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第四話

顔を赤らめながら告白する透羅を見ながら、


(コイツ、結構イイやつだよな・・・。)


と幼馴染の人の良さを再認識するとともに、


(コミュニケーションツールってすげえな・・・。)


透羅の言葉数の多さに妙に感心してしまった。


口ベタなオレもこの位の言語表現力があれば、今後の人生が変わるかもしれない。

ひとしきり透羅の話を聞き終えると、狩野先生は諭すような口調で言った。


「早乙女は偉いな。今は、余裕がなくて自分のことしか頭にない人がたくさんいるのに、

友達を自分のことのように考えられるなんて・・・ただ自分でも言っていたように授業に関係の無いものを持ってくるのはダメだな。こんな高価なモノを持ってきて、もし、盗まれでもしたら大変だ。学校にいる全員が犯人だと疑われて、皆が嫌な思いをするからね。

持ち歩くのは危険だから、先生としては、ネットを使いたいならどちらかの家に集まって調べるのをお薦めするよ。それが難しければ、市の図書館に行ってもいいだろう。許可さえとればパソコンも使えるし、ファッション雑誌も何冊かおいてあるしな。

とにかく。どんな場合でも最低限のルールは守ろう。なので、このタブレットは一度、預かる。」


しゅんと落ち込んだ透羅を尻目に、先生は、集まっている野次馬に対し注意する。


「用のない生徒は、早く下校しなさい。」


ギャラリーの輪がパラパラと崩れる中、それに混じって透羅も肩を落としトボトボと自分の教室へと戻っていく。


「早乙女。」


その後ろ姿に狩野先生が声をかける。手招きで自分のところに呼び戻すと、しゃがんで目線を合わせた。そして、他の生徒に見つからないように、ドアミニを手渡す。


「大事なコミュニケーションツールなんだろう?失くさないように大切に持っておきなさい。今後はキチンとルールを守るように。」


「ありがとう先生!」


透羅は曇っていた表情を一転して晴れやかにして、勢いよくお辞儀をする。

去り際にオレと目があうと、


「アンタも早く、タイムスリップして明治時代に帰ったら。」


と憎まれ口を叩いた。


「先生。ちょっと、甘いんじゃないの?」


オレは、口を尖らせた。別に狩野先生の対応に不満はないけど、自分だけ責められたのがなんとなく面白くない。


「すまん、すまん。まあ、先生業もある意味人気商売なところがあるからさ。あんまり、キツク指導しすぎても、逆に言いたいことが伝わらなくなっちゃたりするんだよ。それにもう放課後だしな。みんなの手前だから没収したけど、あんな高価なモノ一晩もあずかれないよ。親御さんから苦情が来る。」


先生は気まずそうに答える。


「ふーん、教師も大変だね・・・。」


「まあな。それより、とっくにミーティングの時間だ。校長先生がお待ちなんで、早く行こう。」


狩野先生が歩きだす。

オレもそれに従って歩き始める。


「人気業といえば、こないだクラスの女子がつけてた校内の先生の人気ランキングで狩野先生はベスト3に入ってたような・・・。」


「おお!!本当に!?日々の努力のおかげかなあ・・・。」


「でも、いい人すぎて結婚できないタイプだとも言われてた。みんなに優しいからって・・・。」


「ええ!!そうなこと言われてるのか?最近の小学生はスゴイな。そりゃあ、教師は、全員に平等に接するから、みんなに優しいだろうど・・・。」


と苦笑いした。

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