01『時間旅行能力者、パルス』
ここは、帝国港学院、裏山の小屋。給水所である。
今日、パルスは、ここに勉強をやりにきていた。
宿題は、落語。
テーマ『インスタニィな時間旅行の方法述べよ』という暴力的な内容だった。
「この石塊でいいかな。」
まず、パルスは、人物Aと設定した空間と交渉を始める。
つまり妄言をほざきはじめる。
内容は、折り紙の彫刻のPRだ。
「俺は、彫刻家だ。」
この男は、少年だった。この少年は、老人だった。
そんな過去、現在、未来、もあった。
例えば時間は、有限である。
「俺の家は、裕福だ。とてもお金がある。」
パルスは、金があると物が買えると知っている。
例えば欲しいものは、時間だった。
「本当に簡単だった。10秒で完成した。」
もちろんこの折り紙の彫刻は、消費物だ。
「・・・折り紙の彫刻で遊ぶということは、人間であるということだ。」
人間は、すぐ自分の中で解決しようとするのだ。
だからこそ、時間を掴むことが出来ない。
生物は、一生遊んで、そのうち死ぬのだ。
「さて、製品テストだ。」
パルスは、石塊を放り投げる。
だが、石塊は、あまり浮かなかった。
「失敗か?面倒だが・・・しょうがない。
状況が許すなら、俺の話を聞いてくれないか?簡単な話だ。
そこの天窓でダイナミックなつけものをつくろうと思う。
だが、俺は、10歳のガキだ。
非力で屋根に上ることは出来ない。そこで、俺は、考えた。
頭上に石を運ぶにはそこの段差を使えばいいのだ。
俺は、天窓にこだわっていたが、正直、天ならどこでもよし、
それは、それでダイナミックつけものなのだ。」
虚空に響く声。当然何も起きない。
そのまま電話を鳴らし、誰かと話し始めるパルス。
「ヒストリカ、ちょっと裏山まで来てくれないか?
ちょっと、気づいたことがあるんだ。」
「なんじゃ?もうその手にはのらんぞ!!!」
「ん?今からつけものを作るから手伝って欲しいんだけど?」
「?、どうせ、また殺す気じゃろ?お前は、イカれているからの。」
「だから、つけものを作るんだって。なんで君を殺さないといけない?
ちょっと、家の上の方でつけものを作りたいだけなんだよ。」
「いや、嘘をつくな、そんなことをワシが信じると思っているのか?」
「これっぽっちも思ってないよ。ただ、確認しただけだよ。」
「何を確認し」
パルスは、確認を終えるとすぐに電話を切った。
「あ、玉ねぎが2個ある、プププ」
今、パルスは、必死に笑っている。くすんだ瞳は、恐怖を表していた。