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戦闘によって身体が骨化する病を患ったので、できるだけ戦わないで勝ちます  作者: 紡雪


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20/21

第20話 逃げない心

「頼むハヤテ!」


洞窟が崩壊するまで残り10秒


(理由は分からないけど、骸さんには何か崩壊を止める方法があるんだ。だったら……)


ハヤテは頷き、骸の手を掴んで走り出す。


それに反応して、鉱川は反応して、鉱石を飛ばすが、走り出したハヤテは猛スピードで当たるわけが無い。


「ちっ、今更何を?」


崩壊寸前の天井を見て鉱川は疑問に思う。


「あんたは逃げなくていいのか?」


ナノオシが聞くと、はっと笑う。


「私は洞窟が崩壊しようと自分を守れますから。」


そう言って、ナノオシに鉱石を飛ばしながら、自分の周りに世界一硬い鉱石、ダイヤモンドを生成し始める。


ナノオシは必死に鉱石を弾いて、芽衣を守っている。



先程、数十分かけて歩いてきた道を通って洞窟の中心に向かっていた。

スピードはとてつもなく早い────だが、洞窟は狭く、くねくねとした道が続くので、ハヤテは全速力は出せなかった。


崩壊まであと、3秒.....


骸は心の中でそう呟く。


あと、2秒.....


「骸さん、もうすぐ着きます!」


この洞窟はまるで”生きた洞窟”のよう。そういう噂だった。


だけど、洞窟の中心に来た時、感じた視線と、違和感。


あと、1秒.....


この洞窟は本当に生きてるんだろう。

骸はそう考える。


それなら─────


骸とハヤテは洞窟の中心に戻ってくる。


この考えがあっているなら──


そして骸は心の中で静かにこう呟く。


止まれ...



偶然にもこの中心は、最高の間合いだった。



「...?洞窟の揺れが止まった?」


目を閉じていたハヤテは微かに目を開けて、言った。



ダイヤモンドに囲まれた鉱川は不快な顔をする。


崩壊の音が聞こえない。むしろ、さっきよりも静かだったから。


(まさか本当に崩壊を止めたということですか.....?)


ダイヤモンドの囲いをそのまま大剣にする。


そして、倒れている芽衣を"殺すために"そのダイヤモンドの大剣を投げる。


投げた直後ふふっと笑う。


(彼が帰ってくる前に皆殺しといきましょう。)


(上手くいったんだな、骸!!)


その直後、ナノオシは「なっ...」と声をあげる。


飛んでくる鉱石が飛んでくる中、紛れているつもりだろうか?明らかにやばいのが飛んでくる。それは芽衣に向かっていた。


大剣だ。まだ血に染まっていなく、とても輝いているダイヤモンドできた大剣。


それをナノオシは剣で受け止めるために、飛んできた大剣に合わせて、上から自分の剣を振り下ろすことで、地面に叩き落とそうとした。


見事、大剣と剣はぶつかり合うが────

ナノオシは(このままじゃ剣が折れる!)そう考えた。


けど、避けたら芽衣に当たってしまう。


そして、目の前には古代の剣を持って向かってくる鉱川と無数の鉱石。


ナノオシが鉱石が目の前まで飛んできて、受け切る覚悟をする。


「キュ!!」


隠れていたコツメが、口で剣を振り、鉱石を切り落とす。


「コツメ!なんで出てきた!!!」


(なんですか?あのカワウソは?)


鉱川の目線が、ナノオシとコツメに集中する。


ダイヤモンドの大剣を受けているナノオシの手が震える。目の前に迫る鉱川。


鉱川は間合いに入って、ナノオシを古代の大剣で斬ろうと大剣を大きく振る。

その大剣が来るとわかっていても、避けられないナノオシは目を瞑る。


コツメもナノオシと芽衣にぶつかりそうな鉱石を斬るので精一杯。


鉱川はニヤリと笑う。


(これで、一人と一匹.....)


洞窟の崩壊を止めたからなんだというのですか?目の前の奴とカワウソはこれで終わり、もう一人は動けないし、すぐに殺せる。


そして、絶望して心が壊れた彼を殺せば勝ち。

結局は私の勝ちなんですよ──────



"私"はこの瞬間をずっと待っていた。


「朝凪一閃.....」


私はもう動けないと相手が考えた時、それは大きな隙となる。

芽衣は、鉱川の持つ古代の大剣を目掛けて、剣術を放つ。


「ガッ...!?」


短い声とともに、鉱川は洞窟の壁に吹き飛ばされる。


そして鉱川は、完全に油断したため、受け身を取れずに頭をぶつけ、朦朧としていた。


(彼女はまだ、動けたのですか?それに───なんですか?この威力は!?)



ナノオシが止めていたダイヤモンドの大剣と、飛んできていた鉱石は消え、ナノオシは安堵する。そして芽衣の方をむくと、


「はぁ、はぁ、」


芽衣は剣を地面に刺して、その剣に寄りかかっていた。


(出し惜しみはしなかった。だから、威力重視の朝凪一閃だったはず...)


相手が強敵なほど、芽衣は相手は死なないだろうと、無意識にかけるリミッターがなくなる。

それゆえに、前に戦った紫雨の時よりも、朝凪一閃の威力は上がっていた。


(お願い...もう立ち上がらないで.....)


ナノオシが芽衣の方に歩き始めた時、ボコっ!!と岩の弾ける音がした。


そちらを見ると、鉱川が、洞窟の出口に向かって、猛スピードで進んでいた。


「逃げたか.....」


ナノオシが呟くと


「でも、いいじゃない。誰も.....死ななかった...んだか.....ら.....」


そのまま芽衣は意識を失って倒れる。


「芽衣!!」


ナノオシがよく見ると、腹からは血がかなり流れていた。


「出血多量か?」


「ナノさん!!!」


そこで、骸とハヤテが急いで戻ってくる。


「ごめん、崩壊を止めるのを、維持するのために時間がかかちゃって.....夜冠は?」


あのまますぐに離れても、洞窟の崩壊が再び始まってしまう。それ故に、骸は洞窟を穏やかに...要はあやしていた。


「芽衣の一撃で、撤退して行ったんだが、芽衣の出血がかなりまずい。」


その言葉で、ハヤテがすぐに、治療に取り掛かる。


(こんなにもなって、どうして、あの時治療を拒んだんだろう?)


不思議に思いながら、出血を止めるべく作業をする。

そして、芽衣の表情が少し和らぐ。


その時、洞窟内にまた知らない声が響き渡る。


「全くどうなってるんだい?洞窟がおかしいと聞いて来てみれば、普通じゃないか!」


その声の主は、少し年老いた女性で、防衛軍の服を着ていた。そして、骸たちを見た途端...


「って、一体どうしたんだい!?」


「あれ?聞いてないんですか?」


ハヤテが疑問に思う。


「というか、あなたは治安維持部隊の方ですよね?僕が通信機で伝えたのは、医療部隊と、攻撃特化型部隊なんですけど.....」


「いつの間に?」


骸が驚くと


「骸さんが、洞窟の崩壊を止めている間に、通信しといたんです。」


「なんだ、そういう事か、あたしは近くの冒険者から、洞窟の様子がおかしいと、報告があって急遽偵察に来たんだ。」

「君たちが呼んだ部隊は時期に来るんじゃないかい?」


「...っと、噂をすれば.....」


数人の援軍が来て、骸たちは安心する。

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― 新着の感想 ―
難病を抱えながらも、剣を使わないで戦う剣士として前を向いて進もうとする主人公・骸の姿がとても印象的でした。 ノクスレインとの戦いは苛烈で臨場感にあふれ、骸の凄みがしっかりと伝わってきました。 面白かっ…
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