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夢硝子話

夢見に君がいた


夢を見た

そこにいない筈の彼女が花を編んで

その隣で私がコーヒーを片手に仕事をしていた



彼女の少し音の外れた鼻歌が好きだった

一つ編めば「できた!」って私に見せて

私はそれを「かわいいじゃん」と返すだけ



もっとほかの返しがあっただろうよ

可愛くねぇな、ほんとにさ

こんな夢を見るのは1年ぶりで

それは記念日だったりする



あの子の誕生日で

私が一番幸せな日だ




「はぴば」




夢の中くらい言ってもいいだろうか

どうせ答えは返ってこない


こない筈だったのに

彼女は編み物をする手を止めて

私の頭を撫でていた




「たんじょうびおめでとうはアイちゃんだよ」




そう言われたとき私は現実に返された

長く居すぎたからだろうか

そうだというのならそのままあの場所に居たかった

甘くてやさしいあの時間は夢の中でしか手に入らないというのに

私の脳は残酷だ




「…そういや誕生日か今日」

重い体を起こし冷蔵庫の中を見に行く

幸い、卵も牛乳も苺もぜんぶある

そりゃそうだ



今日は誕生日

私たちが一番好きなものを作ろう

愛が教えてくれた苺のショートケーキを

今度は私が届けようと思った


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