表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達の存在...  作者: りす君
19/58

friends18:彼の死…私の思い。(7)

ついに、佐伯達は晴れて高校生になった。佐伯は、榮波と一緒のクラスになり、とても嬉しくて心から幸せだった。

しかし…その幸せの終わりが佐伯のすぐ側に迫っていたのは、彼女自身もまだ知るはずが無かった…。

ついに、榮波君との高校生活が始まった。同じクラスになって、とても嬉しかった。でも…不安な事があった。



その前兆が見られたのは、入学してからだいぶ経った7月の頃だった…。




私は、いつものように登校して榮波君に声を掛けた。


「さ〜かな〜み君っ!」


しかし、彼は振り向いてくれなかった。聞こえなかったのかと思い、もう一度声を掛けた。


「榮波君っ!おはよぉ〜。」



それでも彼は振り向いてくれなかった。

(いつも挨拶したら、“おはよう、佐伯さん。”って返してくれるのに…どうしたのかなぁ。)

と思い、少し不安になった。


「あのさ…佐伯さん。」


榮波君が、突然口を開いた。


「な、何、榮波君?」


私が返事をすると、榮波君は振り返って私の顔をまじまじと見た。…その顔は、明らかにいつもの榮波君の顔では無かった。



















「…ウザい、死ねよ。」

「っ!!!」





















榮波君の口から出た衝撃の言葉に、私は大きなショックを受けてしまい…苦しくて泣き出しそうになった…。






















彼が言った言葉は、私を心から苦しめた。精神はボロボロになり、学校へ行きたくなくなった。


翌日から、私は時々学校を休むようになった。

学校を休んだ日は、1日中鍵を閉めて部屋に閉じ籠り、まるでナマケモノのように何もせずにただ、ジッとしていた。時々、目から雫が頬を伝って下へ溢れ落ちてゆく…。


「あぁ…あぁ…」


私は、苦しくて言葉が出なくなっていた。

ママは私を心配し続けて、かなり疲れていた。




結局、1学期の終業式の日も登校しなかった私は、夏休み中でも外出はしたくなかった。そんな8月のある日の事。


私は、いつものように何も考えずただジッとしていた。その時、私の携帯のランプが光った。また友達の誘いかと思ったが一応、携帯を取って見た。




“着信:榮波蔵瀬”




「え…」




突然、榮波君から電話が掛ってきたのだった…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ