詩 Iced Americano
To K.
夏
記憶の中で一番鮮明なのは蝉の鳴き声
氷が指先の熱で溶け切る前に
デコルテに乗せる
思いもしないぐらい
勢い良く下へ滑っていき
二人の情熱が熱すぎるせいか
氷は瞬く間に消え
水滴となり
真っ白なシートの上に跡を残した
”次の方、どうぞ!!”
”アイスアメリカーノを二つください”
夏の日課は
氷たっぷりのアイスアメリカーノを
一緒に楽しむのこと
グラスにできた水滴は
体の熱で溶けた水滴と似てた
同じ味はしないと思う
でも舐めてみても
悪くはないかも
冷え切った
アイスアメリカーノが
喉を通る
そして
思い出す
真夏よりも熱い
体で交わしたあの会話を
Someday.