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友達の存在...  作者: りす君
35/58

friends34:魔球撃破!

9回裏、2組チーム最終回の攻撃。

現在、フォアボールで榎故が出塁していた。

(9回裏 2組チームの最終回攻撃)




(果たして…福本の作戦を俺達が出来るのか?)


俺は、正直不安だった。この作戦が失敗したら、併殺(ゲッツー)や最悪の場合、三重殺(トリプルプレイ)になる。

今はラッキーな事に、先頭バッターの榎故がフォアボールで出塁していて、ノーアウト一塁の状態だ。


「1番…ショート、川端君。」

(川端…必ず塁に出ろよ。)


ベンチでは、早速福本が川端にサインを出した。川端は頷いた。


(ヒュン)

(コンッ)

「ファール!」


川端がしたのは、バント。しかし、残念ながら最初から決まらなかった。しかも、今のバントで相手チームに気付かれてしまった。


(…バントシフトかよ、マズいな。)


ファースト(一塁手)、サード(三塁手)が前進して、バント処理する気だ。これじゃ、1アウト確実だ。


「川端っ!無理すんな!」


しかし、俺の声を無視した川端はバントの構えを取っていた。


「やめろ川端っ!既に気付かれてる!普通に打て!」


(ヒュンッ!)

(コンッ!)


何と川端は、プッシュバントをしたのだ。守備の意表を突く攻撃に、俺達を含むこの場に居た全員が彼の行為に驚いた。


「セーフッ!セーフッ!」


判定はフェアで、川端は一塁にギリギリで到達した。


「ヨッシャー、ランナー出たぞ!繋げ高萩ぃ!」

「2番…ピッチャー、高萩君。」


俺は、ベンチから持ってきたバットを一回振って、バッターボックスに立った。


(まず、高速スライダーの球筋を見ないと…)


しかし、俺の思い通りに行かずこの後、相手の投手がカーブやチェンジアップなどを投げてきて、2ストライク、3ボールになった。


「くそ…繋げなきゃ…繋げるんだ!」


投手が振り被って、投げた。


(あの球筋…もしかして…ヨシッ!)


投げてきたのは、待ちに待った高速スライダーだった。


(カキーンッ!)


球はセンター前でバウンドし、センターに捕られた。これで満塁になった。


「3番…センター、藤浦君。」

「打て藤浦!ランナーを一人でも生還(かえ)すんだ!」


藤浦は、無言でバッターボックスに立った。そして、第一球目…


(シュンッ!)


球は、サイドで大きな弧を描き、藤浦を空振りさせた。


「ストラーイク!」

「よく見ろ藤浦!打てるぞ!」


第二球目…


「ストラーイク!」


藤浦は、明らかにボール球を振った。


「藤浦!クソヤロウ!テメェ、勝ちたくねぇのか!?」


ベンチで、魚谷と葎塔が藤浦に激を飛ばした。しかし、藤浦は全く表情を崩さなかった。

そして…第三球目。


(ヒュン!)


球は、ストレートの球速で藤浦の手元で曲がった。…だが、藤浦のバットは高速スライダー球を捕えた!


「…チッ!」

(カキーン!)


…打球は、凄いスピードで飛んでいき、ライナー気味に一直線でレフトスタンドに入った。


「ま…満塁…ホームラン?」


俺は、思わず声が漏れた…。その時、後ろから肩を叩かれた。


「おい、早く進めよ…ホームランだぜ。」


少し笑顔気味で立っていたのは、藤浦だった。


「…あぁ!」




俺は、我に帰り藤浦と一緒に生還した。これで6対7、あと1点差に追い込んだのだ!

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