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友達の存在...  作者: りす君
10/58

friends9:心のこもった贈り物

潮見への誕生日プレゼントで悩む高萩に、千駄木が突如現れて…

高萩の心の声:

「さて、困ったよ…。 潮見が貰って嬉しいモンって、一体何だろうか。」


俺は潮見へ誕生日プレゼントの事で悩んでいた。


高萩の心の声:

「何をあげたら良いか、見当もつかない。 ホント、どうしようか…。」

???:

「あれぇ? どうしたの? そんな顔して。」

高萩:

「うわっ! 何だ、千駄木か。 びっくりさせんなよ。」

千駄木:

「フフッ。」


俺の近くにいる事に気付かなかったが、いつの間にか千駄木が横にいた。


千駄木:

「何か考え事?」

高萩:

「いや…今度さ、ある奴の誕生日会があってさ、何を買っていいか解らないんだ。」


すると、いきなり千駄木が顔を近付けてきた。


高萩:

「うわっ! なっ、何だよ?」

千駄木:

「フムフム…。 さては、女の子だね? 当たりでしょ? でしょ?」


簡単に見破られるとは俺も成長してないな。


千駄木:

「女の子なら、手作りのモノをあげたら(よろこ)ぶと思うよ。」

高萩:

「手作りか…、俺には無理だな。 手先が不器用だし。」

千駄木:

「そう? じゃあ…、グロスとか。」

高萩:

「千駄木。」

千駄木:

「ん、なぁに?」

高萩:

「あ、ありがとな。」


俺は、照れながら千駄木へ御礼を言った。


千駄木:

「いいんだよ、私がお節介をやいてるから。高萩クンから、御礼を言わなくていいんだよ!」

高萩:

「そうかい?」

千駄木:

「うん!」


そう言って千駄木は、俺にとびっきりの笑顔を見せてくれた。


千駄木:

「…で、そのコってカワイイの?」

高萩:

「えっ?!」


突然の千駄木の言葉に、俺は驚いた。


高萩:

「たっ、多分…第三者から見たら可愛いと思うよ。」

千駄木:

「へぇ…。」


千駄木は、したり顔をしながら頷いていた。 そして、衝撃の一言を言った。


千駄木:

「ふーん、じゃあ…高萩君。 そのコと付き合いたいと思ってる?」

高萩:

「なっ?!」

千駄木:

「だって、カワイイ人なんでしょ? どうして、付き合いたいと思わないの?」

高萩:

「そ、それは…。」


俺は、言葉に詰まった。


高萩:

「俺さ…、恋愛って正直興味無いんだ。 ソイツに恋愛感情なんて持ってないよ。 それに、今は人を真っ向から好きになる事が出来ないんだよ。」


俺の言った事に、千駄木は目を(まばた)きながら、


千駄木:

「えっ? 何それ? じゃあ…、高萩クンってゲイなの?!」

高萩:

「…はぁ?! 何で、そちらの方の考えに持っていくかな、君は!」

千駄木:

「だってさぁ、そうならない? 高萩君は、異性に恋をする事が出来ないんでしょ? 同性愛者って事でしょ? 違う?」


そう言って千駄木は責め寄ってきたので、俺は少したじろぎながら答えた。


高萩:

「俺が同性愛者なら、恋愛感情があるはずだし。てか、同性愛者じゃないし!」

千駄木:

「あっ、そうかぁ! その通りだよね、ごめんなさい…。」

高萩:

「ったく…。」


俺がそう言うと、千駄木はニコリと微笑んだ。


千駄木:

「じゃあ、また後でね!」


そう言って、千駄木は僕の席から立ち去った。 俺と千駄木の様子を後ろで、成がずっと見ていたのは気がつかなかったが。


高萩:

「はぁ…、どうしようか。」


俺は、ますます悩んでしまった。そこに鶴の一声のように、近くにいた蒲原のいる女子グループの話が聞こえてきた。


蒲原:

「心のこもった手紙って良くない?」

高萩の心の声:

「手紙…、それだっ!」


俺は、潮見へお祝いの手紙を書く事にした。


高萩の心の声:

「潮見へ手紙って、一体何を書けば…。」


悩む。 取りあえず、一言だけ綴る。


『誕生日おめでとう、潮見。』


我ながら、ベタすぎる恥ずかしい書き出し文に、思わず噴き出した。本当に、こんなので悦ぶのか?

不安が益々募る、潮見の誕生日2日前の午後。

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