第二十一話
次の日の午後4時、オレは、学校帰りの透羅に「話がある」と言って家の近所の公園に連れ出した。
サッカーやキャッチボールもできる広いスペースのある公園内では、学校が終わった小学生や中学生の子供達が思い思いに遊んでいる。
ジャングルジムやブランコのある遊戯広場をゆっくりと歩きながら、
「前は、よくここで遊んだよな。」
少し後ろを歩いていた透羅に話しかけた。
「あのブランコ、無茶な乗り方して壊したことあったよな。
普通にこいでも面白くないからって、ブランコに座りながらグルグル回って吊ってある鎖をねじらせてさ、足を放した反動ですごいスピードで回転させて遊んでた時に。みんなも手伝って限界までねじってさ、誰が一番長い時間回ってられるかを競争してな。
お前がオレに負けたのを認めたくなくて、「もう一回、もう一回」って結局20回くらいやったときに鎖が台座から外れたんだよな。
お前、スゲー勢いでしりもちついたから、しりが痛くて帰り道をまともに歩けなくなってさあ。ばあちゃんみたいに壁に手をついて家に帰ってたよなあ。
はっはっは。」
「もう、ずっと前の話でしょう・・・。
それより話って何?そんな昔話をするために呼んだわけじゃないでしょう?言いたいことがあるなら早く言いなさいよ。
アンタ、ただでさえ口ベタなんだから、周りくどいこと言ってたら、伝わるモンも伝わらないわよ。」
透羅は少し顔を赤らめて、オレを責め立てた。
「ああ、そうだな・・・」
オレは、少したじろぎながらも腹を決めて口を開いた。
「あのさあ・・・お前、最近、悩みとかねえ?」
自分でももう少し気の利いたセリフが言えないのかとは思うが、他のセリフは、思いつかなかったから仕方がない。
「はぁ?どうしたのよ、いきなり。
ガラにもないこと言って・・・アンタ、人の相談なんかのれるタイプじゃないでしょう。1000歩譲って出来たとしても、まあ、バスケのプレーに関する悩み相談くらいでしょう。」
透羅の遠慮のない物言いに心の中で深く溜息をついた。
やっぱり、先生達の勘違いだったんじゃねえかな・・・こんなに言いたいことを言いたい放題のヤツに悩みとかストレスとか無縁だと思うんだけどな・・・。




