展開
魔法学院を卒業したサラが、王宮に召され、エリザベートは騎士団に入団。
だけど幼馴染のシャルルは冒険者になるという。
サラの兄は結婚し、リッチフィールド家を継ぐことになり、フィアンセとも結婚し。
18歳になったサラ・リッチフィールドが
王立魔法学院を首席卒業し屋敷に戻ってきた。
「サラ!首席卒業とはさすが私たちリッチフィールド家の誇りだ!
きょうはお祝いのパーティだ!!」
「キミもよく頑張ったな。エリザベート!二人ともよくやった!!」
「そうよ、二人とも我が家の誇りですよ。今夜はお祝いよ!いっぱい食べてね」
リッチフィールド伯爵家をあげてのパーティが始まった。
そこへやって来た。一人の男性。
彼こそリッチフィールド伯爵家の跡継ぎであるフィリップ・リッチフィールド。
サラよりも2歳年上の彼は、王国騎兵隊に所属する騎士でもあった。
「父上、母上、急な帰宅で申し訳ありません。
たまたま近くで演習がありまして急ではありますが、お寄りしました」
フィリップはサラにも、メイドのエリザベートにも優しく、
お屋敷中の使用人たちすべてに慕われる存在なのだ。
「サラ、エリザベート。卒業おめでとう!二人とも首席卒業だそうだな」
「はい!お兄さま!」
「よくやったぞ!我がリッチフィールド家の誇りだ、お前たちは!
そうだ、俺からも何かプレゼントをしよう。なにがいい?遠慮するなよ」
「お兄さまはいつまで、お屋敷に?」
「明日の昼には出発する予定だ。それまでに考えておきなさい」
「はい!わかりました」
パーティも終わり
「パパ、ママ、お兄さま。おやすみなさい」
「ああ、お休み」
「おやすみなさいね」
エリザベートとサラは、その夜も二人っきりで、ずっと話続けていた。
翌日
屋敷の玄関で
リッチフィールド伯爵、伯爵夫人、サラ、そして使用人たち全員が見送る中
「では、行って参ります」
フィリップ・リッチフィールドは隊に合流すべく騎乗で出発していった。
サラもエリザベートも、リッチフィールド家で無事平穏な日々を過ごしていた。
ある日
リッチフィールド家に一通の手紙が舞い込んだ。
それはフィリップ・リッチフィールドからのもので、
来週フィアンセを連れて屋敷に来るという内容だった。
「フィリップお兄さまにフィアンセ?」
「そうなのだ。いよいよフィリップにこの家を継がせることになるな」
「ええ、ちょうどいい時期かもしれませんね、私も貴方もそういう年齢ですし」
「どんな人だろうね」
「そうですね、きっと素敵な方だと思いますよ」
「そうね、お兄さまが選んだ方ですもの」
その次の日から執事やメイド、料理人、庭師などなど屋敷の使用人たちが
今までよりも忙しく働くようになった。すべてはフィアンセの来訪のためだ。
そして、その日がやって来た。
屋敷の玄関にリッチフィールド家全員勢ぞろいし、到着を待つ。
2頭立ての豪華な馬車がやって来た
「来た!あれがそうかな」
「そのようですね、お嬢さま」
フィリップが馬車から降りて来た。
そしてフィアンセが続いて降りてくる。
「うわぁぁぁぁぁぁ・・・キレイ・・・」思わず声が出たサラに
「あなたがサラさんね?よろしく。ジュリエット・デ・マルシャンよ」
「よ、よろしくお願いします」
美しいフィアンセはフィリップと共にお屋敷に入っていった。
「きれいな人ね。あんなキレイな人は見たことないわね」
「そうですね、なかなかあのレベルは」
やがてフィリップはジュリエットと結婚し、屋敷に住むことになった。
「フィリップ、お前にはリッチフィールド家を継いでもらうが良いか?」
「はい、問題ありません。そのために今までやってきたのですから」
「では国王陛下にも挨拶してから、正式にリッチフィールド家の当主はお前だ
よく肝に銘じておいてくれ」
「承知しました父上」
そしてリッチフィールド家の当主となったフィリップは伯爵となり、
屋敷と領地を引き継ぐことになったのだ。
サラは聖女として王宮に召されることになり、
エリザベートは王国騎士団に入団、
幼馴染のシャルルは・・・
「おれさぁ冒険者になろうと思うんだよ」
「冒険者に?」
「そう、戦士としてさ。
ホントはサラやエリザベートといっしょにやりたいと思ったけど二人は優秀だし
王宮や騎士団に行くだろうけど、俺はそれほど優秀じゃないしさ」
「そうかなぁ、シャルルも騎士団か騎兵隊から声がかかると思うけど」
「うーんでも、組織に入るよりも、一人でやりたいと思うようになったのさ」
「そうかぁ・・・まぁシャルルはその方がいいかもね」
そしてサラは王宮に行くことになった。
プードルニア王国の王都であるカナーレは、
人も多く店も市場もそこかしこにあり、常に活気がある。
その中心にある王宮は豪華壮麗、広大でサラにとってはまるで異世界のように感じた。
「あなたがサラ・リッチフィールドね。
私がこの王宮の一切を取り仕切るエヴァ・ガルシアよ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「あなたは聖女として、これからこの王宮に居てもらいます。
その間、あなたは今まで以上に聖女として国王と国民の為に尽くしてもらいます
常に精進を怠らないようにして下さい。いいですね」
「解りました」
「あす国王陛下に面会してもらいます」
いよいよサラ・リッチフィールドはプードルニア王国国王に面会するのだが・・・