friends11:次の展開…
高萩が潮見家で朝を迎えた所から始まる。
[2月15日/日曜/天気/晴]
朝の陽射しで、俺は目が覚めた。 隣を見ると、潮見がまだ寝息を立てていた。 潮見を起こさないように、俺はベッドから起きて寝室を抜け出した。
居間で荷造りをしていると、潮見が目を擦りながら起きてきた。
高萩:
「おはよう、麻衣。」
潮見:
「おはよう、高萩君。 よく眠れた?」
高萩:
「あぁ。 昨日は、本当に助かったよ。 泊めて頂けてさ。」
潮見:
「そんな…、気にしなくていいよぉ。しょうがなかったんだし…。」
潮見は少し照れていた。 何で照れているのかは、一切解らないが。
高萩:
「んじゃ、荷造り終わったから帰るよ。」
そう言って俺が立ち上がった時、潮見は朝食をご馳走すると言った。 俺は遠慮したが、潮見はキッチンで勝手に作り出してしまったので仕方なくテーブルに座った。
数分後、俺の前に豪華な朝食が現れた。 トーストとバターにケチャップの掛ったスクランブルエッグ、サラダに牛乳と、まさにホテルの朝食だった。 金を徴収されても良いぐらいだ。
潮見:
「さっ、食べようよ!」
高萩:
「じゃあ、いただきます。」
俺は、恐る恐る口に運んだ。 それと同時に、幸福な瞬間が訪れた。
高萩:
「う、美味い!」
潮見:
「そぉ? 作り甲斐があったわ。」
高萩:
「ありがとう。 こんなにも、もてなしてくれて…。」
俺は、潮見に感謝した。潮見は微笑んでいた。
潮見:
「いえいえ、どういたしまして。 あたしの方こそ、昨日は本当にありがとう…。」
それから、俺は潮見と少し雑談して潮見家を跡にした。
高萩の心の声:
「あぁ…、楽しかったな。」
帰り道、俺は染々と感じていた。
高萩の心の声:
「まさか、こんな展開になるとは思わなかったしな。しかし…。」
昨日の事だ…。 俺は、本当に彼女にとって必要な存在なのかと思う。 潮見の気持ちを無視して勝手に、相談役になる事にしたような感じがしてならなかった。 そうだとしたら、潮見には申し訳ないと思う…。
その時、ポケットに入っていた携帯が振るえていた。俺は、携帯を取り出した。
???
『今、会えない? 話したい事があるんだけど…。』
送り主は中学の時の仮ダチである、佐伯 那奈だった。