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母にも性欲はある

子育てが落ち着いてきたころの母親に性欲があると聞くと、世間はドン引きするだろうか。

女性に性欲があると言うと、世の男たちはドン引きするだろうか。きっとこれを聞いて青ざめたり、軽蔑したりするのでしょうが、残念ながらあるのだよ、女性に性欲というものが。しかも、それって、男性のそれとほとんど変わらない。どんびきだ。ただ、男性は視覚刺激に興奮することが多いと言うが、女性は雰囲気とかムードとかそういうのからはいるのが違う。性欲が高まっているときには、好みのタイプであれば初対面の男にすらムラムラすることがあるので、世の男性陣は本当に気を付けたほうがいい。けど、やっぱり、奥さんをほったらかしにしておいて、安心していたら、本当にやばいことになるかもよ。しかし、これは世の中の、女性とはこうあってほしい、こうあるべきだという倫理観と大きくかけ離れたものなのだ。客観的に考えたら考えるほど男にとって都合の良い社会的倫理観。自分の女は自分にだけエロティックであってほしい、よその男へエロさを発揮するのは許せない。しかし、自分はいろんな女性に発情するのが当たり前だと平然と言ってのける。これってかなりズルくないか? 


 ある日の夜、わたしはインターネットに、非常に興味深い統計が載っているのをみつけた。40代、50代の夫婦のうち、セックスをしているのは何割か。週に何回するか。そういう内容だ。驚くことに、40代、50代の夫婦で、セックスレスではない、要するにいまでもセックスをしているのは31.9%だそうだ。そして、50代の場合、年に15回くらいが平均で、40代は週に1回くらいらしい。わたしもこの統計通り、週に1回、夫とセックスをすることができれば、体も心も満たされるのだろう。子どもが産まれてもう、子作りの予定はなくても、これだけの夫婦に夜の営みがあるのだ。愛しているという気持ちは、言葉だけであらわせばいいというものではない。体でもそれを伝え合うことができたら、そのほうが良いに決まっている。そして、興味深いことに、実に43.8%の夫婦がセックスレスだと回答していて、セックスレスではないが、ほぼそうだと言える状態にあるのは23.4%だそうだ。中には、妻が夫に裸を見せている状態で夫が自慰行為を行うカップルや、妻が手や口でしてあげているカップルもいることだろう。そして、いちばん重要な夫婦仲の問題は、セックスレスでない夫婦のほうが、セックスレスの夫婦よりもよい。実に76%ほどのセックスレスでない夫婦の夫婦仲がよいという結果だったのだそうだ。わたしの夫婦再生に、セックスの再開というのは不可欠になってくるのはもはや考えるまでもない。


 アプリを使って性欲を解消しようとしなかった理由はきちんとある。アナログ人間のわたしは、20代の時も、そして今も、メールだのアプリだのは信用できないと思ってしまう。電話のやり取りは通信の秘密として公にされることなく守られるという法律がある。しかしメールやアプリでのメッセージは、その言葉の裏の感情が非常にわかりづらい上に、やりとりが残ってしまうのがどうしても受け付けない。本来わたしはそういう考えの人だったはずだった。なのに、たったの一度だけその禁を犯して男性と出会ってしまったことがあった。夫と出会う数年前の話だ。メールでは「君が好き」「君が好き」と何度もはっきりと気持ちを伝えてくれた人だった。しかし、待ち合わせ場所の交差点で出会った時からすでに多大なる違和感を感じていた。自分が持つ相手のイメージと実際の相手が違っていた。メールではこちらを思いやるようなメッセージをたくさんくれたはずなのに、実際に会ってみると、はじめからセックスの話しかしなかったし、やりたいとかやれるかとかそんな事ばかり言ってきて、本当に気持ち悪かった。性格も最悪で、誰かを見下す発言がやたらと目立ったし、何かにつけ「君はまだお客さんだから」と言った。お客さんじゃなくなったら、態度を変えると言うことなのだろう。そういう男は過去にも出会ったことがある。たぶん、お客さんでなくなった段階で、わたしのことも同じように見下す対象にしかならないのだろう。モラハラ臭がプンプンした。せっかく遠くから電車を乗り継いでやってきたのに、こいついったいなんなんだと思った。実際に出会った所から、やりとりのスタートが始まれば絶対に好きにはならなかった。そうすれば何も傷つかなくてもよかったのだろう。なのに、会う前にいっぱいもらった思いやりにあふれた数々のメールのせいで、心の中には既に恋心のようなものが芽生えていた。愛に飢えていたわたしは本当に愚かだった。それを思うと苦しかった。が、相手に覚えた違和感が大きかったので、わたしは相手に「もう会うことはない」と告げた。ほんとうはつらかった。家に帰ってからもメールを読み返すと心臓がどきどきした。涙さえあふれた。しかし、メールでは悲しいかな人格を偽ることなどたやすいのだ。そんな経験を一度でもしてしまうと、メールに対する不信感は以前より増してしまう。


 性欲は満たされたい。でも、やったあとにすぐどこかに行ってしまうような男とはごめんだ。いくらわたしが年増だといえ、終わった後は死ぬほどやさしくされたい。セフレを作るっていうのも手なのかもしれないが、やっぱりそれでは満たされない。結局のところ、本当に満たされたいのは体ではなく心なのだ。それに不倫がばれた時のリスクの事を思えば、はじめから夫以外の男に求めることは辞めたほうがいい。ただ、10年以上も触れたことのない夫に、今では目を合わせることもない夫に、今更どうやって体や心を満たしてほしいと頼めばいいのだろうか。出産後、夫よりも子どもをあまりにも優先しすぎた。しかし、子どもを優先するのは当たり前のことで、わたしが責められることではない。子どものためのものと思っていた自分のおっぱいに夫が触れることをわたしはあまりにも拒絶してきた。育児にだけ集中しすぎ、うまくいかないとイライラを募らせ、そして同居の義両親とうまくいかないと、夫の事まで呪った。育児中のわたしはいつもぎすぎすしていて色気なんてゼロだったと思う。出産直前まで正社員で働いていたのに、突然働くことすらかなわなくなり、収入は激減した。そして、化粧品も洋服も新しいものを購入することが厳しくなり、気づけば何年も同じ服を季節ごとにローテーションして着ていた。


みなさんにとっては衝撃的な話でしょうが、40代、50代の女性は、性欲が高くなっていくことがあります。この時に、自分の本能を否定したり抑え込みすぎたりするのはよくないですが、逆に、手っ取り早く満たしたいからといって、アプリなどをつかって不特定多数の男性と関係を持つと、あとあと傷を負うことになります。男性に選ばれて成り行きでというのではなく、自分で選ぶってことが大事だと言われていますが。

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