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旅の始まり

初めまして。パリポと申します。

小説は初心者ですので自信は全くないです。

アドバイスとかくれるとうれしいです。

「はぁ・・・」


街の片隅でため息をつく黒髪の少年がいた。

だいたいの時間はまるでヤル気の無い目をしている。

名前は「カズミ」


「知ってるか?ため息つくと幸せが逃げるんだぜ?」


ニコニコしながら自慢気に聞いてくるのはシンだ。


「知らないね。今まで何度もため息ついてきたけど幸せが逃げたなんて思ったことないし」


「お前ww ため息ばっかだから今こうなんじゃねーの?ww」


「うるさい。」


二人は一緒に旅をしていた。親はいない。家も無い。旅にそんな深い意味は無かった。

この世界はモンスターを狩ってお金を稼ぐというのが普通だ。

しかし最近はモンスターに全く遭遇しない・・・。

そのおかげで食料にそろそろ限界が来ている。

それを考えると「確かにそうかもしれないな」カズミは心の中で思っていた。


「誰か!!助けて!!」


パッと見は10歳くらいの少女が走ってくる。


「何かあったみたいだな。」


「モンスターか?」


よく目をこらしてみると・・・いる。かなりデカイやつだ。


「いるぜ!それもかなりデカイ!」


「なんだ・・・アレ・・・!?あんなの見たことないぞ!」


久しぶりのモンスター!しかも大物!=金!!

カズミの頭の中はそれしかなかった。

シンは相変わらずヘラヘラしている。緊張感が全くない。


「じゃぁ~、行きますか!」


コートを着直して立ち上がる。


「よし!メッタメタにしてやるぜ!」


二人はモンスターに向かって走る。モンスターは辺り構わず破壊している。

モンスターの腕が住民に向かって飛んでいく。


「キャァァァァァ!!!」


バキィ!!!


かなり鈍い音。住民が目を開けると目の前には大剣で大きな拳を防いでいる少年がいた。


「早くそこを離れろ!」


腰を抜かしているのか、どうも立てないらしい。


「クソっ!おいシン!何やってんだ!?」


「は~いはい。今行きますよっ」


一瞬の出来事だ。普通の人間なら切ったところなんて見えないだろう。刀はしまっている。

モンスターの腕が切り落とされた。ウグオァァァァァ!!


「ったく、うるせぇーなぁ」


少年が大剣を地面に叩きつける。そのままモンスターに向かって猛ダッシュ。

すると地面との摩擦で炎が上がった。


「ウオォォォ!!」


モンスターが燃え上がった。この二人にはものたらない相手だっただろう。


「いやぁ~ありがとうございました。これはお礼の品です。」


「え!?マジ!?こんなにくれんの!?ハッハーー!サンキュー」


「カズミ・・・ふつー貰ったすぐに見ねぇーだろ?そういうもんはさ」


「いーじゃんいーじゃん!そんなことより飯食いに行かね?」


カズミは超御機嫌だ止まりそうにない。そりゃそうだろう、久しぶりのモンスター。

久しぶりの報酬。久しぶりの豪華な食事。

カズミにとってこの3つは唯一の楽しみであるのだ。舞い上がるのも無理はない。


「じゃあ~久しぶりに行きますか~!」


二人は食堂に向かう。町を歩いていると誰かに尾行されている。カズミにとってはここは

なにがなんでもスルーしたい。一刻も早く食料にありつきたいのだ。

すると、


「君たち!いつまで無視するのっ!?」


「なんだよ、出てくんなら最初からそうしろよ」

かーなーりめんどくさそうにカズミは言う。


「用がないならもういくぜー?じゃぁな。」


「ちょちょちょちょ!まだ何も!」


「あー?聞こえねーよ。もっとハッキリ言えよ。」


「だからまだ何も・・・・(涙)」


「なんだよ、じゃあさっさとしろよ前置きがなげぇーんだよ。」


酷い言い分だ。ことごとくスルーしようとしたあげく文句まで言った。


「なんだよ・・・、君たちお金に困ってるんだろ?いい話があるんだけど。


カズミが反応した。


「いい話?」


「あぁ。クリスタルアースって知ってるか?」


クリスタルアース聞いたことはあるがどんなものなのかは全く知らない。

噂か都市伝説だと思っていたのでカズミは特に興味も無かった。


「それがどうしたんだ?」


「それを手に入れると、何でも叶えてくれるらしいよ。」


「だから?」


「えっ?それでお金がほしいっていえばいいんじゃない?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


カズミは馬鹿だ。ひとつのことにまっしぐらになると他のことに気がいかない。

この人に言われなければ全く気がつかなかっただろう。


「君・・・・本当に気付かなかったの?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


何も言い返せない。確かにそうだ、気がつかなかった。でもアレだクリスタルアースなんて

本当に実在するかも分からない物をそもそもは信じていないし・・・・

カズミは心の中で一生懸命言い訳を考えていた。


「えぇ~wwwお前そんなのも気がつかなかったのかぁ~?ww」


シンが煽ってくる。震えながら歯を食いしばって耐えている。


「いや・・・そんなもん・・・ほ・・・本当にあるのかよ・・・?」


かなり恥ずかしい。幼稚園児じゃあるまいし、こんな単純な事になぜ気がつかなかった?

ため息をつき続けたからか!?いや!そんなの関係ないはずだ!

考えがおおげさ過ぎる。落ち着け・・・落ち着け・・・カズミはなんどもなんども

心の中で唱えた。


「あるよ。ここからずーーーっと南の方に」


「しゃあ!!じゃあ飯食ったら行こう!!」


ごまかしているだけだ。内心はヒヤヒヤ。


「相変わらずだね、お前。」


「じゃあ、行く前にココに行って。」


住所が書いてある紙を手渡された。

書いてあったのはこの街の西側の方の家の住所だった。


「ココに行けばいいんだな?」


「そこで色々教わって。」


そう言い残してそいつは消えた。


「クリスタルアースか・・・」


新しい旅の目的が出来たような気がした。それと同時に懐かしいという感じもした。

理由は分からない。


「じゃあ、食いに行くか!」


この時は、この先がどれほど大変な旅になるかなんて分かるはずも無かった。

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