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夢と覚醒のあいだ

作者: 大宮りか

あるとき、重層的な夢を見た。


夢から醒めても、

それもまた夢であり、

幾重にも折り重なった重層的な夢を遊行しながら、

不明瞭な世界をさまよっていた。


夢のなかで、意識だけの存在でいることは脆い。

早く目を醒ましたいから、身体を探し始めた。


まるで身体性を試着するかのように、

次から次へと変化(へんげ)する夢の世界で、

自分の意識と身体の統一性を探し始めた。


意識と身体が完全に一致したとき、

元の世界に目覚めることを知っていたからだ。


夢から夢へと押し出され、

次元の異なる世界を一瞬で移動しながら、

目覚めという名の出口を探す。


だが、意識は身体を迎えにいったまま、

重層の迷宮をさまよい続けている。


置き去りのままの身体は、

何もなかったかのように眠り続ける。




いったい、どれほどの時間が経過しただろうか。




次元の異なる世界では、時間の概念などない。




消耗した意識が、

瀕死の一歩を踏み出したとき、

ようやく身体と再会した。


完全一致した瞬間、確信した。

このしっくりくるからだ、

自分だけが知っているこの感覚。


意識と身体が合致した瞬間、

この世界に戻ってきた。


ずいぶん、眠ったものだ。

この世界の木漏れ日がまぶしく感じられた。



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