伝説
伝説である。
アースから生まれた小さたアースは、動植物が棲む豊かなガイウィウス中央部をエルディウムとよび、そこで争うこともなく静かに暮らしていたが、バルバロスの一部から生まれたバルバロイドと、天界で叛乱を起こした神々から生じた呪いにより住む場所を追われる。
西と東の海に出る者と北方の大地を目指す者を、青、赤、白、石の色によって決め、アースノイドの各部族の長老は袋に入った石を引いた。
引いた石の色に因み、西の海は青海、東の海は赤海と呼ぶことになった。
北の大地に向かった者達が雪の降り積もる領域に達すると呪いに侵される者はいなくなり、その領域はアースエイドと名付けられ彼らはその地に根を下ろすこととした。
海に出た者は、新天地を見つけられずさ迷い多くの者が死に絶え、引き返した船団はアースエイドの北部に上陸した。
安息の地を得たかと思われたアースノイドだが、バルバロイドがアースエイドに侵攻を試みたために、再び両種族の戦いが始まった。
アースノイドの置かれた状況を不憫に思った女神アルペティナは戦士達に神聖を付与し、襲ってくるバルバロイドを追い払った。
そして、バルバロイドによる再侵攻を防ぐために、女神はエルディウムとアースエイドの間に東西に連なる山脈を創った。
アルペティナに感謝したアースノイドは、山脈の山頂に大神殿を創る。
山脈の名をアルペニンと名づけ、山脈と北に在るニースト山脈の間にある一帯はアルペニアと呼ばれるようになる。
その後、アースノイドはニースト山脈とその雪解け水が流れるアムル川、それより先の一帯をミリディウム地方、それよりさらに奥地は農耕が不可能なほどに大地が凍るため凍土地方と呼ばれるようになる。
こうしてガイウィウスは、通行不能な三つの領域に分けられた。
一つはバルトが治めるオルケウス、一つはバルバロイドの生息するエルディウム、一つはアースノイドの住むアースエイドである。