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第5章-第2の生-

大切な人たちから離れて、久しぶりに静かな時を過ごした。

時計の針の音はこんなにも大きかったのかと驚いたものだ。


今までの私は流されるがままに生きていた。一度だけ、自分で選択したものはあったがそれも"生きるために本能が叫んだ"からだった。

これからは"本能"ではなく"意志"で生きていこうと思った。


だが現実はそんなに甘くはなかった。


体調は良くなく、新しく始めた仕事も休んでばかりで続けられなくなった。

お金がないと生きていけない、でも体や心が悲鳴をあげて言うことをきかない。

私はやはり、一人ではどうすることも出来ないのかと、再び絶望した。


そんな中で私を支えてくれたのはネットで出会った人たちだった。

彼らは私を否定することなく、私の感情や生き方を受け止めてくれたし、時にはそっと背中を押してくれた。私はそうして少しずつ這い上がることができた。


私は"褒められること"にも"人を頼ること"にも慣れていなかったが、彼らがそれを練習させてくれた。

最初は「そんなお世辞は要らない」と拒絶していたのに、今では照れながらも「ありがとう」と素直に受け取れるようになった。


そして、泣くと母親にバカにされていたことから人前で泣くことをやめていた私が、心許せる人の前でなら涙を流せるようになった。

感情を少しずつ表に出せるように成長しているのだ。これが私にとって"人生の生き直し"を始められたキッカケだ。


そして私はTHE ORAL CIGARETTESというバンドと出会った。

彼らの音楽は、私の"澱み"に風穴を開けてくれた。

"ONE`S AGAIN"は『他人に期待をするな。それでも信じたいなら俺が君の居場所になる』と背中を押してくれる。

"接触"は『他人に裏切られて、心を閉ざして信じられなくなって――でもそのままでいいの?その選択は本当に正しいの?』と、心をえぐり取ってくるような問いかけをしてくる。

この二曲が私の中で特に大きく響き"誰かに救われたい"と願っていた私を、"自分で自分を救ってみよう"という考えに変えさせたのだ。


この時点で、幼少期から無数に刺していた心のナイフは半分ほどは取れていたと思う。

まだこの傷の痛みは残っているが、その痛みこそ"生きている証"であり"私にしかない強み"だと、今は思っている。

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