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Episode9 斎藤雅久議員
午前8時00分。気温は上がらず、空には、
鉛色の雲が覆っていた。
「天気予報では雪がふるらしいな」
と、小隊長が言う。オレたちの小隊は、
国会議事堂の包囲に戻っていた。
「どうりで寒いはずですね」
オレの吐く息も白くなっている。
その包囲の後方に、黒塗りの公用車が停車して、
国会議員の斎藤雅久が降りてきた。
「皆さん、ご苦労さまです」
と、斎藤議員は、包囲部隊に声をかける。
「あっ、お久しぶりです」
小隊長は敬礼した。
斎藤議員は陸軍出身の政治家であり、
小隊長とも面識があるのだろう。
「私を国会議事堂に入れてくれ」
「では、自分が護衛を致します」
「いや、一人で行った方が良い」
そう言った後、斎藤議員は言葉を続ける。
「首謀者の大尉は、以前、私の部隊の部下だった」
こうして斎藤議員は包囲の内側に歩みを進めて、
一人で国会議事堂へと向う。




