ」

「な、ならよいのだが……」

神多百都のファンタジー脳に戸惑う零。ちょっとこれ、面白いな。

「おっほん。では、一ヶ月未満の赤子の生活習慣を教えておく。今は……二十時か。ならば、赤子は寝ている頃だな。この後だいたい二十二時ごろに、授乳とおしめ替え。二十三時ごろに、寝室へ。深夜一時ごろ、授乳とおしめ替え。深夜二時ごろ、また、寝付く。早朝四時ごろ、授乳とおしめ替え。五時ごろ、また寝付く。七時ごろ、着替えて寝室を出る。そして授乳が二回ほどとおしめ替え。八時ごろ、寝付く。まぁ、大体だが、斗真の担当時間はこのような感じだ」

「ちょっ、まてまて、それを毎日か!?」

一度に常法が雪崩れ込み、把握しきれなかったが、夜中に何度も起きなければいけないという事を察した。

「安心せい。授乳は粉みるくを用意する。だぁれも、お前に乳が出るとは思っとらんわ」

「そこじゃない!」

零は、ハキハキとしたもの言いで、幼子の割にすましているが、たまに天然が入ってくる。

「毎日その、ほぼ三時間おきに授乳とおしめ替えを夜通しやって、寝かし付けるのを毎日かって聞いているんだよ」

「何を言う。これは一ヶ月未満の赤子の理想的な生活習慣。毎日続けるに決まっておろう」

呆れ返る零に、斗真は愕然とした。

だけど仕方ない。もう後戻りはできないんだ。斗真は不安を覚えながらも腹をくくった。

「では、朝の八時は神多百都の部屋で寝かし付け。ここからは、くらりす達の番だな。十時ごろ、授乳とおしめ替え。十一時ごろ、遊びと短めの昼寝。十三時ごろ、授乳とおしめ替え。十四時ごろ、遊びと短めの昼寝。十五時ごろ、沐浴。十六時ごろ、授乳とおしめ替え。十七時ごろ、寝付く。十九時ごろ、授乳とおしめ替え。二十時ごろ、寝付く。ここで斗真と交代だな」

「わかった」

さらっと了解した神多……クラリス。本当に分かったのだろうか?

「よし。あとはその都度つどでよいな。それでは夢幻様、お願いいたします」

「うむ」

そして夢幻は、あの舞を舞った。

最後に、天に両腕を伸ばし、宙から何かを抱え上げるような振りをすると、その腕の中に、眠る赤ちゃんが収まっていた。

夢幻は、斗真に赤ちゃんをそっと渡した。

初めてこの子を抱いたときの感触。

白くて、サラサラしていて。

もっちりとした感触から温かさを感じた。

神多百都は?

斗真は横目で神多百都を、恐る恐る見てみた。

神多百都は、赤ちゃんを見ていなかった。よそ見をしていた。というより、故意に目を逸らしていた。

神多百都の表情は見えなかったが、なぜか、戸惑いや寂しさ、そういった感情を感じた。

「うむ。では、最後に我らを呼び出したいときの方法を決めておこう。我ら、お前たちの様子をたびたび見に来る予定だが、急を要するときや、我らが必要なとき、我らに知らせる方法だ」

それはぜひとも決めておきたい。

斗真と神多百都は、赤ちゃんについて、右も左も分からない、ズブの素人なのだ。

その上、この特殊な状況。夢幻と零だけが頼りなのだ。

「決めるって、どういうこと? スマホ、持ってないの?」

神多百都がもっともな質問をした。

「すまぁとふぉんとやらは、我らの意識と直接繋がってはおらぬであろう。お前たちの危機に気がつけぬとあっては、我らも困る。ゆえ、我らの意識に直接訴えかける方法で連絡を取ってもらう。そして、その方法とは、お前たちと我らの間で決めるフリと合言葉なのだ」

「どういう仕組みかはよく分からないけど、とりあえず、今はそのフリと合言葉を決めるということで納得しておくよ」

「懸命だな」

と、急にそんなことを言われても、何も思いつかない。

こういうものは、どのくらいのテンションのものを持ってこればいいんだ?

斗真は頭を悩ました。

すると、神多百都が立ち上がった。両手を天井へと伸ばし、

「来たれ子守神こもりがみ盟約めいやくに従いて我らに知恵の水を恵みたまえ……」

静かにそう呟いた。

「こういうのは、どうかしら」

両手を天井へ伸ばしたまま、神多百都が零を見る。

「なかなか良いと思うぞ。斗真はどうだ?」

神多百都の顔が、ぱっと輝いた。

これは普段、アニメを見まくってついた召喚の知識から編み出された、神多百都の成果だろう。

「ああ。大丈夫だ」

斗真には何も思いつかないし、特に恥ずかしい呪文でも無いので、了承した。

それに、神多百都が零に良いと言われた時の表情が、あまりにも嬉しそうだった。

即席で作ったにしては、よっぽど傑作だと思ったのか? けれど、それであんなに顔を輝かせるだろうか?

「では、我らはそろそろ戻らねばならない。明日からの生活は、これまでとは一変したものとなるだろう。だが、我らはお前たちを信じておるぞ。ですよねっ、夢幻様」

零が立ち上がり、夢幻の方へと振り返る。

夢幻は、きりっとした、畏敬いけいの念すら感じる雰囲気の人物だ。赤いアイラインの引かれたまぶたを持ち上げ、斗真と神多百都を見つめた。

「そなたらに覚悟があると言うのならその覚悟、証明してみよ」

そう言い残し、夢幻と、零はすっと消えた。

斗真の部屋には、神多百都と赤ちゃんを抱いた斗真が残された。

「……えっと、じゃあ今日はこんな感じで。明日から頼むよ」

シーンとした空気の中、斗真はやっとそう言った。

 


一方、夢幻と零は、施設の屋上へ来ていた。

ショボンとした夢幻を心配そうに零があとを追う。

「はゎゎゎゎゎ!」

やはり、夢幻は泣き崩れ、しゃがみ込む。

「やはり我は鬼か! あそこは感謝を述べるところであろう! 我は……我は……はぁぁぁぁ! なんとも大人気ない!」

「夢幻様! 夢幻様は大人気なくなどありませぬ! 夢幻様のお気持ち、斗真と神多百都に届いたに違いありませぬ!」

「そ、そうであろうか……」

「はい! もちろんでございます!」

「うっ……うっ……はわあぁぁぁ! やはり我は感謝を直接、伝えておきたかった。我のいくじなし! 腑抜け! びびり! ちきん! はわぁぁぁぁぁぁー!」

「夢幻様、お気を確かに!」

「はわゎゎゎゎゎ!」

「夢幻様ー!」

「はわゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎ!」

「夢幻様ぁぁぁ!」


なんだか、事務っぽくて面白くない回だったかもですー。

でもでも、読んでくれたら今後にも活かしますです!影響多いところと思うですので!

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