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空海の狭間で  作者: 長椅子
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夢見た場所と現実と・・・4

「しかし通信装備が無事でよかったな。あれが無ければあれだけの歴史的価値があるものをこれから先も野放しにしていたのかと思うと・・・」


締まりがない顔、顎に髭を生やし白髪が少し混じった男、イガンとか言う男がそう言葉にした。


ああ、その言葉を言っちゃうのかぁ。歴史的価値と言う点には同意。けど・・・ねぇ。


「ちょっと今の言葉は聞き捨てならないぞイガン殿!歴史的価値!?古代兵器だぞ!保管すると貴方は言うのかね!?とんでもない!古代兵器は当然隊員に使わせるべき武器であろう!古代兵器はいくつも見つかっている!その多くが殆ど同じ分析結果だ!ならば保管は極論一つで充分!そして我が国の保管数は10を超えているではないか!ならば隊員に使うべきだ!違うかね!?」


うんうん。タイミングが悪いね。


「ああ、いや、しかし・・・」


慌てて声を発したが後の祭りだね。これが新しい僕の上司だったのか。うん。今日初めて会ったけど・・・うん。使えないね♪


「しかし?しかしだと!?ならばイガン殿は隊員に渡せる武器があるのにも関わらずそれを渡さず果てろと!?死ねと!そうおっしゃるのかね!?」


なーにが死ねなんだかね。隊員。強素体持ちは飛べる数に限りがあるんだから5層付近やらに出向かないと戦闘らしい戦闘もないじゃないか。うん。うちの国は特にエスロット団員が優秀なんし尚更だね♪


「そ・・・それは」


なんで吃るのかね?うちの上司。しかもチラチラとこっち見るのやめて欲しいんだけども・・・うん。50代の髭生やしたおじさんからの涙目の救援要請・・・うん。反吐が出そう♪


「なにかね?ん?そちらの君が何か言いたい事でもあるのかね?」


うわぁ。こっちに来たよぉ。ラザップ国防なんちゃらさん。この人の顔潰れたカエルみたいで本当に嫌なんだよねぇ。ぶくぶくのお腹。あ〜やだやだ。


「いやいや、ラザップ様。彼はまだ新人かなにかでは?大方イガン様も新人の前で見栄を張りたかったんですよきっと」


くすくすと笑いながらラザップ国防なんちゃらさんの隣に座るこちらも国防なんちゃらのお一人様。うーむ・・・どうやら5人いる国防なんちゃらの皆さんはラザップ国防なんちゃらさんが中心みたいだね。その次がこの隣の美人さん。もう髪もふわふわで抱き締めちゃいたい!って思ったんだけどぉ・・・うん。抱き締めないで良かったね。御断りだったね。こっちから願い下げだね♪



「ふむ、リラの言う通りか。だがまぁ・・・国宝局の1人なのだろう?彼も・・・ほら新人だからとて傍観に徹せられる程この場は甘くないぞ。ん?」


甘くないぞ。ん?だって・・・いや。駄目だよ。堪えるんだ僕。笑っちゃ駄目だ。笑っちゃー


「ん?どした?ん?」


顔を近づけるのを止めて欲しいな!吹き出しそうだね。うん。ああ、ヤバいね。頬が震えてる。とりあえず誤魔化そうか。う、うん。


「とっとりあえず・・・まずは回収してから分析してみての話しですよね?あ、あはは」


いけない。愛想笑いが本気笑いになりそうだ。うん。


「ふむ。いや。確かにその通りだな!うむ!いやはや話しが些か先に進み過ぎたな!いやはははははははは!」


「「あははははははは」」


国宝なんちゃらの皆さんが声を揃えて笑う。うん。今だ僕も混ざろう。


「んにゃはははははははは」


いやぁ。良かった良かった。やっと笑えた。正直もう限界だったんだよね!


「うんにゃはははははは」


国防なんちゃらの皆さんは良くあの顔に耐えられるよね。慣れかな?うん。僕には慣れるのは無理だね♪


「いにゃははははははひひひひひひ」


「いや、笑い過ぎだろう」


「あはは?あれ?」


気が付いたら笑ってるのは僕だけだった。あれれ?なんで?笑い過ぎちゃったかな?


「いや、すみませんねぇ」


手を後頭部に回し軽い会釈。


「ふむ。まぁ・・・いいか。では我々はこれで・・・通信は現場に任せる。君達はそちらに回ってくれ。一応管轄に入るのだろう?最低でも一つは・・・こちらに、いや回収してくれたまえよ」


うん。何とか収まってくれたね。笑いも会話も♪


「では吉報を待っているぞ」


そう言って国防なんちゃらさん達は席を立って帰って行った。って言うか管轄と言うならそちらも管轄だよね?うん。むしろそっちの管轄の方が割合的には多いー



「お前は!なんの為に此処に来たんだ!」


わぉ、イガンがお怒りだ♪


「珍しくお前から現場に行きたいと言ったかと思えば!何も話さぬ!何も意見せぬで何の為に来たんだ!仮にもお前は国宝局の副局長だろうが!」


あらら。目が血走ってるね。うーむ・・・どうしよ。面倒だね。うん♪


「まったく!なんだってこんな若僧が長年副局長なのだ!新任して前局長が頼れと言っていたが・・・頼りになる以前の問題だ!」


うんうん。頼らない方がいいよ。面倒だからね♪いやしかし・・・前までの上司はまだラザップ国防なんちゃらさんと話し出来てたろうね。退職前にイガンをよろしく頼むって言われてたけど・・・面倒だから今日まで電話で仕事済ませてたけど・・・うん。予想以上に使えないね♪


「堪らず私が保管を進めればお前が話しに加わると・・・ああ!もう!」


うわぁ・・・あれわざとだったの?引くわぁ・・・本当に引いちゃうよねぇ・・・


あの言葉を言った時点で濁すのはもう無理だよねぇ。あれで詰みだよ。うん。あの場では濁して濁すのが良かったんだよねぇ。保管なんて言ったらそりゃ毎日机の上でくっちゃべってる人達がわざわざ僕らの後に今来る必要がない通信施設に来たんだもの・・・狙われるよね。あの言葉は。うん♪


あの言葉は古代兵器を確保して分析してから言葉にするべきなんだよね。うん。そうすりゃその結果によっては今ラザップ国防なんちゃらさんが言った言葉に有る程度の理由付けで対応出来たんだよね。うん。まぁ・・・後の祭りだけど♪お祭り行きたいな♪うん♪



「頼むからちゃんと仕事をしてくれ!本当に頼むから!ラザップ国防隊団総師が言っていた通り甘くないんだぞ!ここは!」


頼むからって・・・他人任せはいけないよねぇ。うん。しかも責任者が他人任せは尚更ね♪まぁ、僕の仕事は別だからいいけど。しかし、会議ってこんな感じなんだね。初めて出たけど面白かったね♪笑いが止まらないっていうのは久々だったよ。うん♪さて、それじゃ本題の通信室に行こうかな。珍しそうな古代兵器だしね♪それが御目当てだしね。うんうん♪


「おい!聞いてるのか!?甘くないんだぞ!おい!」


あ〜聞こえない聞こえない〜耳が遠くなっちゃった〜んにゃはは♪



しかし・・・甘くないねぇ・・・甘々だよね。実際。こんな場所で会議してる僕らも。通信室で待機してる隊員も・・・


会議して先の話しなんてしてる僕らは尚更だろうね。


彼の現状に比べれば・・・本当に甘くて甘くて・・・吐きそうだろうね。


反吐が出るだろうね。人の命をなんとも思わないこの場所に。


彼にとっては♪



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