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友達の存在...  作者: りす君
34/58

friends33:起死回生…

9回表、3組チームの攻撃。

高萩は、相手の上位打線を押さえる為に、未だに完成出来ない魔球を投げようとしていた…。

(9回表 3組チームの攻撃)




(ふぅ…何とか9回まで来れた。さて…どう投げて攻めようか…。)


俺は、福本の組み立てに注目していた。


「1番、ライト…藍矢君。」


俺は、福本を見た。しかし彼は、なかなかサインを出さない。


(福本どうした?サインを出せ!)


俺は、なかなかサインを出さない福本に、いらついていた。そしてようやく、福本がサインを出した。


(全部外せ。)


何と福本は、いきなり先頭バッターを敬遠しようとしているのだ。俺は当然、困惑した。


(おい、まだランナー(走者)も出してねぇぞ。しかも、先頭バッターを敬遠するなんて…)


俺は、首を横に振った。


(冗談じゃない、全力勝負だ。)


すると福本は、察してくれたのかアウトロー(外角低め)のストレートを要求してきた。


(よし、行くぜ。)


俺は、ミットを見据えながら振り被った。


(ヒュン)

(バシッ)

「ストライーク!」


文句なしのストライクだった。しかし、俺は相手のバッターの様子が変だと気付いた。


(何だ…まるで打つ気無しって感じだな…。なら、嫌でも打つ気にしてやる!)


既に勝ってる気になってる相手に、俺は気に食わなかった。


(福本…俺、アレ投げるぞ。)


俺は、福本にあるサインを送った。しかし、福本は首を振り、相変わらず外せだった。俺は到頭我慢出来なくなり、サインを無視しようと決意した。


(ビュン!)


俺の投げたボールは、ドリル回転してインコース低めでミットに収まった。


(バシッ!)

「ストライーク!」

「っ!!で、出来てる…。」


マグレだと思った。だが、それは正真正銘、魔球の完成だった…。


(ビュン!)

(バシッ!)

「ストライーク!バッターアウト!」


(決して…マグレじゃない)


この瞬間俺は確信した。

“フォーシームジャイロ”の完成だと。




(ビュン!)

(バシッ!)

「ストライーク!バッターアウト!3アウト、チェンジ!」

「なっ!?」

「はぁ…はぁ…はぁ…」


俺は、全力で永山を抑えてしまった。


「よくやった高萩!ナイスボール!」


福本達が駆けよって来てくれた。


「くっ…皆が頑張って守ってくれたから抑えられたんだよ。」

「よし、皆。後はサヨナラ逆転するだけだ。3組にパンチを喰らわせようぜ!」

「はぁ…無謀な。」


藤浦が、溜め息を吐いて言った。


「大体、たった一回の攻撃で5点差を(くつがえ)す事なんて…」

「出来るさ。」

「んな馬鹿な。」

「福本、何か根拠があんのか?」

「ある。」

「マジかよ?」

「マジ、大マジ。」

「じゃあ、その根拠を聴かせてくれ。」

「解った。んじゃ皆、俺の近くに来てくれ。小さな声で話すから。」


福本の一声で、皆は小さな()を作った。


「皆、集まったな。それじゃあこれから、勝利するための作戦を言い渡すから、よーく聴いておけよ。」


それから福本は、長々と作戦の説明をした。説明が終わると藤浦は、ブツブツと呟いていた。彼以外の皆は、互いに説明確認していた。


「んじゃ、作戦開始!」

「オッシャー!」




これから、2組の起死回生攻撃が始まるのだ…。

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