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不死王国史  作者: 近衛キイチ
アエミリウス伝
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アース神話

 神話である。


 気が遠くなるほどの時の中、互いを高めるために争いを続けていた天界の神々、やがてその理由を忘れ憎悪と快楽のために殺し合いを行うようになった。

 飛び散る血しぶきと肉片、滅びゆく神々は何も存在せず闇に包まれていた世界の中心に落ちてゆく、その血液は海となり、その肉片は魚や海藻へと転じた。


 戦い疲れた神々の中で、巨神族の長ガイウィスとその息子バルバロスだけが戦いを続けていた。

 バルバロスは右眼を失い、ガイウィスは心臓をえぐり取られて絶命し、その肉体は海に墜ちた。

 右眼は月となり、心臓は太陽となった。


 神々はバルバロスの許に集まり、彼を自分達の王とした。


 バルバロスの命により一族郎党と共に下界へと降り立った小さな神アース、彼は亡骸となったガイウィスの頭部を首から切り離すとその肉体は大地となり、アースは自分の所有物として大地をガイウィウスと名付けた。



 時が経ち、アースの息子エルドロスとラナドは不毛の大地と大海を不満に思った。

 エルドロスはアフラティナにそそのかされ、天界の王になるべく男神を率いて叛乱を起こした。


 アースは男神の中で唯一叛乱に参加しなかったバルトと共に剣を取った。

 バルトは天界に行く途中の男神達を待ち構えラナドを滅ぼした。

 アースとバルトは長い戦いの中で一族の男神を殆ど滅ぼし、単身となったエルドロスは捕らえられ処刑された。

 叛乱を起こした神々はガイウィウスに散り、その肉体から様々な動植物が生まれる。


 戦い疲れ大地に横たわり休んでいたアースは、隠れ潜んでいたアフラティナに襲われ滅ぼされる。

 こうしてアースの肉体はガイウィウスに散らばると、その肉体から小さなアースが産まれアースノイドとなる。

 アフラティナはアースの娘アルペティナにより滅ぼされ、その肉体は病となりガイウィウスに広まった。

 

 アースに代わってバルトが一族の長となった。

 バルトはガイウィスの頭部に宮殿を造ると共に頭部の名をオルケウスと名付ける、その後、小さなアースと子を成す一族の者達に憤り、自らの許可なくオルケウスから出ることと小さなア―スとの接触を禁じた。


 地上の叛乱に触発され天界でも争いが起きた。

 それにより、バルバロスの小指が切り落とされた。

 ガイウィウスに落ちたその小指から小さなバルバロスが産まれた、彼らはバルバロイドと名付けられた。

 バルバロイドが誕生する前後、バルバロスに叛乱を起こした神々は主神の前に滅び、彼らのその滅びた肉体は呪いとなってガイウィウスに堕ちた。

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