第三話 You too?
7/29 更新。
「うん? 違うよ、嫌がらせの電話。しつこいからうざったいんだけど、切るに切れない相手なんだよね。あーもー、ホント――」
死ねばいいのに、と項垂れながら浅倉さんは携帯をポケットにしまった。
スラリとした体つきでショート髪の彼女には、今着ているキャミソールとジーパンの組み合わせがよく似合う。見た目の印象を言うなら活発な女子というのだろうか。バスケットボールを持たせたら男子諸君は写真を迷わず撮るだろうし、買うだろう。
「ふうん。タイヘンなんだね、浅倉さん」
「棒読みでそんなことを言われてもしっくりこないよ、望月君。あーそんなことよりお昼、一緒に食べにいかない? あたし朝ごはん食べてないからお腹ぺこぺこなんだよね。」
「それは別にいいけど……女子の友達とじゃなくて良いの?」
「うーん、それはなんていうか……あたし、あんまり友達いなくてさ」
浅倉さんは少々照れながら言った。これは意外だ。
「そう? それはちょっと驚きだな。浅倉さんっていつも囲まれてるからそうは見えないんだけど」
「逆逆。囲まれてるからそれ以上友達は出来ないし、親しくなることも希薄なんだよね。
なんて言うんだろ……うーん、表面上の付き合いってやつ?
そう、友達ってか、知人っていうのが正しいかもしれないんだよね。みんな珍しいものみたさであたしに近づいてくるから。当然あたしからのアプローチはないよね。まぁ、あたしもたまには利用したりするんだけどさ」
浅倉さんは額に右人差し指を置いてうんうん頷きながら言った。
成程。確かにこんな美人で秀才がいたら友達になりたいと近づく輩は多いのかもしれない。もし浅倉さんが有名人になったら、自分を贔屓にしてもらおうとでも考えているのだろうか。やれやれ。人間は業が深い。だからこそ人間は騙しがいがあるのかもしれないな。人間というものは誘惑に弱い。
「それで昼飯だっけ? 一緒に食べるのはいいけど――どこで?」
現在時間十時半。この時間帯は学食が混む。
すごく混む。
とても混む。
邪魔くさいくらい混む。
「うん。行きつけの美味しい洋食店があるんだけど。一緒に、どうかな? 望月鷲君」
洋食か。
「いいんじゃない」
最近は洋食食べてなかったし。というか、人間の食事をするのは五日ぶり……だったかな?昨日は昨日で人間の魂食べてたしね。
「よし、決定! それじゃ早速一緒に」
浅倉さんは妙に嬉しそうにカバンを持って歩きだした。そんなに腹が減っているなら朝から食べてくればいいのに。浅倉さんは頭が良いようでどこかズレているんだなぁ。
「「ん? なんか妙な気配がする」」
You too?
パソコン音痴は辛いっす。




