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46話 最高に厄介だろう

「なっ、今まで騙していたのか!?」


「騙しちゃいねぇよ。本音で本気、悪党にも良心はあるってなもんだ。・・・救いがあって、最高に厄介だろう?」


「何を言って、おい待て!!」


困惑する筆頭騎士カイ=ムラサメを視界に収めながら、跳躍した俺は俺は軒先へ上る。


「・・・ピンク髪の第一騎士団長も捕まえられなかったんだ、俺を逃がしたところで、責任を感じる必要はないと思うぜ?それに、俺は放っておいても人を斬るような真似はしないから、あんたが優先すべきは赤髪のガキの方だ、ああ間違いないとも。」


騎士は街道の石畳を走ってくるが、都合の良い捨て台詞を吐く俺にいちいち一丁前な反応を返してくるようだ。本気で追わせると疲れさせてしまうなどという心持ちで、俺は一気に足を速め、彼の視界の外、静かな闇夜の中に消えた。



ひっそりと息を潜める観測者に、虚ろな目で見られているとも知らずに。


「あーあ。こんなにすぐバレちまうなんて。・・・、できればあんたには、知られたくなかったんだけどな・・・」



また数刻たち、辺りは日が出るにはまだ遠く、夜のとばりはすっかり降りきったまま、変化のない時間が流れるばかりである。


「・・・ようやく、戻ってこれたか。」


土と野花の匂い、散らばった瓦礫と、低くガタガタの屋根。干された布やらゴミの山、足場を一歩一歩選ぶ感覚を、俺は自分で予想していたより遥かに、懐かしく感じているようだ。


「確かこの板だったな。・・・っと、あったあった。」


雑に並んだ、コンテナのような家々の、隙間。屋根の淵を歩くようにしてようやくたどり着くその場所の、何でもない屋根の繋ぎ目に見える板の真下は、名の知れ渡る重罪人の、知られざる秘密基地というわけだ。中に入ってから板で蓋をして、鞄から取り出した照明器具をぶら下げる。雑貨を拾っては売る少年から買った毛布に寝転がると、それはもう安堵の息は出るし、重みのある充実感はすぐに俺を包んだ。


「ミニっ子どもは、第三騎士団員になったんだったか・・・。」


天井の大きな板を、ぼんやりとした光が照らしている。制服を綺麗にする等の作業はひとまず明日に回すこととし、俺は感傷的になるでもないが、ただこのところの騒動の記憶を掘り起こしていった。その後少し経ち、てきとうに照明を消して、てきとうに瞳を閉じてみた後の記憶は、どうにも思い出せないこととなる。

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