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第四十八話 魍魎跋扈


 レーヴァと契約を結んでから、俺たちの迷宮攻略は比較的順調に進んだ。


 ……まぁ、あくまで『比較的』にだ。


 道中手足がぶっ飛んだり内臓がぶちまけられたりはしたが、弱音を吐きつつも見栄を張りまくって戦い続けた。


 戦って、探索して、戦って、探索して。


 誰も歩んだことのない場所を文字通り二人で随分と長い間、冒険した。

 具体的な日数は分からないが、数か月は経過したことだろう。


 迷宮街で出会った人々の顔を思い浮かべながら――出て来た時に自分の墓とかあったら気まずいなぁ……などと思っていると、最終目的地の一歩手前となる場所に来た。


 すなわち、あの【騎士】と戦った場所から四層下……九十九層のフロアに。


「端的に言って……」


「……地獄よねー」


 SSSランクダンジョン、第九十九層。

 そこは、円形の闘技場を思わせる、一つの広間であった。


 ボコボコ、ボコボコボコボコ。


 絶え間なく続く脈動がフロアを響かせる。

 その音は、母体たる迷宮が魔物を産み落とす音。

 盛り上がる地面からは次々とモンスターが誕生していく。


 それが、絶え間なく続いては――、


『グルルゥァアアッッ!!』


『ギャンッ!?』


 産み落とされたその瞬間に、先達によって食い散らかされる。


 そしてそれは逆もまた然り。

 少しでも衰えをみせた個体は、生まれて間もない命に飲み込まれることになる。


 産み落とされ、争い合う命の種類は様々だ。


 骨兎(スカルラビット)黒犬(ヘルハウンド)ゾンビ巨人(アンデッドギガント)吸血蝙蝠(ブラッティバット)屍食鬼(グール)骸骨戦士(スパルトイ)足無し魔術師(レイス)高純度(レア・)魔霊魂(ウィルオウィスプ)、そして怪物級の白ムカデ(ホワイトセンチピード)等々…………


 タオラル大迷宮・深層の代名詞とされる『死』や『闇』をテーマにした魔物たち、その中でも強化種と思われる特徴を持った化物たちが争い、喰らい合い、血肉を撒き散らしている。


「どうする? 引き返す? それとも突っ切る?」


 見れば、円形のルームの先には、次の階層へと続くであろう長い長い階段がある。

 だが――


「ハッ、冗談」


 俺は吐き捨て、右の手を横に薙いだ。

 立ち込める霧、青い稲妻、右手に構えるのは闇を照らす一条の光。

 その銘は、白銀剣〈レーヴァ〉。


「俺、モルド・ベーカーは、聖女ティナを生き返らせるために」


『私、レーヴァティン・フォン・アウレンベルクは、復讐を成すために』


 言葉はそれ以上必要ない。






 (あまね)く地獄を呑み干さんと欲した愚者と剣は、そこに血と死と肉の華を咲かせるのであった。




 ====================



 名前:モルド・ベーカー

 契約悪魔:レーヴァティン・フォン・アウレンベルグ

 職業:冒険者、絶断の契約者(マスター)

 種族:■■■

 魔力:SS

 魔術適性:S

 習得魔術:【ファイアボール】

 加護:【毒粘液の加護】【麻痺粘液の加護】【毒肢の加護】【跳躍の加護】【蹴飛ばしの加護】【擬態の加護】【剛力の加護】【影化の加護】【吸血の加護】【感知の加護】【天歩の加護】【鉄胃袋の加護】【鉄歯の加護】【地獄炎の加護】【特級剣術の加護】【脊髄超反射の加護】【魔力生成効率強化の加護】【魔射の加護】【暗視の加護】【遠目の加護】

 耐性加護:【毒耐性の加護】【麻痺耐性の加護】【腐食耐性の加護】

 魔眼:【未来死の魔眼】

 呪い:【聖女の呪い】



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