friends44:険悪なチームナイン。
運命の試合当日。藤浦と岩原以外、全員集合していた。
「おせぇな…藤浦と岩原先輩。」
「…そうだね。」
集合時刻をとっくに過ぎてるのに、藤浦と岩原が現れない。俺と潮見と犀潟は、心配していた。
「済まない!遅くなった。」
向こうから走ってくるのは、岩原を連れた藤浦だった。
「遅いし!」
「いや…済まん。この人を説得すんのに時間が掛ってしまってな。」
無理矢理連れて来させられた岩原は、そっぽを向いている。
「俺は、別に参加するってまだ言ってねぇぜ。」
さすがに、俺もカチンときてしまった。
「何ですか、その態度は?」
「あぁ?やんのか、チビ?」
辺りに険悪なムードが立ち込めたが、間一髪で零園のお陰で免れた。
「御互いに、礼っ!」
「「御願いしますっ!!」」
先行はじゃんけんの結果、俺らが勝って相手チームになった。
各自、グローブやミットを填めてる時に、後輩達が藤浦に質問した。
「先輩、俺達のポジションは決まってるんですか?」
「大丈夫、既に決まってる。」
俺らの打順と守るポジションは、前日に藤浦が決めたらしい。
「ほれ、この通り。」
藤浦から、打順とポジションが書いてある紙を渡された。
(私立芹沢学園高校、メンバー一覧表)
1番、セカンド(二塁):美作 雅臣…高1。
2番、レフト(左翼):犀潟 空平…高2。
3番、サード(三塁):屋代 光太…高1。
4番、ピッチャー(投手):藤浦 成一…高2。
5番、キャッチャー(捕手):高萩 荊太郎…高2。
6番、ファースト(一塁):落合 正…高1。
7番、ショート(遊撃):零園 彪岔…高1。
8番、ライト(右翼):潮見 麻衣…高2。
9番、センター(中堅):岩原 克彦…高3。
「っ!?」
俺は、メンバー表を見て藤浦に問いつめた。
「おい!俺がキャッチャーってどういう事だよ?!」
藤浦は、頭を掻きながら答えた。
「まぁ…俺の球を受け取れるのはお前しかいねぇからな。」
「はぁ…何なんだよ。」
俺は渋々了承し、キャッチャーポジションについた。
「締まっていこうぜ!」
「おー!!」
…こうして、俺らの学校の存続を掛けた闘いが始まった。