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豚バラ肉の梅トマト肉と半魔族のリゼリコ


その日 魔族と人間を両親にもつ半魔族のリゼリコは、自宅がある町外れの家から馴染みの店へお昼ご飯を食べに向かっていた。


「しかし、この季節は本当に良いですね。適度にじめじめして、どんよりした天候が実に最高です。」


と生まれつき肌が弱いため、太陽の光に長時間さらされると真っ赤になって軽い火傷みたいになってしまう事が悩みのリゼリコは、ご機嫌に歩いていた。



◇◇◇



チリーン♪チリーン♪


「あっ!リゼリコだニャ!いらしゃいませだニャ。」


「リゼリコ いらしゃい。」


と朝倉亭にたどり着いた常連客のリゼリコは、朝倉亭の看板息子の猫族のシイや副店長の刀弥に出迎えられる。


「こんにちは。」


「あニャ!?今日は、マント着てニャいんだニャ!大丈夫ニャのかなニャ!火傷してニャいのかニャ!?」


とリゼリコが普段日焼け防止に魔法がかかったマントを着用しているのに。今日は着ていない事に驚いたシイが、リゼリコの回りをウロチョロしながら、火傷や怪我をしてないか心配そうに確認する。


「ハハハ~。シイ 心配してくれてありがとう。大丈夫だよ。

今日は、天気も曇っているし。弓弦から貰ったこの大きな日傘があるからね。」


とリゼリコの事を心配した弓弦からプレゼントされた大きな日傘をシイに見せながら、リゼリコは笑いかける。


「そうなのかニャ。けど、いくら曇りでも気を付けるニャよ!」


と心配性なシイに念をおされながら、リゼリコは指定席のテーブル席に座る。



◇◇◇



実は、リゼリコ。前にアクシデントで太陽の光で日焼け(火傷)をして、痛みでうずくまってる所をシイに発見され。

心配したシイに朝倉亭に連れていかれ。しばらくの間、弓弦宅で手厚い看護を受けた過去が有るのだ。

その時、シイや刀弥達と親しくなったり。弓弦特製のご飯をごちそうになったりとすっかり弓弦に胃袋を捕まれ。それが縁で朝倉亭の常連客になる。


そのためシイがリゼリコには、過保護過ぎるほど過保護になり。

来店したさいには、怪我をしてないか、火傷をしてないか、顔色は悪くないか等々を細かにチェックをしては、リゼリコの体調を確認するのだ。



◇◇◇



そうしてシイにいろいろ確認されながら話していると


「改めまして、リゼリコ いらしゃいませ。」


と刀弥が氷入りの木のコップや水差し、夏限定の冷たいおしぼり、メニュー表等を持ち席にやって来てリゼリコの前に置いてくれる。


「こちらメニューになります。」


「ありがとう 刀弥。そうだ!今日のオススメは何かな?」


とリゼリコが今日のオススメ料理を刀弥に聞くと


「そうですね。オススメ料理では無いんですが、リゼリコが好きなトマトが旬な季節になってきたので、弓弦がリゼリコためにはりきってメニューにトマト料理増やしてましたよ。」


と教えてくれる。


「本当に!やったー!弓弦の料理でトマト料理を食べて以来、すっかりトマトの美味しさの虜になったからトマト料理が増えるのは、嬉しい。

えっと、なら注文はトマト料理の……………」


とトマト好きのリゼリコが喜ぶなか、いつものようにトマト料理を中心に注文を受けると、刀弥はシイを連れて厨房の方に戻って行った。




「こんにちは リゼリコ。お待たせしました。

リゼリコ注文のメインが

・豚バラ肉の梅トマト煮


小鉢3品が

・トマトとホタテの塩麹サラダ

・トマトとタコの緑あえ

・牛もも肉の野菜巻き~マヨマスタードソースがけ~


汁物が

・トマトの洋風かき玉汁


今日のオススメの漬物が

・トマトとアボカドの蜂蜜レモン漬け

だよ。


ご飯と汁物、お漬物5種類は、バイキングコーナーにおかわりがあるから、お腹一杯食べて帰ってね。


それからデザートの

・トマトのシフォンケーキ

は、食後に持ってくるね。


あとコレ、家の庭で今朝摘みたての新鮮トマトを使った

・丸ごと冷やしだしトマト

・トマトのチーズ焼き

・プチトマトの三温糖漬け

だよ。プチトマトの三温糖漬けは、冷たく冷えててデザート感覚で食べれるよ。リゼリコ、トマト好きだからサービスね。」


とリゼリコの注文の品を確認しながらテーブルに並べた弓弦は、サービス料理をこそっと置くとリゼリコと少し話して厨房に戻って行く。


「うーん。いつ来ても美味しそうな料理ばかりだなぁ。」


とリゼリコが目の前に並べられた料理を見ながら嬉しそうに呟くと、さっそく目の前に置いてある梅トマト煮を食べ始める。


「うーっ美味しい!柔らかい角煮の豚バラ肉が梅干しの酸味や醤油の風味、さっと煮られたトマトのジューシーさと良く合ってて、ご飯が進む。

こっちのトマトとタコの緑あえもすりおろした胡瓜と大根おろし、みじん切りのドライトマトのソースがトマトとタコとあえてあって、レモンとオリーブオイルの風味もしていて、サッパリして美味しい。」


と大好きなトマト料理を堪能し、満腹になったリゼリコは、いつものようにレジでお金を払う。

すると弓弦達から、明日の朝ごはん用のトマトとウィンナー、マヨネーズ、チーズを使った惣菜パンやツナとトマトの一口ミニパイ、朝採れたての新鮮トマト、ミニトマト。

日持ちするミニトマトのピクルス、万能トマトソース、ドライトマト。甘い物で、ミニトマトタルト、トマトとチーズのクッキー等々をどっさりとお土産に持たされ。

そのうえシイがしっかり天候を確認するなか、家路に帰る。


「はぁ~帰りも曇ってて本当は良かった。シイのOKが出なきゃ1人で帰れないから、いつも弓弦達に気の毒で。

それに帰りに弓弦達がお土産に明日の朝ごはん用のパンとかお菓子をたくさん持たせてくれたけど、どんな味なんだろう。食べるのが楽しみだなぁ。」


とリゼリコはブツブツ独り言を呟きながら、日傘をクルクル回し、楽しそうに家路への道を歩くのであった。



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