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友達の存在...  作者: りす君
18/58

friends17:彼の死…私の思い。(6)

時は過ぎ、佐伯達は中3になり、受験生になった。

しかし、佐伯は大好きな榮波の事ばかり考えてしまい、勉強どころではなくなっていた…。

…あれから月日が経ち、私らは受験生になった。目標の高校に合格するため、日夜勤勉していた。


(はぁ…辛いなぁ。また、榮波君とデートしたいな!)


そんな事ばかり考えている私。当然、私の学力は大幅に低下していった。




榮波君とは、あのデートの翌日から良く喋るようになった。でも、榮波君は私と話しているとき、たまに悲しそうな顔をしていた…。


(榮波君…私の事をどう思ってんのかなぁ。)


いつの間にか不安になっていた私。より一層、受験勉強に身が入らなくなっていった…。




そろそろ本格的に、受験する高校を選ばなければならなくなったある日、私は榮波君に話し掛けた。アレを聞くために…


窓際でボンヤリと外の景色を眺めている榮波君。私は、勇気を出して聞いてみた。


「ねぇ、榮波君。」


彼が、私の声に気がつき振り向く。


「ん、何?佐伯さん。」


「榮波君はさ…何処の高校を受けるの?」


そう…私は榮波君と一緒の高校に行きたかった。レベルが低くても彼と一緒ならそれで良いの!…それほど彼の事が大好きで、心から愛していた。


「まだ具体的には決まってないけど…公立に行く予定。」


「そうなんだぁ…。」


彼の目指すのは公立高校。一緒に行けたらどれだけ嬉しくて毎日が楽しくなるのか…そればかり考える毎日。私は、早く彼が行く高校が知りたかった。



やがて、彼は公立の木原高校を選択した。偏差値はちょうど平均だった。私も、目標校を木原高校にした。


それから私は、落ちた成績を元に戻そうと必死に勉強した。全ては榮波君と一緒の高校に合格するため…




そして、公立一般試験当日が訪れた…。

私は、持てる力を全てこのテストに注ぎ込むつもりだ。

榮波君は、もう受験会場に行ったらしく私もそこへ向かった。


「それでは…始めて下さい!」


この声に伴い、私と榮波君を含む受験生達は、テストという名の聖戦へ向かっていった…。



















合格発表当日。私は、榮波君と一緒に見に行く事となっていた。

私の胸のドキドキは最高潮だった。半分は、私と榮波君が合格してるか、という不安からのドキドキ。もう一つは…


「…佐伯さん?」


「えっ?な、何、榮波君。」


「一緒に合格してれば良いね。」


…私の側にいる彼の自然な笑顔。私をドキドキさせるもう一つの原因。


「えぇーと、3214…3214っと…あ、あった!!」


合格掲示板には彼の受験番号があった。


「おめでとう!!あぁ…私の番号、あるかなぁ。」


次は、私の番。私は自分の受験番号を探した。


「3284…3284…あっ!」


私の番号は、掲示板にくっきりと書かれてあった…。




「あったぁ!やったわ、榮波くーん!!」



私は、無意識に彼に抱きついていた。


「さ、佐伯さん…やめようよ、周りが見てるから恥ずかしい。」


「えっ?!…あ、あぁ…ゴメン!!」


私は、恥ずかしさでカーッと顔が熱く感じた。榮波君も、顔が赤くなっていた…。


「合格…おめでとう!」


「うん、ありがと!…これからも、私達はずっと一緒だよっ!」


「ああ!」




私と榮波君は、自然に抱き合った…






















そして卒業式も終わり、4月になった。


「那奈ぁ、遅刻するわよ!」

「はぁい!」


今日から私は高校生。しかも、榮波君と一緒の高校だと思うと凄く幸せだった。




…1年後、この“幸せ”が簡単に(もろ)く崩れるなんて…今の私は思う(はず)が無かった。思いたくなかった…。

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