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友達の存在...  作者: りす君
53/58

friends52:心理戦。

試合は中盤に差し掛かり、前の回のホームランで高萩達のモチベーションは上がっていた…。

ウグイス嬢:

「4回表。龍泉高校の攻撃は、2番。サード、上条君。」

上条の心の声:

「さて、そろそろ本気出させて頂くよ…茉山?」

主審:

「プレーッ!」


(ビュッ!)

(スパンッ!)


主審:

「ストライークッ!」


俺達はこの回、クリーンアップが回ってくる事が解っていたので、取りあえずこの上条を抑えておきたかった。


藤浦の心の声:

「やるしかねぇよな!」

高萩の心の声:

「こい、藤浦っ!」


(ビュッ!)


上条の心の声:

「ふざけるなよ、俺達を簡単に抑えられる訳じゃねぇ事ぐらい、理解(わか)れよ!」


(カキーンッ!)


高萩:

「っ!?レフトーッ!」

犀潟:

「オーライ…よしっ!」


(パシッ!)


三塁審:

「アウッ!」

上条:

「な、何ぃ?!」

高萩:

「ヨッシャー!」

茉山の心の声:

「確かに、上条のバットにジャストミートした。が、アイツら自身の心の方が強かったようだな。」

上条:

「霜尻。あのストレート、ベース付近で急に伸びてくるぞ。気をつけろ!」

霜尻:

「…あぁ。一打席で把握したから、今度こそスタンドに叩き込んでやるよ。」

ウグイス嬢:

「3番。ファースト、霜尻君。」

高萩の心の声:

「誰が相手だろうと、打たせない。いくぞ、藤浦!」


俺は、真ん中から外角に逃げるカーブを要求した。


(ビュッ!)

(カキーン!)


高萩:

「っ?!」

一塁審:

「ファール!ファール!」


打球は、ライトポールをほんの少し逸れてファールになった。が、初球から飛ばされるとは予想外だった。


霜尻:

「チッ!逸れたか。」

高萩の心の声:

「カーブは危険…そしたら、わざと打たせてフライにするしかないな。」


(直球のサイン)

(ビュッ!)


霜尻:

「俺は、二度も…ヘマしねぇんだよっ!!」


(ブンッ…)


上条:

「捉えた!」


(カキーン!)


藤浦:

「せ、センター!!」


打球は、大きく放物線を描いて飛んでいく…。


岩原:

「くっ…。」


打球は、センターフェンスを越え、電光得点板の(ふもと)に当たった。


龍泉群:

「ヨッシャー!!」


(霜尻が内野-ダイアモンド-を回って帰還し、龍泉群の電光得点板に1が映った)


氷石:

「ナイスバッチです、先輩。」

霜尻:

「フッ…次はお前が放て。」

氷石:

「…了解です。」

ウグイス嬢:

「4番。センター、氷石君。」


藤浦は、霜尻にあっさりとストレートを打たれて唖然としていた。俺は、藤浦に掛ける言葉を必死に探したが、こういう時に限って見つけられなかった…。


氷石:

「おや? あのピッチャー…バテてる様子だね、荊太郎君?」


バッターボックスに入ってきた氷石が、困惑している俺に向かって言った。 普通なら、ここで言い返せるのだが、今の俺には氷石に言い返せる言葉なんか無かった。


氷石の心の声:

「この様子じゃ、バッテリーは相当参っているな。 今が攻め時だな…。」

主審:

「プレー!!」

氷石の心の声:

「遠慮なく行かせて貰うよっ!」


(ビュッ!)

(ブンッ!)

(スパンッ!)


主審:

「ストライーク!!」

氷石の心の声:

「っ?! う、嘘だろ…?」


(高萩がニヤリと笑う。)


氷石:

「っ!? は、ハッタリだと?」

高萩:

「…悪いな、幼なじみ。」

氷石:

「っ!?」

高萩:

「さっきのお前の一言で、俺らの闘争心に火が点いちまった。 今から、お前ら全員を全力で潰してやっから…覚悟しとけ!!」

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