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第二十七話



婦人用品の売り場は、2FのΘ(シータ)出口を入ってすぐ左手に展開されている。2Fの売場の4分1を占める広い売場には、家族向けに様々な年齢層の婦人服が用意されている。


小学校高学年から中高生向けの洋服は、婦人服売り場の一番奥にあり、婦人用アクセサリー売場と隣り合わせにある。

フォーメーションはこの前とほとんど同じ。1Fの国道側出入口αに警備主任さんが、反対側の1F駅側出入口βにもう一人の警備員さんに見張ってもらう。残りの2つの出入り口、Θ(シータ)とΔ(デルタ)は狩野先生に監視カメラで確認してもらう。

回オレは出入口の監視にはつかず、エスカレーター2の上りの出口正面にある2Fの紳士服売り場で待機する。透羅が前回同様、1Fα出入口から最短ルートを使って2Fに移動してくることを推測してだ。


紳士用品売場で商品を何気なく探しているフリをしていると、イヤホンに連絡が入る。


「1Fα出入口、来たぞ。」


警備主任さんからだ。


「了解。」


続いて、狩野先生からも通信が入る。


「キャッチ、ターゲットがエレベーター2に乗る。」


予想通り、最短ルートで2Fに向かっているようだ。


「了解。」


前回、隠れていたマネキンよりも少し婦人服売場寄りにある棚に身を潜める。棚の陰からエスカレーターをしばらく見張っていると透羅の姿が見えた。手に持ったドアミニを操作しながら顔を上げることなく婦人服売り場の方へ曲がっていく。オレは紳士売り場の棚の陰やマネキンの後ろに隠れながら、透羅の後ろ姿を追う。


エスカレーター2を通り過ぎ、子供服売場と靴・バック売場の間を抜けると正面にΘ出入口と右手に20代から30代向けのブランドを展開している婦人服売場が見える。透羅は右に曲がり、婦人服売場と靴・バック売場に挟まれた通路を店内に奥に向かってゆっくりと歩いて行く。オレは、透羅が行く通路と平行に走るエスカレーターの吹き抜け沿いの通路を同じように奥に向かって進む。


左手にある靴・バック売場の棚の間から透羅の様子を伺うと、並んでいる婦人服をぼんやりと眺めながら歩いている。以前に比べるとしぐさに余裕があるようにも見える。

時間を見ると4時30分を少し過ぎたくらいだった。

この前よりは少し早い。

透羅が中高生向けの服売場に近づいてきたので、オレは少しスピードを緩めて左手にある靴売場に入り棚の隙間を縫って婦人服売場前の通路側へと移動していく。

透羅が通路から婦人服売場に入っていく後ろ姿を確認すると、オレはその場所で足を止める。


「コーチ、隠れる場所がないわけじゃないけど、婦人服売場にオレがいたらちょっと目立っちゃいそうだ。ターゲットが持ってるバックのサイズじゃ服は入れられなさそうだし、ちょっと遠いけどここから様子見するよ。」


「了解。モニターでターゲットが更衣室前に現れたら連絡する。」


婦人洋服売場は、Θ出入口から非常階段側の壁までほぼ長方形にのびている。その中頃にレジカウンターがあり、そのすぐ横に3つのボックス型の試着室が用意されている。

レジカウンターと試着室は通路から奥まった場所にあるため、婦人服売場に真ん中あたりまで入らないとその様子を確認できない。


「お願い。無理に近づいてターゲットに気づかれるのは避けたい。」


「了解。」


しばらく監視していると、透羅が何点かの服を手に抱えて試着室の方に歩いていくのが見える。


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