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第十四話

「ふーむ・・・話を聞く限り早乙女さんも決して無関係ではないようですね。」


目をつむって腕組みをしながら校長先生は呟いた。鷺沼と別れた後、オレは、その足で学校へとって帰り、狩野先生と校長先生にさっき聞いた話を報告をした。


「自分で言っててなんだけど、どうも信じらんないなあ。訓練にしろ何にしろアイツがそんな万引きまがいのことをするなんて・・・。」


思い出してみると、昔、一緒に遊んでいた時の透羅は、人に迷惑をかけるようなことや禁止されていることをオレや仲間がやろうとすると、「やめなよ。」と率先して止めに入っていた。


最近は、立場が逆だけど・・・。

オレが、今、風紀委員なんてやってるのも、もしかしたらアイツの影響なのかもしれない。透羅が一生懸命、みんなが無茶するのを止めようとしてるのを見てたら、いつの間にかオレも注意する側にまわってたんだよなあ。

そんなことを考えていると、狩野先生が心配そうに声をかけてきた。


「大丈夫か?太一。まあ、鷺沼が自分を守るために嘘をついている可能性もある。

ただ、引っかかるのは、鷺沼が早乙女に対して受けた恩を仇で返すようなことをするかってことだな・・・。以前とは比べモノならないくらい明るくなったと担任の先生も言っていたし、そのことに対して鷺沼が感謝しているのは本当のことだろう。」


オレが話した感じでは、鷺沼の透羅に対する感情は本物だった。

それに嘘もうまくはなさそうだ。

仮に透羅が鷺沼にそんな訓練をしていたとして、本気で効果があると思っているんだろうか。考えれば考えるほど、よくわからなくなったきた。

それは、他の2人の先生たちも同じだったらしく難しい顔をしてうつむいている。


「考えても仕方のないことに時間を掛けている場合ではありませんね。別の視点から情報を整理していきましょう。狩野先生、調べていただいたことの報告をお願いします。鷺沼さんは他のお店やショピングモールでも同じようなことをしていましたか?」


校長先生からの問いかけに、それまで腕組みをしながら考えこんでいた狩野先生は、なんだかスッキリしない表情で話し出す。オレが風紀委員や他のことで透羅とやり合っていると大抵、中に入って仲裁をしてくれるのは決まって狩野先生だった。先生なりに透羅が今回の事件に関係しているという事実は、気持ちの整理をつけにくいことなのかもしれない。


「今回、調べてわかったことは大きく分類すると3点になります。1つは、鷺沼は他のショピングモールでは、事件を起こしていないと推測できること。

2つ目は、これまで目撃情報や監視カメラの画像を確認したところ、鷺沼が犯行に及ぶ時間と曜日がほぼ決まっていること。

3つ目は、鷺沼が犯行を行っている時間帯に早乙女も同じ店内にいることが多いことです。」


「具体的に教えていただけますか?」


「はい。まず、1つ目は、この近隣のショピングモールの警備係に問い合わせた結果です。少なくとも現在要注意人物としてマークしている人物には該当しないとのことです。零点頻度が少ないからマークされていないだけかもしれませんが。

2つ目は、ショップの店員や警備員の証言と過去のカメラに映っていた時間の記録を照らし合わせたところ、平日月・水・金曜の午後4時~7時の間にを行っている可能性が高いということです。

そしてこの時間帯に絞り込んで店内にある全ての監視カメラ記録を確認したところ鷺沼が事件を起こしている時間帯に、場所はことなりますが早乙女もうつっています。」


「鷺沼さんはもうやめると言っていたそうですが、相手の本心がわからないなら包囲網を解くわけにはいかないですね。この曜日と時間帯に集中して警備を継続しましょう。」


校長先生が話を終えようとすると、狩野先生が口を挟んだ。


「あと一つ気になっていることがありまして・・・実は、監視カメラの画像にもう一人、気になる人物がいるんです。」


狩野先生は、その後をなんてつなげばいいか、言葉に迷ってるようだ。


「当校の生徒ですか?」


何か言いにくそうな雰囲気を察して校長先生が質問をする。


「いえ・・・子供ではなく大人なんです。この件に関係しているかも定かではないんですが・・・。こちらの画像をみていただけますか。」



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