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戦闘によって身体が骨化する病を患ったので、できるだけ戦わないで勝ちます  作者: 紡雪


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第18話 全滅

骸たちが数十分程、洞窟を進むと、今までと比べて鉱石が多く、一際広い空間に出た。


そこで、骸は違和感を感じた。


(なんだ?)


まるで誰かに見られているような感覚だった。


(まさか本当に...この洞窟は生き物だったりするのか?)


そんな冗談を考えながら、洞窟を見渡すとそこには、ハヤテとコツメがいた。


「やっと、追いついた〜」


芽衣はそう言いながら、背を伸ばす。

その声にハヤテは気づき、


「すいません...テンパってしまって...」


と謝る。


「コツメさんも...すいません...」


地面に寝そべっているコツメを見て、よっぽど早かったのだろうと骸は思う。


「...それはそうと、この空間はなんなの?」


という芽衣の質問にハヤテは答える。


「いろんな種類の鉱石が生成されていて...なんと!目的の鉱石も見つけたんですよ!!」


「でも、とても固くて...ナノオシさん手伝ってください。」


よぉうしと言わんばかりに、ナノオシは腕をまくり、ハヤテからピッケルを貰う。


そして、鉱石を掘り出した。


さっきも思ったが、いや、それとは別なのか?やはり何か嫌な予感がする。


「その鉱石を必要分取ったらすぐに帰ろう。────出来れば、来た道と違う道で...」


骸はそういった。


私には分からないけど、骸がそういうのならきっと良くないことが起こるのだろう。

芽衣はそう考えて、「急ごう」と言った。


「...?わかりました。」


鉱石をバッグに詰めたハヤテは、来た道とは違う、ある空洞を指さす。


「あちらから風が感じます。おそらく出口です。」


鉱石を取って、すぐに出口を目指した。

来た時とは一変、帰りは暗く、重い雰囲気が漂っていた。



────さらに数十分程歩いた頃だろうか?

嫌な予感が骸の脳内を押しつぶす。


骸は、はぁ〜とため息をつく。


「そろそろ出口ですよ〜」


そう嬉しそうに言うハヤテに骸は


「そうか、ならハヤテは今から出口に向けて”全力で走れ”」


ハヤテの速さなら、まだ間に合う。


「どうしてですか?」


ハヤテが疑問を投げた次の瞬間────辺りに殺気が漂う。


「...遅かった」


ナノオシはコツメをハヤテに預けて、剣を構えて、前に出る。


目の前にはフードを被った人物がいる。

そのフードには、”月の模様”があった。


────最悪だ。

月の模様のフードということは、夜冠ということ。こんな閉所で、しかも衝撃を与えてはいけないため、攻撃をしずらい。


その人物は口を開く。


「あなたのせいで、夜冠の威厳が落ちました。」


その声は、若い女性の声だった。


「苛立っているので、出来れば今すぐ死んで欲しいですが...少し話し合いましょう。」


「何を?」


骸が聞き返すと、夜冠はフードで見えないが、不敵な笑みを浮かべたように感じる。

そしてこう答えた。


「紫雨のやつはどうやって死んだのかしら?」


「紫雨?」


初めて聞く名前だった。それゆえに思わず、聞く。


「名乗らなかったの?あなたたちが殺した夜冠の名前よ。」


「それで、彼女はどうやって死んだの?苦しんでた?泣いてた?」


あはは、と笑う。


「趣味が悪いな...」

「私もナノさんに賛成!」


ナノオシが言うと、芽衣も共感する。


「別に私に共感して欲しい訳じゃないの...ただ、気になって最近よく寝れなくて...」


彼女はイカれてる────


「答えてくれないのなら、これで話は終わり。」


すると、急に圧が強くなり、


「冥土の土産に教えてあげる。私の名前は...”鉱川(こうがわ)紅音(あかね)”よ。」


「よろしくね!!」


次の瞬間──大剣が目の前に飛んでくる。

それを骸は、顔を右に逸らして危機一髪、スレスレで避ける。


「待て!それ以上洞窟に衝撃を与えると、崩壊するぞ!」


「それは、それであなたたちを一掃できるからいいわね!」


大剣が洞窟の壁に刺さって、壁がえぐれる。それを見て骸はそう言うが、鉱川は聞かない。


力を抑えて...そう意識しながら、芽衣は剣を抜いて、鉱川に向かう。


「武器を投げたのは判断ミスね!」


鉱川はその芽衣のすっ...と避けて、フードの中から、もう一本の大剣を出して、芽衣の腹を狙う。


「判断ミスはどっちかな?」


(しまった...)そう感じて、芽衣は歯を食いしばる。けれど、すぐに笑って舌をべーと出す。


「...なんてね」


ナノオシが芽衣の後ろから現れて、大剣を剣で地面に打ち落とす。


そのまま間髪入れずに、芽衣は剣で鉱川を狙う。


「朝凪一閃...」


芽衣の剣技に対して、鉱川はため息をつく。


「うそ...だろ?」


ナノオシは思わず驚きの声を出してしまう。

なぜなら、鉱川は、素手で芽衣のあの素早い剣技を制圧したからだ。

芽衣は宙を舞い、地面に叩きつけられる。


「がっ」


「悪いですけど、古代の剣を使うまでもないですね。」


「ああ、使わないでくれ。」


骸はそう言って、鉱川の前に立つ。


「弱いまま、ゲームセットの方がこちらも楽なんでな」


鉱川は異変に気づく。


(...動けない?)


二人が時間稼ぎをしてくれたお陰で、完璧な間合いに入れた。これで、相手はそうそう動けない。


「めんどくさいですね。いっそ、この洞窟を崩壊させますか。」


(完璧な間合いだと、普通は動けないだがな?)


少なくても完璧な間合いでなくても、前の夜冠は余裕がなくなり、自らの足を犠牲にした。なのに、こいつは────やばい。


「”オレト”」


鉱川がそう言った直後、鉱川の足元から見たことも無い鉱石が出てくる。


(まずい...高さが変わることで、間合いが!!!)


動けるようになった鉱川にナノオシは、剣を向けるが、気づけば、橙色のオーラを纏った大剣を持っている、鉱川に一瞬で斬られてしまう。


「ガハッ!!!」


「致命傷は避けましたか...やりますね。」


「ナノさん!!」


叫ぶ芽衣に鉱川は近づく。



そこで、骸は作戦を放り投げて、本気を出す―――


と言っても、鉱川の前に立ちはだかるだけ。



「また止めるだけですか?飛べば意味ないですよ?」


「私の与えられた古代の剣は、太古代の剣。その力の真髄を”少しだけ”見せてあげましょう。」


(やっぱり古代の剣だったか...)


その剣は前の古代の剣と違って、大剣だった。


鉱川は高く飛び上がり、骸に迎え打つ。


その鉱川の動きを完全に読んで、骸は直前で身体を斜めに逸らす。


そして、鉱川の剣を避け、鉱川の力を利用して、地面に叩きつける。


「カハッ」


地面に叩きつけられても、鉱川は笑っていた。

(不思議です...こんなに相手が強いと、古代の剣の力をさらに解放したくなる。)



「骸...すごい。」


芽衣は思わず呟く。

骸自体はなんの力も入れてないので、骨化には何の関係もない。


前回は、旅に出て初めての実践だったため、戦闘自体に慣れていなかった。焦っていた。


だが今は違う。


すぐさまは寝起きで立ち上がった鉱川は再び、骸に対して剣を振る。


「正々堂々と剣を使って戦いましょう?お互いの首が落ちるまで...」


「何度やっても無駄だ...」


その言葉の裏腹では、骸はこう考えていた。俺に決定打はない...地味だが、このまま相手の体力切れを待つしかない。


だが──────

鉱川は骸に向かうふりをして、芽衣に向かう。


(!?)


「やめろ!!」


骸は殺気と間合いの力を鉱川へと集中させる。それに鉱川は怯む。

そして、鉱川はニヤリと笑う。


「その妙な力には、さらに上があるんですね?」


足を動かそうとしても動かせない。


「すごい...今度は本当に動けないですね。」


はぁはぁ...と、骸が苦しんでいる中、関心してくる鉱川。


「ただ、戦闘中に考え事は行けませんよ。だから、”守りきれないん”ですよ?」


その言葉を聞いて、骸は芽衣の方に目を向ける。


芽衣は倒れていて、足と腹から出血していた。


「芽衣!!」


「さて、動けないなら、この洞窟を───」


「崩壊させましょう...」


すると、近くの鉱石が爆発し始め、爆発は連鎖する。


「君が、洞窟が崩壊する前に...仲間を出口まで運ばないと、”全滅”ですね。」


今まではギリギリだが、静かに戦っていたから、洞窟は崩壊しなかった。

けれど...この爆発は......



「なんで...こんなことに......」


「キュ〜!」


逃げる気力も無くなるぐらいに絶望していたハヤテは光を無くした目で爆発する光景を見て、そう呟いた。

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