表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達の存在...  作者: りす君
44/58

friends43:チーム完成!

(何か…野球の話ばかりで済みません。)

高萩と藤浦が、クラスの男子に“チームに入らないか?”と呼び掛けたが、何と犀潟以外の全員が拒否したのだ。

「何故に?!何でやりたくねぇんだよ?」

「あの茉山さんだろ?ボロ負けになるだけだろ?」

「それに、その日は少し予定があるしな。」

「済まないな高萩、藤浦。」


翌日、俺と藤浦はクラスの男子に呼び掛けたが…何と、犀潟以外の男子全員に、参加しないと言われてしまったのだ!


「どうするんだよ…藤浦。」


藤浦は、悩んでいたがある良い考えを思いついたらしい。


「高萩、今直ぐにお前のツンツン頭の後輩を呼んできてくれ!」



















「ふんふん…成程です。解りました、俺は参加しますっ!」

「よく言ってくれた、零園!」


これで零園が入ってもらい、4人。しかし、まだ足りない。


「あと5人…どうにかならないか?」

「3人はどうにか出来るッスけど…。」

「残りの2人か…。」

「…そうだ!3年生の先輩に男が1人いたはず!」

「でかした、高萩!早速、行くぞ!」


















「済みません、岩原先輩いますか?」


3年生の教室は、2年生の教室に近いので直ぐに到着した。


「何だよ、誰だよ…お前ら。」


窓側の一番後ろに座っていた、明らかにネクラな長身の男が気付いた。


「御食事中、申し訳ないんですけど…岩原先輩に御願いがあって来ました。」

「嫌だね。」

(回答、早っ!)

「え…えっと、今度の5日に岩原先輩と一緒に野球をしたいなぁっと。」

「ふざけるな、却下。」


岩原は堅くなに、断り続ける。それを見かねたある女子の先輩が隣に座った。


「岩原、可愛い下級生がこんなに頼んでるんだよ?行ってあげても良いじゃん、ねっ?」

(ナイス、先輩。)

「御願いしますっ!ただ、外野でつっ立ってるだけで良いですから。」


その時、岩原の眉が動いた。


「…チッ、果南(かなん)が言うなら。」


俺と藤浦は、見合わせて笑顔になった。



















「さて…、これであと1人。藤浦、どうする?」

「うーん、もう学校には男子がいないからな。」

「…ねぇ、高萩君?」

「えっ?…うわっ!」


いきなり、後ろから声が聴こえてきた。俺は驚いて、尻餅をついた。


「何だよ…またかよ。」


俺の後ろにいたのは、両手の人差し指を絡ませてうつ向いていた潮見だった。


「藤浦、先行っててくれないか?」

「あ…あぁ。」


藤浦は先に教室へ戻って貰い、俺と潮見は保健室に行った。


(ガチャリ…)


どうやら、保健の先生はいないようだったので、そこら辺にあったパイプ椅子(いす)を借りて座った。

少しの沈黙の後、俺から話し始めた。


「で、何だよ。あの話は、無理だから…。」

「…違うの。」

「えっ?…じゃあ、何だよ?」


潮見は、また両手の人差し指を絡ませてうつ向いて言った。


「…あたし、入っても良いかな?」

「何に?」

「…野球のチームに。」

「はぁ?!」


俺は驚いて、声域が上がった。


「ちょい待て。麻衣は女子だぞ?普通に考えれば危ないだろ?」

「でも…。」

「気持ちはありがたいけど、麻衣は入れられな…。」

「でもっ!」


いきなり、潮見が叫んだ。


「なっ、何だよ…。」

「でもあたし、やりたいっ!高萩君と一緒に野球したい!役に立ちたいの!」


潮見は、精一杯の声で主張した。俺は、少し悩んだ。


「麻衣…体力は自信ある?」

「うーん…無いかな。」

「握力は何ある?」

「解らないけど…両手共、16無いと思う。」

「…キツいな。」

「そんなぁ…。」


潮見が、涙目になっている。俺は、慌てて言った。


「で、でも…自分からやるって言ってくれたのは、嬉しかったよ。麻衣、やるかい?」

「…うんっ!」


潮見は、持っていたミニタオルで涙を拭った。


「…ありがとう、高萩君。あたし…頑張る!」

「御礼を言うのは、こっちだよ。ホントありがとう。」

「うん。…ねぇ、高萩君?」

「ん、何だよ?」


俺が潮見の方へ身体を向けると、背伸びした潮見の顔が俺の顔に近寄ってきた。


「えっ?!うわっ!麻衣、何すんだ!!」





















メンバーが揃い、

俺達は3日と4日に全体練習をしたが、潮見は全然と言うほど、野球センスが無かった。零園が呼んだ3人もあまり上手くなかった。しかも、岩原に関しては2日間の練習に現れなかったのだ。




…そして、運命の試合当日の朝がやってきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ