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友達の存在...  作者: りす君
24/58

friends23:旧友の死-俺は、彼に何もしてやれなかった…。-

榮波は自殺して亡くなり、彼が埋葬されてから数ヶ月経った。

佐伯は、彼の遺書に書かれた“意思”を伝える為、彼の旧友である高萩を呼び出した。

高萩は、榮波が自殺したなど到底思わなかった…

(佐伯か…懐かしい。そういや、中学卒業からお互い会ってないな。元気にしてんのかな?)


そう思いながら、俺は待ち合わせした喫茶店で呑気(のんき)に温かなミルクティーを(すす)っていた。


この後、自分の耳に残酷な通告が届くとも知らずに…




(高萩君…もう着いてるかな?)


私は、少し急ぎ足で待ち合わせ場所へ向かっていた。

榮波君が埋葬されて、私は彼のいない世界に苦悩した。でも…


どんなに落ち込んでも、もう榮波君は還ってこない。それが解ったから、私は前より強くなった気がした。


(榮波君、今からあなたの一番の親友に逢いに行くの…。あなたの遺書に書かれたあなたの重い意思…今、あの人へ伝えるから…)


私は、その思いを胸に抱きながら高萩君の待つ喫茶店のドアを開けた…。




「さ…佐伯かい?」


佐伯のあまりの変わり様に、俺は少し驚いた。


「ゴメンね…日曜にわざわざ呼び出ししてしまって。」


そう言って佐伯は軽く会釈してきた。


「いや…別に良いんだけど。佐伯、最後に会った時より随分と変わったな。」


彼女の瞳は、よどんでいてまるで今まで散々と(けが)れたモンを見てきた…そんな感じ。


「高萩君…話があるの。」

「あ、あぁどうぞ。」

彼女は少し戸惑っているのか口をモゴモゴさせていた。しかし…次の瞬間、彼女は口を開いた。


















「榮波君…覚えてる?」

「蔵瀬?当たり前だ。佐伯、俺を馬鹿にしてんのか?俺と蔵瀬は…」

「榮波君ね…去年の11月に…」

「ん?」




…愚か者の俺は、佐伯が何故虚ろな()でいるのかが、次に彼女が言うまで理解する事が出来なかった…



















「死んだの…」

「っ?!」

「…首を吊って自殺しちゃった。」

「う…嘘だろ…?」





































俺は、一瞬で暗黒の闇へ叩き落とされた…。

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