プロローグ
駄作品です。心の広い人はお読みください。また作者はとても不定期な人です。
お許しください。
この町は森もあり海もある。自然の多い和やかやところだ。人々の活気もあふれ、祭りのときには大盛り上がりする。少し歩けば駅もあるし都会にすぐ行ける。そんな町にも噂がある。それは『この町の森の少し奥に行ったところに大きなお屋敷がある。そこには狐の幽霊が出る』と言う。
そんな噂のある森を一人の女の子が走っている。夕方の日が沈み女の子を覆い隠すかの如く闇が広がる。そんなことも気にも留めずどんどんと森の奥へ奥へと行く…。女の子は噂なんて信じていなかった。そうして、女の子は泥だらけになりながらも噂の屋敷にたどり着く。噂の屋敷だと言うのに女の子は物怖じしない、それどころか女の子は屋敷のドア…じゃなく、インターホンを鳴らす。
「ねえ!いるんでしょ!!開けてよ!この糞狐!!!!」
なんとも、口の荒い女の子である。ドアはゆっくりと開か……ない。かわりに奥の方から声がする。
「おーい、こっちこっち!っつか僕狐でもクソでもないから!!!」
どうやらこの屋敷の主は庭の方にいるらしい。女の子は庭に向かって歩く、額の汗をぬぐいながら。女の子のいう糞狐が縁側に座ってお茶を啜っている。
その容姿はとても奇妙で、この平成の世であるのに着物を着て顔の目の部分は布のような和紙のようなもので隠されている。それにはまるで狐のお面の顔が描かれている。身長的には多分15、6歳ぐらいだろう、人間ならの話しだが…。
「なんでインターホンに出ないの!?意味ないじゃん!インターホン!!」
「ほれほれ、そんなにイラつくなー。カルシウム足りないんじゃないかい?あっ、煮干しあるけど食う?」
「いらない!ほんっと意味分からない!キツネ!お茶!お茶とお菓子!」
「えー、僕の食べかけ食べるつもりかい?もー発情期?彩葉??」
今更ながら、女の子の名前は彩葉。普通…じゃないちょっと反抗期な不安定な高校一年生である。それでもって彩葉は屋敷の主を「キツネ」と呼ぶ。
「はぁ!?んなのあるわけないでしょ!!んもう、自分で持ってくる!!」
「どうぞー。で、今度は何があった?先生がうざかったか??それとも両親か??」
キツネはこれでも何年も少なくとも彩葉よりは生きている。生きるというよりいるといった方が正しいが…。彩葉にとってこの噂の屋敷はとても居心地のいい場所であった。何かあったとき必ず彼女はここに来る。悲しいことも苦しいことも嬉しいことも全部全部キツネに伝える。キツネはその話しを聞きながら一言二言言って、アドバイスを言ったり褒めたりする。二人はそんな関係なのだ。
「理科の先生!!ったく、滑舌悪いから何言ってるかわからないし、キモいのに!!あたしの腕握ってきたんだよ!!ほんっとキモい!!!マジありえない!あのハゲ!!!」
「それはなー、うん、まぁ思春期の女の子にすることじゃあないな。僕でも嫌だよ。よく我慢した偉いぞー!」
キツネは彩葉の頭をガシガシと撫でる。彩葉は文句をいいながらも何処と無く喜んでいるような表情をしている。
「ほれ、そろそろ帰れ。彩葉。もう外が暗い、森の入り口まで送っててやる。」
彩葉がお茶とお菓子を食べ終わったと同時にキツネが帰宅を促す。その言葉に彩葉は少しの不満が漏れる。
「ねえ!もうちょっといいじゃん!キツネ、暇なんでしょ?!」
「それでもだめなのー。彩葉の両親が心配するから。さっ、帰るぞ、準備できたかい??」
準備をしながらも未だに不満そうな顔を全開にしている。それにキツネは溜息を吐きながら「明日はかき氷でも作ろうかねぇ。」
と横目でチラッと彩葉を見ながらいう。
「明日、また来る。かき氷のシロップはイチゴ味ね!」
「りょーかい、んじゃ行きますか。彩葉、また明日おいで、ちゃーんとイチゴ味用意しとく。」
それは夏の暑い日の会話だった。
この奇妙な二人の関係はまだまだ続く。
ここまでお読みいただきありがとうございます。こんな駄作品で良ければまたお読みください。本当にありがとうございました。