02『可能性停止能力者、マックス』
旧市街、落語総本山、英雄の間。マックスいう男が一人。佇んでいる。
「マック?いるのかい?」
虚空から、人間が現れたようだ。その男、アルベルトという。
「アルベルト、見てくれよ、この頭。」
「マックその傷!!!」
マックスは、ヘラヘラ笑っていた。
「まあ聞けよ。
俺は、裏山で時間を消費する際に、一瞬『ちょっと戻りたい』と考えたんだ。
帰りてえってな。
そうしたら、突如、石塊が俺の頭をめがけて降ってきた。
当然だが、こんなに遅いもの簡単に避けられると思っていた。
だがそれは、違った。狙っていたのは、俺じゃなかった。
そこで、『詠唱』が始まったのさ。
360度俺の周りを段差が囲み、石塊が転がり始めた。
もちろん俺は、この危険な視線からの脱出を考えた。
そう、死ねば、出られると案を出した。当然そのまま『詠唱』した。
そこですぐに判定が入った。
俺が『死ぬのが先』か、それとも『死ぬのが先』か。」
「神のみぞ知るってことか。」
「だがしかし俺は、都合よく停止しているんだろう。何せ生きているのだからな。」
「?、一体何を言っているんだマックは。」
マックスが帰りたいと思った場所は、一体どこなのか。
それは、誰も知ることはできない。